
医療現場の課題解決から社会を変える。40代で選んだ、新たなキャリア
20年以上勤めた大手インターネット企業から、医療系スタートアップ企業・株式会社ヘンリーへ。40代での転職を決意した小笠原さんが、転職の経緯や現在の仕事について語ります。インターネット業界の黎明期から企業の急成長を経験してきた経営管理のプロフェッショナルが、なぜ医療DXの最前線を選んだのか。社会貢献への想いと、現場で感じる手応え、そして未来への展望を伺いました。
ヘンリーでは導入コンサルタントを募集しています!
中小病院向けのクラウド型電子カルテ・レセコンシステム「Henry」の導入コンサルタントとして、病院の現行業務フローを理解し、システム導入後の新たな運用フローを提案する役割を担います。具体的には、スケジュール管理や顧客との関係構築、安定稼働までのサポートなど、導入プロジェクト全体の管理を行うとともに、導入後の定期的なフォローアップと契約継続支援も実施します。また、チーム内のプロセス設計や標準化も推進します。この役割は医療DXの中核を担う重要なポジションであり、病院の業務改革を実現することで、高齢化社会における医療課題の解決に直接貢献します。全国出張を伴う業務であり、プロジェクトマネジメントのスキルと顧客折衝の経験が必要とされます。
黎明期から20年、大手インターネット企業での歩み
―― 小笠原さんのこれまでのご経歴についてお聞かせください。
社会人20年ほどのキャリアの中で、ヘンリーが2社目になります。前職の大手インターネット企業には約20年在籍していました。最初の10年はインターネット広告の営業や運用を担当し、後半の10年は経営管理という立場で、事業計画の策定や進捗管理、制度やルールの整備など、経営に関わる業務全般を担当していました。
経営管理では、事業計画で設定した目標値に対する進捗管理や、会社の制度・ルールの策定、それに伴う社内オペレーションの整備、キャッシュフロー管理など、会社の経営に関わるさまざまな業務を横断的に担当していました。いわば"経営のなんでも屋"として、多くの事業に携わってきました。
―― そもそも大手インターネット企業に入社されたきっかけはなんだったのでしょうか。
当時、インターネットという産業自体がまだ成長段階で、その可能性に強く惹かれました。また、大きな会社よりも、成長過程の企業で経営に近い立場で働きたいと考えていました。入社当時は200人程度の規模でしたが、今では数千人規模にまで成長しており、会社の急成長を間近で経験することができました。
40代での転職、新たなステージを求めて
―― それから、転職を考えられたきっかけを教えてください。
私の中で大きく2つありました。1つ目は、経営管理の仕事を10年続ける中で、新しいことへの挑戦機会が減ってきたと感じたことです。"なんでも屋"としてさまざまな業務に携われる一方で、会社が大きくなるにつれて役割が細分化され、10年も経つと新しい経験の広がりが少なくなってきたと感じており、もう少し手触り感をもって事業を成長させていける環境を求めていました。
2つ目は、個人的な価値観の変化です。子どもの成長に伴って、社会的意義をより強く感じられる仕事をしたいと考えるようになりました。65歳や70歳まで働く人生の後半に向けて、子どもにより誇れる仕事に携わりたいと思ったんです。社会的意義のある分野で、これから成長していく企業に関わりたいと考えるようになっていました。
―― 具体的にはどのような企業を探されていたのでしょうか。
子どもが小学生だったこともあり将来を考えるきっかけになるような教育の機会を提供している企業や、オンライン診療などインターネットを活用して医療サービスを届けている企業に注目していました。物理的な制約を超えて、より多くの人にサービスを届けられる可能性に魅力を感じていました。
社会的意義と純粋な想いに惹かれて
―― ヘンリーを選んだ決め手はなんだったのでしょうか。
創業者2人との面談で感じた、彼らのひたむきで純粋なところですね。お金を稼ぐことは会社存続のために必要ですが、それが目的ではなく、世の中に良いことをなすための手段だという考え方に強く共感しました。当時会社Webサイトに、『ノーベル平和賞を目指す』と大々的に掲げていたんです。普通の会社ではあまり見ない、そんな大きな目標を堂々としかも大真面目に掲げる姿勢に惹かれました。
最近の社内では自社のことを「理想駆動で社会課題を解決する会社」「日本で一番大事なことをしている会社」などと会話されていますが、人生の後半戦で、そういう会社を一緒に大きくしていけることに非常に魅力を感じています。
―― 現在は導入コンサルタントとして、電子カルテ・レセコンの導入支援をされているそうですが、この配属はご希望だったのでしょうか。
