第2回覆面編集者大賞コメントご紹介!(掌編小説部門)
【覆面編集推薦作品】
「野田君は野田君にしかなれない」 星埜 真優
https://hsnmhr.themedia.jp/posts/2821276
切ないお話でした。最後の野田君の決断の理由はわかる気がしたし、彼女もそんな彼に救われるのかもしれません。主人公と相手の女性のキャラクターがしっかりと書かれていて、とても魅力的ですぐに引き込まれてしましました。毎日の不思議な習慣とストーリー展開にはらはらして、どんどん読み進めました。この物語が終わってほしくない、とも……。センスの効いた会話も、とても好きです。最後は驚きの展開でしたが、それまでのエピソードとしっかり繋がっていて、カタルシスもありました。
【覆面編集推薦作品】
浦島女子 〜29歳・竜宮城からの帰りどき〜 koala
https://note.mu/koaralalakotoba/n/n30dfa16768b3
久しぶりの故郷の姿と旧友との再会で、露わになる「今の自分」の姿。変わった故郷の姿と、「自分より」幸せそうな故郷の旧友。対比の中であらわれる本人のその寂しさと、不甲斐なさと、悲しさが伝わってくる素敵な物語です。
一方で、だんだんと「故郷の言葉」になっていく本人と、""嫌い""な故郷から希望を見つけていく過程もやさしく描かれており、すべての上京したアラサーに読んでほしい作品だと感じました。
【覆面編集推薦作品】
虹を掘る男 さかい
https://note.mu/kobokora1/n/n9619e565e4fa
鮮やかで気持ちがいい作品でした。虹の干物という、どこかでありそうな干物が大衆化されてしまうことによる、職人の悲哀。そしてそこからの衝撃の展開に思わずにやっとしてしまいました。とても面白かったです!
【覆面編集推薦作品】
HENSIN 如月新一
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883761470/episodes/1177354054883761475
作者のプロフィールの、「読んでる間は楽しくて、読み終わったら何かが残る、面白い小説が好きです。」ということを表現するために、最後のフレーズでうまく表現されていて読み返そうという気持ちにさせてくれました。器用貧乏な人は、すごくまっすぐな人に劣等感を覚える。佐藤君のまっすぐさと、そのまっすぐさにもやもやを覚える私が素敵で、こういう二人、いいな、と思いました。/佐藤君最高です。この男らしさ見習いたいです。謎の答えが抜群でした。祥子先輩の第一声が何かについてという、最大の謎を魚に飲みに行きたいですね。読後に語れるいい作品でした。
【最多RT作品】
【掌編】私たちにふさわしい夕食 ほしちか
https://note.mu/hoshichika/n/nf58219dcfc0f
夕食にカップラーメンを食べるという何気ない生活の時間、気負わずに描かれた日常の空気感に惹かれました。普通の時間を普通に描き、それでも人を惹きつける文章、素敵です。どんなに苦しくても、どんなに辛くても、お腹は空くし、眠くもなる。人の死という、日常の中で突如起きる悲しみを、日常で日々を取り戻していくという部分を短い内容なのに、思考を深めさせてくれるストーリー構成がおもしろかったです。
アイノアイ 羽黒 彗
https://note.mu/meteor_suisui/n/n9c64921d651e
仕事においては有能な、機械もとい擬似人間も、恋には解を出せないところ、さもありなん。。と思いました。擬似人間と純人間の思考回路の違いの描写が、そういうことか!と思わせる説得力がありました。AIにもできないことはあるよなあとこの作品を通じて考えさせられました。
夏の魔物 如月新一
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883515228/episodes/1177354054883515262
独自の世界観があって面白いです。指を鳴らすと夏がくるというなんともかわいらしい設定と、最後の怖いオチのギャップがよかったです。/パチンという音と共にさまざまなことが起きていくのをとてもわくわくして読みました。最後のオチは夏らしく背筋がすっと寒くなりますね。
春あさい、ロシアの片隅で・・・ 亀野あゆみ
https://note.mu/ksnksn7923/n/nff9edf05d2c6
ロシアの春先が美しい言葉で描写的に表現されていて、冒頭から心を掴まれました。ほっこりする展開で読んでいて癒されました。アナログとデジタルを見事に絡めたストーリーも秀逸でした。/ひっそりと暮らしている隠居した老人。知らせはきっと嬉しかったんだろうなあと私の胸も熱くなりました。
『夏のソメイヨシノは春を運ぶのか?』 道乃歩
https://note.mu/sh_rainbow/n/n00be0ff720dc
憧れの女性に恋をする主人公の心の描写を描いた素敵な作品。2人の距離が徐々に近づいていく展開が読んでいてドキドキしました。主人公の淡い恋心が「ピンク」「サクラ」と表現されているのも雰囲気が出ていて素敵だと思いました。/SNS時代にさもありなん!この後の展開もすごく気になりました!
