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5.「いつでも言ってこい!」

"風通しのいい会社"、"やりがいのある会社"、"みんな仲がいい会社"等々、社長なら当然、会社を良くしたい、社員に気持ち良く働いてもらいたいと思うもの。
そんな思いが「いつでも言ってこい!」器量タップリ、寛容な姿勢を以てこの言葉を言ってると思いきや、これを言うときは大抵、機嫌がいいか社内の雰囲気が悪い時。
背景にあるのは社長独自の判断の積み重ねが組織が機能しない結果を招いているにも関わらず、スタッフは「社長が決めたこと」だから意見はおろか、反論することも無く言われた通りに動くから。
当然、スタッフは日々のストレスが鬱積し愚痴るし粗暴な言動に出て社内がギグシャクする。毎日会社に来ない社長であれば、この事象を感じるタイミングが遅れ、気付いた頃には重傷になっているのが殆ど。軽傷であっても澱んだ空気は容易に元に戻らず、社長は「どうしたんだ?」「何があったんだ?」とスタッフの中から犯人探しを始める。
事情聴取を終えると、どうやら一個人だけが原因では無いと把握すると対象者を広げ再度、事情聴取。その結果、社長はどうやら自分の判断が原因と気付き、「どうして、こうなるまで何も言って来ないんだ?」、「おかしいものはおかしいと言っていいんだぞ」と。そして決めゼリフがこれ、「いつでも言ってこい!」、「何でも言ってこい!」、「俺が相手でも遠慮するな!」。
スタッフの殆ど多くは肚の底で「言えるものなら言ってるさ」、「言えない原因わかってない」、「社長が元凶と気付いてない」と呟き、シラケ、諦めムード。
因みに、こんな社長に耐えられないスタッフは直ぐに退社し、耐えれるスタッフは長年居座り、処世術に長けて、一見人当たりがいい。しかし、陰では毒舌、新しい事を拒み、柔軟性に欠ける人が多い。こういう社長には、こういうスタッフが蔓延る会社に自然となって行く。

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