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設立6期目にして改訂した新バリューを羅針盤に、へラルボニーは原点と未来をつなぐ

2023年7月、
ヘラルボニーは、創業6期目を迎えました。

創業者の松田兄弟が2人で起業した会社も、いまでは50名以上の組織へと拡大。両代表の兄、翔太さんがノートに記した「ヘラルボニー」という謎の言葉に共鳴する仲間が集い、それから数えきれないほどのプロジェクトが生まれました。支援や貢献ではなく、ビジネスとして挑戦を決意したヘラルボニーは、さらなる事業の拡大、そして大胆な挑戦を続けています。

そんななか6期目を迎えたへラルボニーは、仲間たちとあることを決めました。どんなに組織や事業が変化したとしても初心を忘れず、本気で、10年、30年、50年先に語られ続けるような、福祉業界を牽引するリーディングカンパニーを目指すために、会社の行動指針である「バリュー」を改定することを決めました。

一般的に「バリュー」とは、同じ組織で働く仲間たちのために存在する言葉ですが、へラルボニーはこのバリューを組織のみならず、事業の隅々にまで染み渡る言葉にしていきたいと考えています。だからこそ、今回のnoteではバリュー改訂に至った背景をしっかりお伝えしたいと考え、発信することに至りました。

なぜこのバリューなのか?なぜこのタイミングで改訂したのか?その背景をヘラルボニー両代表である松田崇弥・文登から話をさせてください。

バリューは会社の羅針盤。一人ひとりの意思決定に寄り添える言葉でありたい

ー ヘラルボニーにとって、バリューはどんな意味を持つと思いますか?

崇弥:険しい山道のなか目的地に向かうために必要な羅針盤のように、様々な決断の物差しになって、一人ひとりの行動を支える、そんな意味を持つんじゃないかと思います。共にこのバリュー策定に伴走してくださったPARK Inc.代表の田村さんからも「いつも頭のポケットに入れて、自分の行動を自問するための物差しとして使っていってもらえたら。」という言葉をいただきました。

文登:「ヘラルボニーは企業体でもあり運動体でもある」とよく私たちは伝えていますが、運動体における細胞みたいなものがヘラルボニーの一人ひとりだとしたときに、それらがバラバラに動いていては、推進力を持って前に進むことはできない。ヘラルボニーという運動体の推進力をさらに上げるために示したものが、今回の新しいバリューです。

ー なぜこのタイミングでバリューを改定することになったのでしょうか?

文登:自分たちのなかでバリューを含めたカルチャーの話はよくしていまいした。きっかけになったのは、投資家の方々から、「会社は50人を超えてくると、一気につまらなくなってしまうことがある」と言われたことがあって。既存のカルチャーや事業に固執し続けることによって、新たなチャレンジが生まれにくい文化がつくられてしまうんですよね。今、私たちはその岐路に立ってると思います。10年後も残り続ける、へラルボニーらしい文化をつくっていくために、今回バリューを変えることにしました。

崇弥:このバリューは自分たち双子以上に効力を持っているものとして、本気で向き合っていきたいと思っています。へラルボニーのメンバーだからこそ、新しい文化と歴史を共につくっていけるんだと深く自覚してますし、私自身も、仮にこれで失敗したらもうしょうがないなと思えるぐらいの、最高なメンバーでやれている自負もあります。心からやり切りたいと思ってますので、私たちも含めてぜひ一人ひとりがこのバリューを体現してほしいですね。

「誠実謙虚」であり続けるための、3つのバリュー

崇弥:バリューの設計にあたっては、まず大きな幹となるものを1つ掲げて、それに対して3つの大切な行動指針を定めています。

前提として掲げたのは、私たちのありたい姿。「誠実謙虚」と、ストレートに表現してみました。もっとスタートアップらしい勢いのある言葉が適しているのではという議論もあったのですが、自分たち自身が、本気で創業当初の想いに立ち返っていくのだということを関係者全員にわかりやすく、強い指針として示すためにこの言葉を選びました。

文登:ヘラルボニーという傘が徐々に大きくなるにつれて、話を聞いてくれたり、一緒に取り組みたいと言ってくれる方々がどんどん増えていきましたが、これは私たちがすごいのではなくて、作家の素晴らしさが伝わってきたということに他なりません。常に「誠実謙虚」であり続けることが、障害のある子を持つ親御さんや福祉施設の職員さん、その周りにいる人たちを感動させられるはずです。そして共に熱狂する輪をつくっていって、「障害」という概念のイメージを変えたその先に、誰もがありのままに生きられる社会をつくり出せると思っています。