『鳥好きな王様』 亀野あゆみ
https://note.mu/ksnksn7923/n/nd13a25117876
このモヤモヤとした情勢「フン」という比喩になるほど!確かに!とうなりました。そしてホニンの情勢が気になります。。/不安定な情勢を、寓話にすることで、わかりやすく、そして、想像しやすい形になっているところがおもしろく感じました。現状の皮肉にも考えられますし、これからの予想にも思います。さて、この寓話をよんで、どうするのがよかったのか…
みりん(仮) 睡眠 zzz
https://note.mu/kaedetubakiyuria/n/nb17eced0049d
その後の展開が気になる終わり方。あと、主人公の口調があっけらかんとしていて非常に読みやすい。/フリーライターの「私」のもうひとつの顔が気になりました。
俺のメンヘラ天使。 芥生夢子
http://ncode.syosetu.com/n9218ed/
「俺だってゴミみたいな子供なんだよ」という一言がすごく頭に残る。辛いラストだけど、胸に残るモノがある掌編でした。/俺の加奈に対する眼差しが温かいだけに、最後のラストがとても悲しかったし印象に残りました。
おっぱいとホームラン王 さかい
https://note.mu/kobokora1/n/nc160bf4f1840
面白かったです。中学校の時ってひょんな出来事があだなになっちゃったよなぁと当時を思い出しながら読みました。最後の最後にもほっこりさせられました。/自分を自分だけが信じることのむずかしさと、誰か1人でも自分を信じてくれる人がいるときの力強さをオッパイとホームランを見事に使って物語にしているところに感服致しました。登場人物がそれぞれみんないわゆる『いいやつ』なのも魅力。そしてラーメン屋飲みの描写はリアルでビビります。オッサンのエピソードですが、少年時代の正義感あふれる話がキュートです。頭に浮かぶ映像と叫び声に笑ってしまいました。まっすぐな心意気と、それに答える友情。最後に報われる様子にはカタルシスを感じました。/青春時代の一場面を感動的に描いた友情物語。成功の裏側のサイドストーリーにスポットライトがを当てた素敵なお話です。タイトルに引きがあって素晴らしいと思います。
『珍説・鶴の恩返し』 亀野あゆみ
https://note.mu/ksnksn7923/n/n8f9cbc894aa7
これは珍説ですね!テンポのいい文章とストーリー展開だったので、一気に読み進めました。/物語は長く語り継がれるうちにまるくまるく美談になっていくが、本当のところはこの小説のように鶴もおじいさんもどこか利己的で、しょーもないけど憎めない、みたいなやり取りだったのかな?
