それは失礼ではないですよ。
毎月1回、月初の水曜日にお邪魔している佐渡島庸平さんのYouTube「水曜日のサディ」が、4月から「水曜日のマンガ道」とリニューアルされ、より漫画家さんと漫画家志望の方向けの内容になりました。
以前よりさらに沢山の質問が来て、スパチャもあって、盛り上がってます。アーカイブでも見られますが、どんな質問も大歓迎ですので、ぜひリアタイでのご視聴お待ちしてます!
また、引き続き少女まんが勉強会も毎月開催してます。こちらもお待ちしてます。
さて。
この2つの会で、気になった質問があったので今日はそれについて。
簡単にまとめると
「編集さんにネームの返事を催促したり、悩んでいるネームを送ったりするのは失礼ですよね」という内容でした。
編集者に失礼。。。
新人さんや投稿者の方の相談を受けていると、本当に編集者のイメージって「怖い人」なんだなあと感じることがありますが、そんな風に思わせて申し訳ない限りです。
怖い、何を言われるか分からない、だから何かと「失礼」にあたらないかどうかを気にしてしまうのかもしれませんが。
漫画家さんが、編集者に対して「失礼」かどうか気にする必要はそんなにありません。人として最低限の礼を守ってれば全然問題ないと思います。
むしろ、漫画家さんが描いてくれなないと「漫画」は何も始まらなないのですから、本当にしょっちゅう相談されるんですけど「返事をしない編集」の方がよっぽど失礼です。
たまに、いや、たまにではなく「2か月待たされてる」という人までいますが、普通に考えて、仕事でそんなに長く相手を待たせるとか意味が分かりません。
漫画家さんはその時々で、急にネームが進むことや、予定より大幅に遅れたりすることがありますから、予定外のタイミングで来たネームにいつでもすぐに返事するというのは結構難しいですし、編集者の多くは会社の業務も抱えています。たまたま休みと重なってしまうこともあるかもしれません。
それでも2週間以上も返事できないことはないでしょう。
編集者に返事を催促するのは全く失礼ではないですし、漫画家さんにとって時間は命だからどんどん催促すればいいと思います。(編集者の側は、すぐに返事できないのなら「少し時間ください」とか、「いつなら返事できるか」を連絡すればいいのです)
それに、持ち込みや出張編集部のあと初めてメールするとか、だいぶ久々に作品を送るとかの場合、迷惑メールに振り分けられてしまってる可能性もありますから、心当たりのある方はなおさら遠慮せずに確認や催促をした方がいいですよ。
また、悩んでるネームを送るのも全然「失礼」ではありません。ひとりで悩んで抱えてどんどん時間かかってしまったり、打ち合わせとは全く違う方向へ迷走してしまうより、さっさと送って相談してしまった方がいいと思います。
その時のコツは、ネームだけ送らないことです。ネームだけドーンと来ると編集者の側も色々考えてしまうし、その分返事にも時間がかかります。
どこがどんな風に引っかかっているのか。どんなことに悩み、課題だと思っているのか。それを一緒に書いて送れば、悩んでるネームを送る意図も伝わりやすくなり、解決までの時間も早まると思います。
繰り返しますが、編集者に失礼かどうかを気にする必要なんてほとんどありません。
それはどうでもいいので、読者に失礼かどうかをぜひ気にしてほしいです。
中途半端なものが仕上がってしまわないように、途中で心が折れないように、自分が納得した作品が出来上がるように、作品の掲載のスパンが空きすぎないように、編集者を利用できるならどんどん利用してください。
僕は、打ち合わせやネームを見せていただくことはコミュニケーションだと思っています。
いいコミュニケーションを取って、いい時間の使い方をすることを大事にして、少しでも多くのいい作品を生み出していきましょう!