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【「使える英語」を身につける】 ✕英語「の」勉強 → ◎英語「で」勉強

ここまで、「使える英語」を身につけるための手法として、ざっくりまとめるとこんな内容について書いてきました。

  • ゴール設定からの集中と選択

  • 「自販機方式」でのベース力作り

  • 「聞く+見る」で効率よく耳を鍛える

  • 「ふりがな方式」で語順に慣れる

  • 発音力の鍛え方

でも、これを最初から順番に、別々の教材でやっていくと時間がかかるし、社会人には正直厳しいところがありますよね。

そこで今回の記事では、社会人でも無理なく、着実に、効率よく英語力を上げていくための戦略をまとめます。
とても簡単に言えば、「英語の勉強をする」期間をできるだけ短縮し、「英語で勉強しながら英語もついでに磨く」ステップにできるだけ早く移行しましょう、という話です。

「英語『の』勉強」から「英語『で』勉強」 へ

学校で何年も英語の勉強をしても、英語を使えるようにならない。
これ、日本で教育を受けた人の大多数の体験なのではないでしょうか。

この体験からもわかる通り、「英語を学問として勉強すること」は「英語を道具として使ってコミュニケーションを取ること」とイコールではないのです。

「英語『の』勉強」の落とし穴

第一言語でも第二言語でも、仕事で使える、大人として適切な言語力を身につけるためには、単語や文法、言い回しなど、その言葉自体の勉強をすることはとても大事。
ただ、言葉の勉強をすれば言語を使いこなせるようになるかというと、それはまた別の話です。

文脈やコミュニケーションの目的や意図、ちょっとしたニュアンスの違いなどについては、多くの自然で正しい文章に触れる必要がありますが、言語自体を勉強の対象としてしまうと、ここが疎かになりがち。
そのため、英語「の」勉強のほかに、この部分の強化も別途必要になることが多いのです。

「英語『で』勉強」のメリット

「英語『で』勉強」とは、文字通り、英語を使って、ほかの何かを勉強すること。

「なんのために英語を勉強するか」というゴール、目標をまず明確にし、その目標の実現に役立つ(またはそれを実現した時に使いそうな)知識やスキルを、最初から英語で勉強していきます。

この方法のメリットは、なんと言っても、英語力が副産物になること!

語学の学習によらず、仕事でも、そもそもは何かを目指して努力しているはずなのに、その目標達成の手段として選んだツールやプロセスの方に心を持っていかれてしまうことがよくあります。
そうすると、決まった事を決まった通りにやることに集中してしまい、目指す方向性と実際向かっている方向の乖離に気づけなくなったり、創造性が失われたりしがち。

さらに、「文法的にどう、とかはわからないけど何となくこういう言い方をする気がする」「この文は間違ってる感じがする」という勘が養われます。
海外とからむ案件を担当するゴリゴリ理系で英語苦手な技術者の方がよく「英語はできないけど仕事はギリギリどうにかなる」と言うことがありますが、それがまさにこの状態ですね。

何かほかの目的があって、その目的のために英語が必要なら、英語「で」勉強したほうが効率はずっといいのです。

ゴール設定についてはこちらを参考にしてみてください。

英語「で」勉強する方法

英語「で」勉強する時のレベル設定

英語「で」勉強することにすると、まず悩ましい問題になりがちなのが、「英語の難易度はどのくらいにするべきか」という点。

これ、実は非常に簡単。
最初から、英語圏の人が勉強に使うレベル、要するにネイティブ向けの教材をそのまま使います。

これを伝えると、「専門的な内容だと難しすぎる」と抵抗されることがよくあります。
そしてこれを「何が難しすぎるんですか?」と掘り下げると、つきつめて言うと「単語・フレーズ」に行き着くことが多い。

でも、考えてみてください。

いい年の社会人が「連立方程式」を「つるかめ算」といいますか?
真剣なビジネスの場で「重大な懸念がある」「極めて好ましい」「期待を上回る」などといった表現を全て「やばい」と言いかえてしまう人がいたらどうですか?

「つるかめ算」も「やばい」も言葉として知っていて適切に使うのであれば、知っておくに越したことはないですが、仕事に使う言葉を見に着けたい人が優先的に学習すべき言葉ではありませんよね。

単語やフレーズの難易度を理由に、教材そのもののレベルを下げると、結局、あとでより難易度の高い表現を学び直さなくてはいけなくなります。
最初はハードルが高く感じられるかもしれませんが、最初から目的達成時のレベルに合わせた方が、結局は無駄が少ないですよ。

英語「で」勉強するための教材選び

英語「で」勉強するための教材には、無料で利用できるものが数多く存在します。英文ニュース、論文、無料のオンラインコースなど、初歩的なものからかなり専門性の高いものまで選びたい邦題。

世界の大学が広く一般に公開している講座を探したいなら OpenCourseWare で検索をしてみたらいいし、論文を探したければ Google Scholar で検索してみたらいい。
また、"Lean (任意の学びたいこと) online free" や "(任意の学びたいこと) 101"、"(任意の学びたいこと) Basics" といった検索でも、役に立つリソースがたくさん見つかるはずです。

さらに Udemy や Coursera、Skillshare などにも数多く、面白い講座が存在します。

なお、比較的英語力に自信がある場合は動画ベースでも十分いい学習ができますが、英語力はさほど…、という場合は目で見て、読める文字ベースの情報がついているものを選ぶのが大事です。

また、「書く」という作業には、手を動かすことによる触感や動作による刺激、文字を目で見る視覚の刺激、見たものを言語として処理するプロセスの発生、さらに音読もすれば発声、そして自分の声を聞く聴覚の刺激など、黙読やリスニングとは比べ物にならないくらい様々な刺激が伴います。

その分学習効果は高いので、英語力に自信がなければないほど、英文を書き写して読む作業の割合を多めにするとよいですよ!

「英語『で』勉強」する英語力がない → 先にベースを作る

いくら効率がいいとは言っても、ベースとなる基本的な知識が極めて低い場合は、英語で勉強したくてもできず、心が折れてしまいがちですよね。

そういう場合は、まずは最低限のベースだけ、てっとり早く作ってしまいましょう。

ベースを作るには、まず、中学英語の問題集あたりを一冊用意します。
何年生のを選ぶかは、自分で何冊か見て、「このレベルはちょっと不安があるな」というあたりに決めましょう。

次に、頭の中で問題をときながら問題集をバーっと読み進めていき、自信を持って答えられるものは無視。
自信がない、またはわからないところに印をつけていきます。

印を付け終わったら、次は回答を見て、正しい英文をノートに、完全な形で書き取り、それを音読します。

この目的は「正しい英文を頭に入れる」ことなので、答えだけ書くのは意味がありません。
たとえば問題が The objective (     ) this activity is (      ) get used (     ) the natural flow of English sentences. の穴埋めだったら、The objective of this activity is to get used to the natural flow of English sentences. というふうに、必ず完全な文を書いて、読むのがポイントです。

さらにこの時、意味や発音も一緒に調べ、調べたことはふりがな方式を使って、日本語ふりがなとしてふっていきます。

ふりがな方式についてはこちらにまとめたのでご参考までに。

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