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才能
今日も今日とて、猫みたいな愛しいあの人は、アメリカに行ったまま何の音沙汰もなく。どこかでボソボソニャゴニャゴ言いながら、何かしてるに違いないと思いながら待つしかない。
何してても大好きだから、ご飯はちゃんと食べて、よく眠って、靴下はいてね、と願うばかり。
そう。大好き。
彼らをよく知らない人に「グループの中で誰が好きなの」と問われ、彼の名前を告げると、「ああ・・・あの後ろのほうにいる目立たない人ね?」って言われるのだけれども。
わかってないわね、貴女方。
彼の魅力がわからないなんて、まだまだ子猫ちゃんなのね。
彼の沼は、めちゃくちゃに広くて深い。そして熱い。
実際Twitterという窓からファンダムを覗いただけで、その広さと深さに、本当に圧倒される。
それぞれにとても魅力的なメンバーが7人もいるのに、なぜ彼なのか。
顔が好き、手が好き、体つきが好き、白い肌が好き、動作が好き、性格が好き、たたずまいが好き、声が好き、笑顔が好き、お料理上手なところが好き、彼のラップが好き、全部が好き・・・ファンの数だけ「好きなポイント」は複合的な重なりを持ちながら分散している。
彼の場合、他のメンバーと比べ、この「好きなポイントの選択肢が多岐にわたっている」のはなかなかに興味深い。
そして、他のメンバーよりも「好きなポイント」として「Work」が多くあげられるのが、彼の最大の特徴なのではないだろうか、と思う。
彼がアイドルとして、特殊な経歴を持っていることは有名だが、デヴューから円熟期に差しかかかる途中で、こんなにもプロデュース業で名を馳せていることが、彼の人気を一層高めていることは間違いない。
歌をメインで歌わず、おそらく楽器演奏もそれほど上手くないであろうと思われるし、コード展開に至っては正直似たり寄ったりのループや単純なものが多いのにも関わらず、彼の作るメロディと言葉は、なぜかめちゃくちゃに魅力的で、狂おしいほどに切ない。
普段、あんなにしんねりとしているのに、紡ぐ言葉は嘘のように蒼い。
1950年代のJAZZから現代POPSまでのかなりのケーススタディを持つと自負しているわたしも、問答無用であっという間に虜になった。
2015年以降、世界の流行音楽はどこの国でも似たような構成、音色、コード展開に寄っていってしまっているのに、彼が作って、彼の言葉を乗せた曲は、明らかに他の楽曲と一線を画している。オールドスタイルのロールモデリングもサンプリングもオマージュも、今ではしっかり彼のカラーに染まっている。
本当に不思議だし、いまだになぜなのか自分でもわからない。
でも、時々見えてしまう粗さや稚拙さにさえも、もう惹かれずにいられない。
そう。
わたしは彼の才能を愛している。
羨み、妬ましく思いながら、その学習の軌跡とセンスを何よりも愛している。そして、その愛は私の心に跳ね返って、またわたしを創作へと駆り立ててゆく。
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長々と書いてきましたが、言葉と音楽に秀でた男性は、わたしにとっては遺伝子レヴェルでセクシィなんですよ。とてもね。
「才能を愛する」なんて、一見綺麗ごとみたいにきこえるかもしれないけれど、最も原始的で、女性として的確で、大胆な愛し方だと思っています。
だから、いつも彼がとてもかわいいセルカを掲載してくれるたびに、
「とっても素敵。かわいい。大好き。でも、本当にわたしが欲しいあなたはそういうんじゃないの」と心の中でちいさく呟くようになってしまいました。
痺れるような、彼の音楽と言葉と帰国を待ちわびて。