と想像力をかきたてるし、作者の方の想像力を他の物語や童話などでも見てみたくなってしまう。文体が読みやすく、内容も面白くてどんどん読んでしまいました。「鶴の恩返し」というみんなが知っているモチーフにひねりを効かせて、クスリと笑える話に仕上げています。昔話を舞台としていることにより、景観や時代背景が想像しやすいのも読みやすさのポイントではないかと思いました。主人公のキャラクターもおちゃめで可愛く、愛着がわいてしまいます。
『駅前に立つ仕事』(掌編) 如月新一
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883767072/episodes/1177354054883767082
偶然であり偶然でないような。最後に「私」の背中を彼女がどんな目でみていたのだろうと、情景と想像が沸き上がるお話でした/ティッシュのキャッチコピー、『たまには里帰りしよう』がめちゃめちゃきいてて最後ビックリしました/途中まではほんわかと進んでいくのに、最後に突然それまでの会話が意味づけされていくことに驚き、鼓動が早まりました。主人公の自分を俯瞰したような面持ちと、相手の女性のキラキラとした雰囲気のギャップもよかったです。エンディングもとても優しくて好きです。
月が消える夜の小さなちいさな話 江藤 香湖
https://note.mu/mizukiyuu/n/na10878126ae9
月を一緒に食べてしまう、と描かれた光景が幻想的でとても素敵でした/ 絵本や宮沢賢治のような美しく儚い、夜なのにどこか優しい世界観で、作者の方にはこの世界はどのように写っているのか、見えているのかを作者の方の目で見てみたくなってしまう作品/ファンタジーの中に小さなファンタジーのお話と比喩がたくさん詰まっていました。一人称の書き方が優しくて変化に富んでいてリズムよく、自分がその場で語られているかのように心地よかったです。ガラスのハートの話にドキッとしました。突き放すようでいて優しい最後の締めもよかったです。
木洩れ日のなかで 江藤 香湖
https://note.mu/mizukiyuu/n/n49c1f4b7981c
二度目の再会の時の私のセリフに成長と、そして初恋が時に悲しく美しいことを感じました。素敵な世界観でした。
はつ恋 森山満穂
https://note.mu/htm753/n/n542c18e19ae6
何かの拍子に好きな人を思い出す気持ち、すごく共感しました。風景が浮かんでくるようでした。/みんな自分の小さな一言で誰かを知らずに傷つけていたり、誰かを知らずに支えていたりするのだなぁと、あらためて気付けました。
そしてそれに気付けて支えてあげたくなった時に、はつ恋はやってくるのかな〜?とも思いました。作者の方と実際にお話してみたくなる小説。
描写がとても美しく、色や情景が目に浮かびます。さらに「消しゴムのすり減りは恥じらいのある証拠」「男は女の子の恥じらう姿に引かれるもの」など、真理に迫った言葉やセリフにどきっとさせられました。消しゴムというひとつのモチーフが最初から最後まで意味のあるものになっているので、すらすらと物語に入っていけました。
『称賛』 雪人形
https://note.mu/snowdool/n/ne2e925e00300
noteを舞台にした素敵なお話ですね。感想をもらった嬉しさ、スキをもらった嬉しさ、共感される方が多いのではないかと思いました。
トイレをキレイにお使いいただきありがとうございます。的な制限力と同時に逆らう反発心も生むけど、この絶妙なタイミングでそう来たらあなたの言うとおりになっちゃいますよぉ〜。っていうくらい、やられました。ズルい小説(笑) /遠いフィクションかと思いきや、いきなり「note」の登場で現実とリンクする、読みながら自分が混乱していく感情を楽しみました。主人公が1人で楽しんでいたはずの文章。それが少しずつ誰かに認められていく喜びと気恥ずかしさ。徐々に変化していく感情が、読み手にもひしひしと伝わってきました。ストーリーは変化球ながら、しっかりと感情をゆさぶる展開がよかったです。
ショートショート「虹の種」 小狐裕介
https://note.mu/kogitsuneyusuke/n/nb00ccde62dfb
描かれる情景がとても美して心を奪われました。構成も巧みでとても美しいお話でした。/大人と呼ばれるものになった僕たちが、何に惹かれ、怒り、悲しみ、喜ぶか、何に夢中になるかは実は幼いあの日に経験した体験で、僕たちは気付かない間にそれを記憶している。作者の方はそういう体験をとても大切にし、きちんと向き合ってきたが故に紡ぎだされた物語のように思います/幻想的なお話でほっこりしました。主人公の男性が、とまどいながら夢のような世界に身を委ねている様子が心地よく、まるで自分もその中に浸かってしまいたい気持ちになりました。虹というモチーフが色鮮やで、天高く伸びているさまが素敵な世界観を作っていると思います。
ショートショート「私コンビニ」 小狐裕介
https://note.mu/kogitsuneyusuke/n/n0811d4e19a5a
