私たちが「異彩」と出会う場を作りつづける理由｜作家1日ストアスタッフレポート

ヘラルボニー

2024年11月28日 14:07

2024年11月、クリスマスに向けて街の空気が煌めくなか、大丸東京1階のウィンドウには「異彩」を放つアートスカーフがずらり。11月20日〜11月26日の7日間、HERALBONYのPOP-UP STOREがオープンしました。

実は、このたびのPOP-UP STOREでは、ストアメンバーが考案した初めてのイベントが催されました。異彩を放つ作家の皆さんが「1日ストアスタッフ」を務めるというイベントです。

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。ご来場いただけなかった方にも、ヘラルボニーが実現したい”理想の風景”の一部をお届けできたらと思い、イベントレポートとしてお伝えします。

「異彩」を放つ作家とお客さまをお迎え

今回のPOP-UP STOREでは、ストアスタッフのアイディアで「作家1日ストアスタッフ」というイベントが開催されました。3日間に渡り、HERALBONYの3名の契約アーティストの皆さんにお越しいただくことができ、おかげさまで店内は大盛況となりました。

オープン初日に駆けつけてくれたのは、伊賀敢男留さん。敢男留さんが着用されているのは自身のアート作品「夜景」のクラシックシャツ。
ディスプレイのハンカチを丁寧に畳む姿も、器用な敢男留さんらしくて印象的でした。

覚さんのアート作品「夏の魔物」のシャツを着用して、同じく「夏の魔物」のタオルブランケットを購入されたお客さまを接客していただきました。

背中をかいてもらうと落ち着く小林覚さん。背中をかかせて欲しくて並ぶ方や写真を撮りたいお客さまの列で「サトル待ち」まで発生する事態に。

今回初めてHERALBONYのイベントに登場いただいた自然生クラブの佐藤皓平さん。

佐藤さんは、茨城県つくば市にある「自然生クラブ」に在籍するアーティストで、幼い頃から体を動かすことが好きで、6歳からダンス教室に通っています。なんと現在、「バリアフリーダンサー KO-HEY」としても活動をされているほど。

佐藤さんの「恐竜時代」が落とし込まれたニットマフラーは、アートのダイナミックさを再現できるよう、2種類の異なる風合いのウール糸を組み合わせたジャカード織りによって立体的に表現されています。

どことなく、HIPHOPの雰囲気を感じるような。その大胆な色使いや表現に心を奪われます。

ニットマフラーを巻いて店頭にご来場いただいたお客さまと会話をしたり、得意のダンスを披露してくださったりも！佐藤さんがお店にいる時間は、多くのお客様で溢れていました。

企画に込めた想い。HERALBONYが実現したい風景

HERALBONYではPOP-UP STOREやアート展を開催する際に、作家の皆さんとお客さまと同じ空間で、同じ時間を過ごすことを大切にしています。

今回のストアスタッフという初めての試み。考案したストア担当のメンバーに話を聞いてみると、「店頭に立つ私たちストアスタッフは、HERALBONYのお客さまが作家さんに関心が高く、大好きでいてくださることを知っています。作家の皆さんとの出会いの機会はきっとお客さまも喜んでくださるだろうという確信がありました。」との言葉がありました。

「障害」＝欠落、ではなく、
ちがいがあるからこそ、描ける世界がある。

作家さんと出会う体験を通じて、「実はこのアートを描いたのは障害のある作家さんなんだよ、その人はね、こんな人で、とってもユニークで・・・・！」なんて、会話が生まれるかもしれません。

そこにはきっと「可哀想」という感情ではなく、アートを描く作家への「リスペクト」や「憧れ」のような感情が伴った会話なのではないでしょうか。

作家さんの周りに人々が集い、笑顔が広がる空間を生み出すことができるそんな唯一無二の価値観をお伝えできるブランドとしてHERALBONYはありたいと思っています。

HERALBONYに訪れてくださった方々の生活の中に、そんな風景が生まれていたら。少しずつ障害に対するイメージが変わっていく未来がくるといいなと思い、多くの方が「異彩」と出会える場所を作りたいと考えています。