崇弥:1つ目の「挑んでいるか?」は、私たち自身が圧倒的に挑戦して、新しいことが次々と生まれていると言えるカルチャーをつくり出すことを意味しています。いつかヘラルボニーにCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)が発足して、ヘラルボニーから飛び立った起業家たちに投資していく未来を想像できるくらい、挑戦というカルチャーを大切にするマインドを浸透させたいという想いを込めました。

文登:メンバー全員が、新たな挑戦を大歓迎し、「障害」の概念そのものを変えていくために果敢に新規事業にチャレンジしていく会社であり続けたいと考えています。

崇弥:2つ目の「未来をつくっているか?」は、特に大切な言葉です。私たちは既存産業ではなく未来産業をつくっているので、常に数年、数十年先の未来を見越した意思決定をしたいと考えています。短期的な利益よりも、中長期的な利益、そして社会が本当に良くなっているのか見極める力。

また、これからカルチャーの1つとして、「学びの場」も積極的につくっていきます。障害福祉のアートではアールブリュットやアウトサイダー、アールブリュットジャポネといった先人の方々が、長い時間をかけて築いてきた歴史があり、へラルボニーはその歴史のうえを走らせていただいている。だからこそ、2023年のいま、挑戦することができています。そのことを強烈に深く自覚する必要があると考えています。

文登:また、ヘラルボニー創業当初は全国の福祉施設を積極的に伺うことができていたものの、会社が大きくなるにつれて次第に現場から遠のいてしまったというのが私たち双子の反省です。この機会に改めて、現場第一主義を掲げて、福祉の課題に対して現場での対話を通して社会に向けてアウトプットすることに重きを置きます。上から目線でも、下から目線でもなく、障害のある方々や、福祉施設で働く方々の “伴走者” として隣にいる状態をつくっていきたいと考えています。

崇弥:3つ目の「共に熱狂しているか?」は、会社だけでなく関わるステークホルダーのみなさんと一緒に、新しい産業に向けての熱狂をつくりたいと本気で思っているからこそ、定めたバリューです。そんなカルチャーを醸成するためにも、「正直で誠実で謙虚な人」が報われるようなオープンカルチャー、組織づくりを目指します。

文登:失敗を共有することを恐れる方も多くいると思いますが、私たちは失敗をオープンに共有することがむしろ評価される状態をつくりたい。向上心を持って果敢に挑戦していった結果としての失敗は、むしろ会社の資産になるものだと。

すべては「異彩を、放て。」を達成するために

ー働く仲間の視点も参考にしながらバリューを策定したとのことですが、具体的にどのようなプロセスを経て出来上がったのでしょうか?

崇弥:まず、田村さんと「ありたい姿」と「誠実謙虚であるための4つの行動指針」という大枠の方針を固めました。「圧倒的挑戦者であること」、「本質と未来志向であること」、「変化にフラットであること」、「ワンチームで最大化すること」という4つの軸です。

これらを全社会議で発表した後、メンバーだけでなく顧問の方々、副業やインターンとしてヘラルボニーに関わってくれている、すべてのメンバーに向けてアンケートを実施しました。Slackに「#新Valueヒアリング」というオープンチャンネルを新設し回答を募ったところ、ほぼすべてのメンバーから、想いの溢れる回答が返ってきました。

メンバーからもらったたくさんの言葉すべてに目を通した上で、一人ひとりからの意見を集約して、バリュー改訂プロジェクトのメンバーが推進してくれました。

ー 最後に、新たなバリューを今後どのように活かしていく予定なのか教えてください。

崇弥:これまで大切にしてきた6つのバリューがありますが、それらに感謝の想いを持ちつつも、改訂された3つのバリューを大きな柱として、採用から制度設計、人材開発に展開していきたいと考えています。具体的には人事評価制度に取り込んだり、バリューを体現しているメンバーを称賛するためのアワードなども取り入れていきます。

当然ながら、バリューは掲げるだけでは意味がありません。この言葉がチームに、一人ひとりに生き続けないといけません。今後、楽しい時も苦しい時も様々な局面で、このバリューに救われたり、後押ししてくれる存在になったらいいですね。

そして、その先にヘラルボニーのミッションである「異彩を、放て。」の達成につながる。そんな未来をワンチームで達成していきます。

【会社説明会】人・組織・カルチャーから紐解く、へラルボニー6期目の挑戦

さらなる福祉領域の拡張に挑むヘラルボニーのカルチャー・組織・人における「変化」をテーマに、会社説明会を開催します。

大きな変化を迎えるヘラルボニー、新たな仲間を募集しています。ぜひ興味のある方はイベント詳細をご確認ください。


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