アニメの背景美術に3Dをフルで生かす①
前提として、私は3Dモデルを使用してアニメ・ゲームの背景美術屋さんのしゃっちょさんをやってます
うちの会社はアニメでは5年前からずっと3Dを使用してます
ゲームイラストにはもっと前ですね
レイトンミステリー探偵社では48話分のモデル制作してました
「映画えんとつ町のプペル」では膨大な量のステージモデルを担当し、えんとつ一本一本を作ってレタッチしておりますし、「荒ぶる季節の乙女どもよ」でも勿論線抽出して3Dを使用しております
社内では監修以前の工程の彩色スタッフを「彩色加工さん」と呼び、ボードから美術監督が正しいレイヤーの構成を組んでいく、正に「工場」のような作りになっていて、背景でなくても絵をある程度描けてセンスがある人なら十分に戦力になるという作りになってます
また、塗りだけでなくレンダリングや3DLOなど様々な役割を作っているので背景美術屋でなくても戦力を作ることができます
育成がスピーディでかつ、コストも抑えられるシステムを構築している最中です(現在進行形)
勿論「彩色加工さん」は「彩色」さんであったり「加工」さんであったりするので塗っていただくこともありますし、これでレベルが上がるの?ときかれると、皆様改めて塗っていただくと上手くなってます
(絵を描きたい人にはあまり向いてない職場かもですが^^;その場合はディレクションの役割を担ってもらってます)
さて最近はモデリングはsketchupと後工程はblnederの平行使用が主流となりつつあります
3DをLOでレンダリングし彩色の補助に使うから、blender上でライティングや質感を「構築」するという過程にシフトしている最中です
テスラノートはそのスタイルを生かして3Dモーションのシーンも作成してます
じゃあどうやって作っているの?ということですが
動かしてみました。
どちらも同じモデルです。
sketchupでモデリング
sketchupでモデリングしていきます
blender直でもいいのですが長年使っているsketchupの方がモデリングは非常に早くかつ、3Dwarehouseのアセットも豊富なのでなかなか手離せません
ラフに近い形で構築していきます
同じアセットはblender上でコピーすることで軽くなります
blenderにエクスポート
blenderのアドオンのsketchupImporterでblenderにエクスポートします
コツはsketchupを2018にバージョンダウンしてからインポートします
シェーディングの設定
ノーマルマップテクスチャ、ワールド、ライト、質感の設定をします
ここで8割イメージが決まってきます
これは日が昇るverの方の設定ですね
コンポジットの設定
こちらはすいません💦3Dディレクターが苦労したとこなので明かしづらいのですが、成分を分けて抽出する設定をかけてます
弊社ではこちらをくみ上げて絵を作っていきます
PSDに組み込み
こんな感じでイメージに合わせてくみ上げていきます
こちらが料理で言う所の「レシピ」を美術監督が作り彩色さんはこちらを参考に「くみ上げ加工」をしていただくのです
レタッチはハイライトと影加筆、寄りの時の加筆程度です
昔はベースの色とAO影と簡易影しかなかったんでもう少し複雑に手を入れてましたがでしたが今は3Dでライトや質感を設定してあるので更に簡略化されてます
各カット組み上げて彩色加工さんから納品頂いて美術監督が監修しますが、同じようなレイヤーを入れていても最後のハイライトや影加筆などで個人差が出るのが面白いですね☺
アニメによって最初からタッチが入ったテクスチャを貼り付けることもあります映画えんとつ町のプペルやテスラノートの会長室なんかはsketchupの段階でテクスチャを貼り込んでますよ↓
さて、こちら2DBGで動かなければ問題ないのですが、この画像動きます
アニメーション設定をしてレンダリングされた画像こちら(総数816枚)↓
これ全部設定しなおし?無理だって!ってことで、次回は便利なPSDスクリプトをご紹介します
②に続く!
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