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年末のご挨拶&新春向け作品のご紹介
年の瀬に失礼します。
ハーブティーブレンダー見習い、本職は株式会社CRAFT BEER BASE醸造ディレクターの阿部です。
いよいよ2021年も終わりを迎えます。本年は公私ともに激動の年でした。
会社の動きとしては、設立より9年続いた本店CRAFT BEER BASEをクローズし、新拠点CRAFT BEER BASE MOTHER TREEをオープン。それに伴い、本店とは別所にあった醸造所をMOTHER TREE へ移設。
移設期間中はもちろん、その前後は繰り返し発令される緊急事態宣言の影響もあって、まともにビール造りができず、腐りきっていた時期もありました。
海の近くに住みたいといって会社から遠く離れたところに引っ越し、またすぐに引っ越して戻ってくるなどの奇行もありました(笑)。
しかしそのおかげで、自分にとって必須だと考えていたハーブティーの勉強を本格的に始めたり、このnoteなどで苦手な自己発信を始めたりと、考えを実行に移す時間をとることができました。
醸造を再開してからは大忙し。
MOTHER TREEと同時にNewオープンした阪神百貨店B2F CRAFT BEER BASE BRANCHも大繁盛で、自社ビールは造ってもすぐに売り切れ、なかなか安定供給ができていません。
これについては有難いやら申し訳ないやら、複雑な思いです。
2022年は醸造設備を増設する予定なので、それ以降は製造を軌道に乗せたいところです。
また、ビールとは別の(とはいっても密接に関係している)個人的なハーブや香りに関する創作活動も具体化したいと思っています。
ひとまずの目標は活動に名称とロゴを持たせ、ブランドとして育成を始めることですが、決して急ぐつもりはありません。
しばらくはなんらか創作を継続することで、自分に生み出しうる価値をぼんやりと眺めてみたいと思います。
今後の活動にご期待いただければ幸いです。
新春向け作品のご紹介
さて、年末年始の活動内容は「お屠蘇」にインスパイアされたビールとハーブティーです。
お正月にお屠蘇を飲む習慣のある家庭は少なくなっているかもしれません。念のため説明しておくと、お屠蘇とは一年間の無病息災を願って飲む薬酒です。
その一般的な作り方は、清酒と本みりんをブレンドして甘味を調整した酒に、屠蘇散と呼ばれる混合ハーブ&スパイス(漢方)を漬け込みます。
熊本県の方では赤酒という赤く甘味のある地酒が用いられることもあるようです。
屠蘇散の中身には、肉桂、陳皮、丁子、茴香、生姜、山椒、桔梗、白朮、防風といった漢方がブレンドされます。
『お屠蘇エール2022』
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白麹で軽い酸味を付与したアンバーエールをベースに、
・陳皮(オレンジピール)
・肉桂(カシアシナモン)
・丁子(クローブ)
・茴香(フェンネルシード)
・生姜(ジンジャールート)
・山椒(ティムール=ネパール山椒)
・ホップ
を自家ブレンドして使用しました。
ティムールについては五香エールに関するこちらの投稿をご覧ください。
2022年度版『お屠蘇エール』では陳皮を大胆に投入しました。
ここに肉桂や丁子の香りがアクセントとして加わり、グランマニエなどの樽熟成オレンジリキュールのような香りに仕上がりました。
白麹の使用量が絶妙で、そのクエン酸と、麦芽の甘味、ホップの苦味がバランスをとり、さながら日本酒のような甘味、酸味、苦味が調和した味わいとなりました。
酵母にはフルーティな香気成分エステルを高く生成するベルギー酵母を使用して、日本酒でいうところの吟醸香を付与。
麦芽には濃色のカラメル麦芽「Special B」を使用して、熟成の進んだ本みりんのドライフルーツのような風味を表現しました。
他ではなかなかない原料組み合わせで、非常にオリジナリティの高いビールとなっております。
フードペアリングとして、マーマレードジャムの効いたスペアリブやパウンドケーキなどは合わせやすいでしょう。
ですが、せっかくならテーマ的には和食と合わせたいところです。
筑前煮などのこってりした煮物はどうでしょうか。
白麹のアミノ酸の旨味と思いがけない相乗効果が起きるかもしれません。
Brewer’ s Blend Herbal Tea 第三弾『お屠蘇ほうじ茶Blend』
『Brewer’s Blend Herbal Tea』のコンセプトについてはこちらの投稿をご覧ください。
『お屠蘇ほうじ茶Blend』は『お屠蘇エール』に対応する基本ハーブブレンドをベースに、ほうじ茶とゴボウの根を加え、奥深い味わいのティーに仕上げました。
アロマは肉桂、丁子などの温かいスパイシーさと、ネパール山椒のオリエンタルな柑橘感、茴香の清涼感。それらをほうじ茶の香ばしさが受け止める。
味わいは各ハーブの渋味と、ほうじ茶・ルートの旨味、肉桂の甘味がバランスを取り、山椒の軽い痺れがアクセント。
特に肉桂の甘味は長く蒸らせば蒸らすほど抽出されるので、待てる方は表記時間(8分)以上蒸らしてから飲んでみてください。
お湯抽出を想定していますが、本当の屠蘇散のように日本酒や本みりんに一晩漬け込んでみても美味しいかもしれません。
提供・販売店のご案内
では最後にお店の宣伝をさせてください。
今回ご紹介した『お屠蘇エール2022』をご提供・販売するお店は以下の通りです。
『お屠蘇ほうじ茶Blend』についてはCRAFT BEER BASE MOTHER TREEのみでの販売となります。
『お屠蘇エール2022』の提供・販売店(取り扱い頻度の高い順に記載)
醸造所併設の複合施設です。新梅田のスカイビル近くです。
店内でお食事とともに樽生ビールを飲めるほか、ボトルビールの購入もできます。
国産クラフトビール専門のビアスタンドです。阪神百貨店B2Fバル横丁。
店内で樽生ビールと軽いおつまみが楽しめます。
クラフトビール専門のボトルショップです。阪神百貨店お酒売り場。
自社ビールのセット販売など予定しています。
〇CRAFT BEER BASE BUD
国内外のクラフトビール専門のビアパブです。お食事も充実しています。
大阪駅前第一ビルB2F。自社ビールの取り扱い数は少なめですが、他社さんのビールも最高に美味しいので是非。
では、ここまで読んでくださってありがとうございました。
2022年もどうぞよろしくお願いいたします。