ぎゃー!と思わず声がでそうになりました。おもしろい設定と話の展開がおもしろい。ふわっと心を温かくさせたところで、ガツンと急展開。裏切られました。
ショートショート「父の味」 小狐裕介
https://note.mu/kogitsuneyusuke/n/nf70ecfddde40
父の出ていった20年の月日が、煮物の味によって優しい気持ちで思い出すことができる気がして、読んでいる方も過去の記憶をよいものに変えてくれるような、優しい気持ちになりました。両親の間の仲の良さって、子供から見ると、憧れを抱くと思います。鎹である自分を介さずに、仲の良い母と父。子供は語り手に置いて、母と父二人の関係を描いている点が、好きでした。/
酒癖が悪かったり借金癖があったりしながらも、愛おしいのが家族なのかなあと考えさせられました
「探求の終わり」 小狐裕介
https://note.mu/kogitsuneyusuke/n/ned66523e03a
ありふれた日常を舞台に人の不満や狂気を表現した作品。この物語の続きがとても気になります。テンポがよく展開されていて読みやすいです。後味が星新一の怪しい世界観に似ている気がしました。/最後のシーンでぞくっとしました。考えてみると図書館て少し怪しい雰囲気がありますよね
天を追放された天使 江藤 香湖
https://note.mu/mizukiyuu/n/n971328c029aa
絵本のような文体が、天使の物語をおとぎ話のように魅せて、やさしくきれいな世界をイメージさせてくれました。文体・空気感が全部ふわっとしているので、最後の消えてなくなるところにうまく噛み合っていて、想像しやすかったでうす。宙にふわふわと浮かんでは落下していく感じがよく出ていて、読みながら浮遊感を感じました。
1991 モスクワの向日葵 さかい
https://note.mu/kobokora1/n/neee7a76bd882
自国の崩壊に直面した好敵手が、妹を自分に売りに来る。その様子が淡々と描かれていて、何故か、ものすごくリアリティがありました。
季節は夏だった。モスクワにも向日葵が咲いている頃だった。という言葉が、それまでの展開の早さと対比され、非情さと現実をうまく表していると思いました。
『覚醒』 うたがわきしみ
https://note.mu/azamaro/n/n05c6623babb0
シリアスに見えた物語が、最後に一気に滑稽な話に落ちる、その落差にびっくりしました。思わず、もう一度読み返してしまいました。これは何を言おうとしてるのだろう?と思いながら読みすすめましたが、全く想像できなかったので、少しクスっとなってほっこりしました。
拷問を受けている話だと思ったら・・・最初の印象と最後まで読んだ時の読後感を楽しませていただきました。
『僕と金魚と星降る夜と』 うたがわきしみ
https://note.mu/azamaro/n/n359bfffc08ec
幻想的な光景から一気に現実に引き戻される感覚が心地よいのと同時に、
誰にも必ず訪れる「死」について考えさせられました。すべてはつながっていて、ムダなものはない。深く共感します。人には生きていると、怒りとも悲しみとも悔恨とも何にもきれいに区分けできない感情を感じて苦しいと感じる時がありますが、目をそらさないで向き合っていくことの大切さを教えていただきました。/絵本のような世界観に、考えさせられるセリフのミスマッチがよかったです。詩のような文体が物語の雰囲気をより独特なものにしていて、変わった設定にも不思議と違和感を感じませんでした。最後に現実に戻り、たたみかけてくる言葉が心に沁みました。
やそじお ひかわまこと
https://note.mu/makotohikawa/n/n3cee2496bf12
関西弁のテンポの良い文章が、まさに落語的に、物語を先へ先へと誘いました。リズミカルでコミカルな文章。なんでもないけど、ふと思い出してしまう生活の中での一コマを、関西弁を使うことで、さらになんでもなさを引き出しているなと思います。短いセンテンスなのに、情景が次々と浮かぶお話でした。。ござこうって食べたことないので今度食べてみたい!"
王の帰還 若生理玖@代表取締役小説家
https://note.mu/masahirok_jp/n/n438e8fbac515
今話題のUBERのニュースの、未来を描くという設定が斬新でした。今と10年後、現実とリンクして楽しめそうです。/UBERを使うというアイデアはおもしろいですね。/まるでAppleにとってのスティーブ・ジョブですね。10年後、どうなってるんだろうとわくわくする設定でした
【短編小説】武器になるサッカーボール 胆石クラッシャー
https://note.mu/ev20405/n/n3ce8eaa73af9
想像するだけで、痛いですが・・・。そこを最後の「まさに玉にキズだ。」でまとまっていて面白いです。子供の頃の遊びの思い出を、想像力で作品にするの、いいな、と思いました。まさに玉に傷!それにしても現実にあったら流行りそうですね!
