フェニーチェ劇場(ヴェネツィア)
2018年の秋に、フェニーチェ劇場で「椿姫」(原題:La Traviata」を鑑賞しました。ここで少しだけ紹介できたらと思います。
一度はボックス席でみてみたいと思っておりましたので、チケットは2か月前にインターネットのフェニーチェ劇場のサイトから予約しました(今は右クリックでほとんど翻訳になるので便利ですね)。
サン・マルコ広場に近いサン・ベネデット劇場が焼失し、その建て直し後の1792年に完成したのがフェニーチェ劇場です。
劇場入り口。扉のところでチケットを持っているか確認をします。
ロビーに入ると、シャンデリアがあちこちにぶら下がっていました。
ロビー近くで、フェニーチェ劇場に関する本や、パンフレット、その他CDなどが売っていましたが、この売店は最初だけ(もしかしたら幕間も?)だけ開いており、幕後は商品を売っていませんでした。
服装はスーツやネクタイ、またジャケット、黒いドレスなどの方々もいれば、ポロシャツ、白いTシャツなどカジュアルな服装の方々もいらっしゃいました。服装で劇場に入れない、ということはなさそうです。
ボックス席までの壁のいたるところに当日公演「椿姫(La Traviata)」の詳細が貼られていました。
非常口の案内がありました。
一応席案内の表示もありましたが、二階のボックス席へ向かう途中に劇場係の方が案内してくれました。
ボックス席です。手すりの部分は赤いベルベットの生地でした。サイトにアクセスしたときは席は固定されているような図面でしたが、細長く移動できるような簡素な椅子(こちらも背もたれと座る部分が赤いベルベット)が4つ置かれており、誰かと一緒だったら気をつかうだろうなという感じでした。幸いここを予約したのは私だけだったので、一人で悠々と鑑賞できました。
扉は自由に出入りでき、壁には金の大きな鏡が2つもありました。
部屋のはしっこには帽子やマント、上着をかけるフックがありました。この空間には電気は設置されておらず暗いままで、スマホの灯りで扉の取っ手の位置を探しました。
ボックス席(私の席は前から6番目の二階)正面からの眺めです。左下からオーケストラピット、正面下が平土間席、そしてその上がすべてボックス席です。
ボックス席一つ一つの間にランプが灯されており、金箔の貼られたバロック風の彫刻の装飾が見えます。
そして少し横を向くと舞台が見えます。もしここが固定された椅子席だったら、舞台の方が見えにくいかもしれません。ここからだと、オーケストラの様子、平土間の様子、またボックス席の様子、そして舞台に立つ歌い手がよく見えますが、上に表示される字幕は飾りのランプでほとんど見えません。
天井です。大きなシャンデリアが中央からぶら下がっており、やはり縁は金箔の彫刻の装飾で覆われています。
一部拡大してみると、三人のニンフが描かれていました。
後ろを向くとこんな感じです。ボックス席の二階のやたら金箔の貼られた派手な装飾のあるカーテン付きの部屋がありますね。あそこがこの劇場で一番高額の席で、かつて諸外国の王侯貴族を迎えた時に案内された席になります。舞台を正面から、平土間席、ボックス席も(もちろん上の字幕も)楽にみることができます。一番安い席(おそらく当日に買える)はボックス席の5階席です。
ちなみに、この日とは別に、友人が「セビリアの理髪師」の一番安いチケットを当日買って誘ってくれたので鑑賞しました。
5階席だと空間が区切られておらず、複数の人と一緒に観る感じでした。
眺めとしてはこんな感じです。シャンデリアが明るかったです。
天井にとても近いため、二階席から遠かった装飾がよく見えました。
ここの席で一番よかったのは、字幕(英語とイタリア語)がきれいに見えることです。まるでテレビを見ているようでした。
また、幕間には1階の飲み物を楽しめるスペースもあり、最初にずらりと一列に並んで会計をし(現金はなしでvisaやmasterは使えずAmexだけ使えた記憶があります、あともちろんですがこういうところはやたら高い)、そのレシートをカウンターに持っていって、飲み物を作ってもらうという感じでした。カウンターは丸い形で列はなかったので、我先にと作ってもらう様子はまるで戦争でした。私は会計を済ませたのが早い方だったのですがそこで少々てこずりました。戦争の後のシャンパンはおいしかったです。
以上、フェニーチェ劇場での鑑賞でした。