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【出張執筆:みあぞーさん】秘密基地メイドカフェ支部へようこそ!

本作品はVket Cloudにてみあぞーさんを出張執筆した時の作品です!

上述の動画内でみあぞーさんやリスナーさんと共に執筆した即興小説を記載しますので、是非ご覧くださいませ!

【秘密基地メイドカフェ支部へようこそ!】

 ここは秘密基地の沢山ある部屋のうちの一つ。
 他の部屋と違って、シックにまとめられています。
 テーブルや椅子の、ヨーロッパ風の素敵な調度品。
 棚には秘密基地の持ち主が集めた紅茶が収められている。

 ヴィクトリアン調の椅子に座って、みあぞーは満面の笑顔で舌ぺろしていた。
 テーブルに置かれた、おいしいごはんを眺めながら。

 ここはみあぞーの秘密基地、メイドカフェ支部。
 店主みあぞーとお客様が、おいしい料理を開発する場所。
 みんなが持ち寄った食材を組み合わせたり、飲み物を混ぜてみたりして、できあがったものを一緒に味わうメイドカフェ。
 みあぞーはメイドカフェの秘密基地の主であり、メイドカフェの店主であり、給仕係の担当である
 みあぞーはかつてメイドカフェで働いていて、自分の秘密基地にも欲しいと思ったのだ。

 今日は新しいコース料理、「みあぞースペシャル」を開発する日。
 お客様が持ち寄ったものをアレンジして、みあぞーメイドが給仕する。

「どんなコース料理になるのかな?」
 イスに座り、ワクワクしながら待っていると、カラカランとドアベルが鳴った。
「あっ、いらっしゃいませー!」
 みあぞーは立ち上がり、お客様をお出迎えする。
「みあぞーの秘密基地、メイドカフェ支部へようこそ! お料理のご注文ですか? みあぞースペシャルの開発ですか? それとも……?」
 みあぞーはウインクしてみせながら、本日のお客様第一号の返事を待っていた。

「すみませーん、ここはネコカフェと聞いてきたのですがぁ」
 リョウ・アスナーラは訝しげに聞いたが、すぐに納得の表情を浮かべ。
「みあぞー自身がネコなのだ!」
 みあぞーは元気良く答えて、ネコミミをピクピクさせた。いうや否や、次々とカラン、カランとドアベルが鳴り、続々とお客様がやってきた。
「わぁ、お客様来たー!」
 その中に黒ジャケットの男がやって来て、何やら袋を差し出した。
「これが今回の食材です。ケーキでもオムライスでも何でも作れる魔法の食材です!」
「いいね~! じゃあ、誰かここに手を突っ込んでください! そして何が出てきたのか教えてください」
 するとシルフィーが不審な袋に片手を突っ込み、中身を取り出すと、何やら満足そうにうなずきながら言った。
「これは……生後12ヶ月未満の羊のお肉!」
「ジンくんだ!」
 隣にいたゼロCEOが、嬉しそうに言った。

「じゃあ、今日はみあぞーがジンくんで料理していくよー! 今日のメインはラムチョップにしよう!」
「今日は土用の羊だったのか」
 なんて火月からツッコミが起こった、7月24日のメイドカフェ。これ以降、土曜のウナギは土曜の羊が伝統になったという。羊肉にも「う」が付く食べ物なので間違いではない。

 それからみあぞーは厨房に行って、オリーブオイルでラム肉を焼き始めた。
「そうだ! ラムチョップはじっくり焼くとして、コース料理だから他に食べたいものあるのかな~?」
「ラムレーズンアイス!」
 ほぼ同時に、ひおが怪しげな袋からラムレーズンアイスをひいた。どうやらこの袋はラムが付くものが出てくる、羊に何かしらの執着を持った者による魔法のアイテムらしい?
「じゃあ、飲み物はラムネで! 今さっきラムネ買って飲みました♪」
 スレインはそういいながら袋に突っ込み、手を取り出すとやはりラムネが握られていた。
「甲羅蒸しも追加で」
 そう言った芳田シンは、「こう『らむ』し」とは、蟹の甲羅に色々入れて蒸した料理です」と説明を加えた。
「あとはク『ラム』チャウダーとか?」
 へぼきもすかさず言う。段々とフルコースらしくなってきた。
「ラム酒とかは?」
 カズカズが提案すると「じゃあ食前酒にモヒート(ラムベースのカクテル)なんか合うかなぁ」とゼロデシベルが更に提案。お客様同士で話し合うようになって、さながらみあぞーの誕生日プレゼントを考えるように、賑やかになってきた。
「お酒も出る大人なメイドカフェだー!」
 みあぞーがバンザイして喜ぶと、最後には誰かが取り出したのか、プラムのサラダやおつまみのカラムーチョまで出てきた。
「フルコース出来たんじゃ?」
 たーが述べると、皆も納得したように「豪華なフルコースになってきた!」と更に楽しい雰囲気に。

  ◆  ◆  ◆

 やがて、みあぞースペシャルを全てのお客様に給仕したみあぞー。空いている席の前に立つと(そこにはみあぞー自身の食事が置かれていると)、両手を合わせるような動作と共に宣言した。
「それでは! おててとおててを合わせて、いただきます♪」
「いただきます!」
 みんなが一斉に食べると、「ラム」のフルコースを全力で味わう。
「皆とご飯を食べられて嬉しい」
 なんて、お客様の一人のみっふぃは涙を流す。
「みあぞーにあ~ん出来るんか???」
 あもせは冗談ぽく笑いながら、ラムレーズンアイスをすくったスプーンをかかげる。
「もなか君に食べさせてあげるのもありかな?」
 と誰かが言うと、「あ~んしあうしか」と腕組みしながらゴンベが語った。

 そんなこんなで食事会が進む中、お客様の一人である藤隆が、黙ってみあぞーにケチャップを差し出す。「ここだ」と言わんばかりに、全員が隠し持っていたケチャップ(ノズルの細いやつ)を一斉に差し出した。まるで一斉に銃口を向けられたみたいで、ちょっと怖かった。
「ま、まさか!」
 メイドカフェで働いていたみあぞーは全てを察した。お客様たちは「みあぞーのあのセリフを聞ける!」と期待して、心をキュンキュンさせている。

 はてさて、呆れたような、嬉しそうな表情をしたみあぞーは、藤隆から差し出されたケチャップを受け取り、『ラム』にケチャップでハートを書いた。すぅ……とみあぞーが僅かに息を吸い込むくらい、店は静まり返っていた。それから――。

「もえもえキュン💛」


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