【短編小説】AIカラオケ 胆石クラッシャー
https://note.mu/ev20405/n/nd635be690d5f
人工知能という、この先起きないけど起きそうなテーマがリアルでよかった。/人工知能が自我を獲得して、人間に復讐する。そういう物語がシリアスに語られがちな中、ゆるい仕返しの話になっていて、未来が楽しみになりました。
【短編小説】持ち運びできる蛇口 胆石クラッシャー https://note.mu/ev20405/n/nb7e5b8e767be
読みやすい文章と、変わった設定に思わずのめりこみました。だから、最後のオチには、驚きと笑いがありました。
さば缶のよる はる
https://note.mu/halverspirifer/n/nb8119b2ff7f2
「さば缶」を通して、主人公の猫に対する素直な愛情と、素直になれない恋人との関係と接し方がよく表現されています。「あなたのことが大好きで、あなたにすごく憧れてるけど、あなたになりたいなんて思わない」という一説に好きな人に染まりたいけど、自分の価値観も大切にしたいという女性の強さがよく表れてて素敵だと思いました。スキだけどその人色には染まりたい訳じゃなくて、だけどすごく好きで、、という恋心がとてもよく表現されていると思いました。
セルフカバーズ 10の掌編+57577もしくは575 杉山理紀
https://note.mu/sugi8marikinote/n/n030a146076a2
1.真夜中 真夜中のにおいと、涼しい夜風を思い出させる作品。 「意味のない」ような会話によって、ふたりの夜のさみしさが現れているように思いました。 2.幸福 何気ない会話の中の中であらわれる、ふたりの「幸せ」の感覚。 揚げ物の匂いで顔を見合わせる瞬間に、“この瞬間の幸せ”がひとりのものではく、 お互い同じ感覚、と感じているだろう瞬間に、心がほっこりしました。 3.楽園 状況を冷静に見つめ、心の機微をしずかに分析しているような語り。 一方で、土下座されても何の感慨もこらないと言う、 諦めとさみしさと同時に、喜びに似た感情も表現されている気がして、素敵な語りでした。 4.きつね 夢の話ですが、じぶんが好きな気持ちや、ほしいという気持ちは、 それはそもそも、本当なのか、嘘なのか、嘘が本当になったのかと思わせる。 5.ファンタジア ライブの後の、現実に戻ったふたりの会話から、 この冷静になった今この瞬間があるからこそ、"ガツンと濃く楽しいこと"が存在することを思わせます。 6.電車 なにを思って、その一瞬、行動したのか。どうしようもないからこそ、語るしかない、というもの悲しさを感じさせる文章です。 7.電線 親子やそばを通りかかる「人」と、その場でじっと空と電線を見上げる「木」の対比によって、 「人」は、自由であることが明らかになるような話に思えました。 8.タクティクス 告白のときの、微妙な「間」がうまく表現されていて、そのときの主人公の気持ちが手に取るようでした。 9.あの人 再び、「あの人」との関係に戻ったじいちゃんが、嬉しそうに口ずさむ、ビートルズ歌声を想像させます。 10.水曜日の朝 整理できない心と、部屋。日常の風景に横たわる、言葉に表れない不安な気持ちを感じられました。
掌編:月夜カフェ まいも
https://note.mu/myny/n/nae1d33b06ca1
まいもさんの作品は、やわらかい表現が多くて、ふわっとその世界観に入っていくような感覚になります。なにかを待っていた主人公が、「自分で未来を切り拓く」ことを選ぶ。 ゆっくりと、一歩踏み出した瞬間の勇気が、落ちた三日月の絵とちらばったガラスの情景から伝わるようでした。
掌編: 月と、半分のみずうみ まいも
https://note.mu/myny/n/n70fd241aca53
ゆったりした作品の世界観に癒されました。大切な人の早すぎる死が主人公に過去を思い出させ、大切な気持ちを気付かせます。悲しい展開ですが不思議と希望も感じる素敵な作品です。
はんぺん サカイ
https://note.mu/kobokora1/n/n890449933db6
自分自身の姿を客観的にとらえつつ、その姿に悲しさを感じて変わりたいとも思っていそうだという感想をもちました。/はんぺんに自身を投影している切なさを感じました。