【世界仕事のキーワード #1】Participation Is Everything
【世界仕事のキーワード】シリーズでは、日本の枠を越えて仕事をする時に、知っておくと役に立つ用語やコンセプトなどを解説しています。
今回は "Participation Is Everything" =『Participation』が全て、というコンセプトをとりあげます!
What does "Participation" mean? – 『participation』って何?
『Participate』の語源はラテン語の『pars/part(部分)』+『capere(引き受ける、担う、捉える)』。
つまり、「自分から何かの一部になりにいく、積極的な参加」を意味する言葉、と捉えるとわかりやすいです。
会議やディスカッションでも、ただその場にいるだけなら attend 。
ちゃんと発言して、メモをとって、考えて、質問して、アクティビティなどがあったら身を入れてやって、初めて participate している、と言えるわけです。
Why is it so important? - なぜ『participate』が必要?
世界チームで仕事する場合、会議でもトレーニングでも、ぐいぐい前のめりに participate するのは超重要です。
失敗しても、悪目立ちしても、結果につながらなくてもいいから、絶対やるべき。なぜか?
答えは簡単。
Participate しない = 仕事していない、だからです。
皆が見ているところで堂々と仕事をせずサボる人って、論外ですよね?
つまり、そういうことです。
ちなみに、日本チームでありがちなパターンとして、会議が終わってから「日本チームの意見をまとめてきました」などと言ってあとから意見を出してくる、というのがあります。
これは後出しジャンケンなので、そもそもルール違反。
たぶん悪気はなく、綺麗にまとまったものを出したいという親切心があるのかもしれない。
それもわかるのですが、次のように思われてもしかたないことは理解しておくべきです。
仕事をするために時間をとって集まった他の参加者の時間と努力を無駄にした
ルール違反しているのに、なぜ「特別対応してもらって当たり前」のような姿勢を取るのか?
もう皆で合意した決定事項なのに、チームをサポートする代わりにチームの努力を裏工作で潰そうとしてる?
正直、こんな風に思われていいことなにもないです。
…などと言うと、「真面目だからちゃんと考えてるんですよ」とか「日本人はシャイだから」とか反論されることがあります。
そうかもしれないですけど、でも「だからルール違反していい」には、やっぱりなりません。
ですので、とにかく participate しましょう。
Participation is everything です。
Participation 力のつけかた
Participation is everything、だから参加しろ、と言われても、次の瞬間からいきなり積極的になるというのは現実的ではありませんよね。
そこで、ここからは世界チームの仕事場で Participate できるようになるためのヒントをまとめます。
英語が苦手な場合、英語は別枠で努力が必要になるところはありますが、日本語環境でも身に付けられる(そして日本の職場でもものすごく役立つ)スキルも多いので、できることからゆっくりやってみるといいですよ。
Tip 1:Show Up Prepared
まずは「Show up Prepared」=「準備できている状態でその場に臨む」です。
特に重要な話し合いに出る場合などは特に、しっかり事前準備しましょう。
ここで言う『準備』は、資料を用意する、とか会議室を整える、とかそういうことではありません。
次のような内容についてしっかり理解して、腑に落ちた状態にしておくことを指します。
その会合の目的
議題
自分に期待される役割
自分単独でどこまで決断できるか、していいかのライン
妥協できるライン、できないラインはどこか
事前に根回ししたり、用意しておいたりする必要があるものはないか(あったらやっておく)
さらに、相手についての情報をある程度仕入れておき、相手の出方を数パターン想定して、それに対してどういう対応をしたいかも考えておくとなおよいですね。
また、英語が苦手な方が英語会議に臨む場合は、上記を全て英語で準備して頭に入れた状態にしておきましょう。
こういう準備には『独り言千本ノック』がとても効果的です。
Tip 2:Listen and Pay Attention
意味のある形で participate するためには、他の参加者の発言をよく聞き、議題に集中する必要があります。
英語が苦手だとここの部分、ハードル高いなーと思うこともあるでしょう。
しかし、そういう「ハードル高いなー」という状態が一番脳が活性化する時でもあるので、とにかく頑張って聞き、理解に努めましょう。
略語や専門用語、スラングなどわからない部分があったら、それについて質問するところから participation を開始するのも効果的。
ちょっと手をもちあげて「Sorry, I don't know what(知らない言葉)means?」とか言えばいいですので楽なもんです。
とは言え、こういう時、「こんなこと聞いてバカと思われないかな」なんて心配になるかもしれませんよね。
しかし、そもそも言語でハンデがあるのを知っていてそれを馬鹿にするような失礼で理解のない相手は、こっちが遠慮してあげるだけの価値がある人ではありません。
なのでどっちにしても遠慮無用!
Tip 3:Find an Ally
それでもどうしてもなかなか入れない…という場合、前もって味方を作っておくのもオススメ。
会議に出る人のうち、味方になってくれそうな人を事前に見つけて、話をこっちにふってくれるようにお願いしておいたりしてもいいと思います。
協力してもらったら、後でちゃんとお礼言いましょうね!
Tip 4:Stay Courteous, Show Respect
「英語には敬語がない」という説を見聞きすることがありますが、それは全くの間違いです。
日本語と同じ構造、同じ論理に基づいた敬語の概念はないにしても、丁寧な表現、身分や地位が高い人に対する言葉づかい、相手を慮る表現、遠慮する表現は数限りなく存在し、日常的に使いこなすべきものである点は何も変わりません。
英語のレベル的に細かい使い分けができない場合でも、ボディランゲージに気を配る、口調に気を配る事はできるはずなので、せめてそちらに気を使いましょう。
そして英語がそこそこできる方は、日本的な敬語の感覚から英語的な敬語の感覚に寄せていく練習をおすすめします。
この手の感覚の違いは、こういう「英語系の記事」みたいなものを読み漁っても正直たいして身につかないと思うので、明らかに敬語がたくさん出てくる小説や、英語で英語圏の人向けに書かれたマナー本がオススメ。
アメリカ系のマナーとイギリス系のマナーは大きく違うので、両方読むとバランスが取りやすくなります!
Tip 5:Utilize the Power of Questions
Tips 4 のマナーを守って、リスペクトを見せて…を意識すると何も言えなくなってしまう!と思った場合、発言内容を質問にできないか考えてみましょう。
例えば、こんなことを言いたい場合…
「今週中にあなたがここまでやらないと納期間に合いませんよ。ちゃんとやってくださいね」
こんな言い方にしてみたりします。
「納期を考えると、今週中にここまで終わっている必要がありますよね?なにか必要なサポートありますか?」
ちなみに、日本だと上司が部下に「木曜までにこれやっといて」というのは全く問題ないですが、日本の学校で学んだ英語でこれを言おうとするとショックを受けるレベルできつくなりがち。
一回でアウトにはならないでしょうが、度重なるとパワハラだと言われて人事に持っていかれてもおかしくないレベルになるかもしれません。
「え?」と思った方、ぜひ質問に変えるところから始めましょう。