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【地中海捜索救助船の窓から】#8

5月15日にノルウェーを出航、
その後、アルヘシラスとジブラルタに寄港して
追加の荷物を積んだり、
ジャーナリストを乗せたりして、
昨日やっと、リビア近くの捜索救助ゾーンに着きました。

今は、アクティブに双眼鏡で
難民の乗った遭難ボートを探しています。


天気も良くて、波も落ち着いているので、
絶対渡ってくるハズ・・・

先週も、他のNGOが450人を救助して、
パレルモで下船して、
その前の週もこれまた違うNGOが
パレルモで450人くらい
下船させてるハズ。
その後、予想通り、
その船はイタリアに押収されて、
運行停止。
イタリアの難民救助船への圧力は
まだまだ強い。

連れてくるのはいいけど、
どこの国が一体引き受けるの?
っていうのが問題で
もう、日本人としては声も出ないわ。
難民支援なんて、してないようなもんだしねぇ。

そして今、チームの中ですごい気になってることがある。
それはコロナ対策。

触っただけでは、うつらないし
症状ある人は検査して、
ある一定の場所に隔離。
と言っても、ロープで区切るだけだけど。

あとは、みんな普通のマスクして
手洗いすればいいだけ。

なのに、塩素で消毒、
そこは触るな、ドアは開けるな、
隔離はカーテン作って本格的にしろ・・・

めっちゃエスカレートしてるし。

医療チームでさえも、
カーテンつけて仕切るべきだ!
トイレは遠すぎる!
陽性の人がトイレまで歩いたら
拡散する!
こっちのトイレを使うべきだ!


あー、こうやって世間でもコロナ差別って
始まるんだな〜って思った。


1ミリも喋らなかった、
私もそろそろ我慢できなくなって、


「ねぇ、みんな
エスカレートしすぎじゃない?
コロナはエボラじゃないよ。
マスク手洗い、
ソーシャルディスタンス
してたら大丈夫だよ。

カーテンなんてつけて、
視界遮って、5日もいたら
すごいストレスだよ。
マスクしてたら
少し離れたトイレに
歩くぐらい大丈夫でしょ」


女医さんと、ドイツ人上司に

「%$#’&%#%##$!!!!!!」

もう、同時に喋んないでって。
だから、エスカレートしすぎ。

「陽性の人がトイレに行くのは
よくない!うつったらどうするの?」

っていうのは聞き取れたけど、
あとはわかんない。
とりあえず、私的には

「私は、かかってもいいとは言ってない
ただ、異常なほどに
隔離しようとしてる考えが
ちょっと怖いよって言ってるだけ。

ずっと同じ場所に隔離されるって
メンタル的に辛いって私たちも
ステイホームしてわかったでしょ

それは、船の上だともっとだから
去年の経験から言うとね」

ドイツ人上司

「トイレをあそこに立てたのが悪い。
一体誰なの、あそこにコロナ用の
トイレを建てたのは!!!
次のロテーションでは、
トイレの設置やリノベーションから
考え直さないといけないわ!」

私の心の声

「壮大すぎるだろwwww
頭良すぎて、一周しちゃって
実はこの人バカなのか」

で、その後も、
どう隔離するのかの会話が
on and on and on and on...
続く続く続く・・・

ダメだこりゃ。
もう、勝手にエスカレートして
話しててくれ。

私は違う仕事あるふりして
とりあえず今日は抜けた。

この感じが続いて、
誰も冷静に言わなかったら
私が朝のミーティングで言うか・・・

続く


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途上国で助産師する人@今ウクライナ
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