最初から希望していたわけではありません。当時は社長室というポジションでの応募でしたが、選考過程で「まずは導入フロント(現在の導入コンサルタント)からどうですか」という提案をいただきました。転職の軸を考えたときに、必ずしも今までと同じ仕事である必要はないと考えていたのと、前職でも経営の仕事に携わる前には現場を経験していたので『現場を知らないことには経営は語れない』という思いもあり、挑戦してみることにしたんです。
―― 具体的にはどのような業務内容なのでしょうか。
1つのプロジェクトが通常4〜5ヶ月ほどで医療機関の電子カルテ・レセコンの導入をサポートしますが、それだけにとどまらず医療機関の経営課題の洗い出しなど中長期的に医療機関が目指すべき方向に向かっていけるような土台作りもサポートしています。加えて、まだスタートアップ企業なので、案件対応だけでなく社内のさまざまな仕組みづくりや改善活動にも携わっています。
医療現場のDX最前線で感じる手応え
―― 実際に医療機関での導入支援に携わってみて、どのような発見や気づきがありましたか。
私たちは電子カルテを扱っているので、パソコンやインターネットの使用が前提となります。ところが、医療現場に行くと『パソコンをほとんど使ったことがない』という方も少なくありません。国が医療のDXを推進している一方で、現場では「DXってなんですか」という状況もあります。
―― 導入支援を通じて印象的だったエピソードはありますか。
ある医療機関で、紙ベースでレセプト提出の作業(医療機関は月の保険治療の内容を翌月の10日までに審査支払機関へ提出する必要があります)を行っていた際は、職員の皆さんが休日に出勤したり夜遅くまで残業している実態があり、これはなんとかせねばと思いました。
もちろんパソコンやHenryの操作に慣れる期間は必要ですが、ITを使って紙での煩雑な作業を業務効率化できる部分は多分にあり、その価値も大きいです。医療機関の方々と一緒に一歩一歩進めていく中で、医療現場の本質的な変革、本当の意味でのDXに貢献している実感があります。
医療の未来を創る、さらなる可能性へ
―― 医療現場のDXの課題と今後の展望についてお聞かせください。
国は医療DXの推進を掲げています。一般病院の半数は赤字と言われている中で医療現場の働き方改革を通じてコストを下げ医療の持続可能性を高めること、国全体の社会保障費増加の抑制をしていくこと、また診療情報が複数医療機関で共有できることにより医療の質を高めていくことが期待されています。電子カルテの導入はあくまでそれらの取り組みに向けた手段の一つですが、特に中小規模の病院では予算面などの制約から導入できる電子カルテシステムが限られており、200床未満の規模の病院では電子カルテの普及率がまだ6割程度と導入が遅れているという実態があります。
一方で、医療機関で働く方にとって電子カルテの導入は、長年慣れた働き方を変えることになるので、中には不安や抵抗感を持たれる方もいらっしゃいます。そういった現場の方々の気持ちにしっかり寄り添いながら導入支援プロジェクト課題を1つひとつ対応していくことで、地に足のついた働き方改革につながっていくと考えています。
医療DXは、マクロ的な社会的意義の大きさはもちろんですが、ヘンリーとして医療現場の方々と一緒に理想の状態を考えながら取り組んでいきます。
―― 今後、小笠原さんご自身はどのような形で貢献していきたいとお考えですか。
特定の役割へのこだわりはありません。導入以外にも医療機関向けに経営改善のアプローチを提供したり、電子カルテ以外の新規事業を立ち上げたりと、さまざまな可能性があると考えています。私の転職の軸の1つは「社会的意義のある会社を大きくさせていきたい」という想いでした。それは今も変わっていません。他人事ではなく、自分たちが会社を大きくしていくという気持ちで、その時々で自分の経験を還元していきたいと思っています。
まだまだ医療業界について学ぶことは多いのですが、これまでの経験を活かして組織の課題解決にも積極的に関わっていきたいと考えています。入社してから1年、最初に経営陣から感じた『ひたむきで純粋なところ』は今も変わっておらず、ヘンリーという会社の可能性を強く感じているので、会社や組織をより良くするために貢献していきたいです。
――最後に、今後どんな人と一緒に働きたいですか。
私のように30、40代で転職してくる方も多いのですが、年齢に関係なく、医療や社会貢献に強い想いを持った方と一緒に働きたいですね。今、当社は急成長のステージにあり、その勢いを一緒に加速させていける仲間を求めています。医療業界の知識やIT周りの経験があれば確かに心強いですが、それ以上に大切なのは「社会課題を解決したい」という想いです。その想いがあれば、大きな可能性を感じられる環境だと確信しています。
ヘンリーでは、さらなる成長に向けて積極的に採用活動を行っています。
ご興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。