「書ける」人になるために必要な二項目
作家さんが新人さんをほめる時、「面白いね」は実はそんなにすごい評価ではないらしい。
どんな人でも、人生に1本や2本は、”面白い”ものは出せるからだそう。
「この人、”書ける”よ」
と言われたら大したもんだ、と某出版社の偉い人に教えていただいた。
”書ける”人とはどんな人かと言えば、大きく二つ。
①書かずにはおれないほどの、伝えたいことがあふれてたまらない人
②独自の文体を持っている人
文章が上手で、キレイな文を書く人なんて掃いて捨てるほどいるけれど、独特の文体を持っている人はなかなか、というかほぼいないんだそう。
私は政治経済とか社会情勢とかそういう、事実に基づいた内容を伝えなくちゃいけない文章の編集が主な仕事なので、そういう分野では逆に尖った文体の人というのはあまり尊ばれないように思う。いかに読みやすくて内容が面白く伝わるかを重視していたというか。
でも、特にエッセイとか書こうと思うと、文体ってすごく大事だし、内容だって自分の人生を赤裸々に暴露するようなものになることが多い。
そこでどれだけ取り繕わないものを出せるかが、その世界で勝負できるか否かの境目なのかもしれないな、と思った。
物書きで食べている人はすごいな、と改めて身近だったり遠かったりする作家先生方を尊敬した次第。