申し込みをするだけ、ただそれだけなのに
留学生専用の、就活相談サイトに登録をした。
わたしは今こちらの大学では2年目で、卒業まではあともう一年半ほどしか残っていない。(3年制大学のため)
日本の大学に通う同級生の友人たちはもう、だんだんと就活というものを始めているようだ。
わたしもそろそろ、就職を考えなければならない年になったらしい。
ついこの間まで大学に受かるかどうか悩んでいたはずなのにな。
大人になるにつれて時間の体感速度は早くなるというのはよく耳にしていたが、こんなに早いとは。
こうやって時間の速度に体が、自分自身が、追いつくことなく老い、そして死んでゆくのだろうか。
現に、2024年もあと一ヶ月ほどで終わりを迎えようとしている。
就職。
今のわたしにとって、それはできることなら目を背けてしまいたいものだった。
就活なんてくそくらえだ、という意見が一定数、しかもかなり多く世間に存在していることは認知していたが、その頃のわたしにとっては全く他人事のようであった。
わたしにはやりたいこともあるし、就活に十分なほどの経験も意見もしっかりと持っている。というような、根拠のない自信があった。(これは留学前の、やる気に満ちた海外かぶれガールだった頃のわたし)
しかし、今、そんな就活を目前にしたわたし、は、そんなやる気満々海外かぶれガールだった頃のわたしのおかげで、確かに就活でアピールできるような経験はあるし、意見も言える(はず)。けれど、アピールする、その対象そのものが見当たらない。
何に対してアピールをすれば良いのかが分からない。つまり、
就きたい職業がわからない。
やりたいことがないわけではない。好きなことも、興味があることも、趣味もある。仕事にしてみたら楽しいんだろうな、と思うものもある。
けれど、就職という人生における一大イベントにおいて、職業という重要な選択をするほどの意思も、そして勇気も、残念ながらわたしにはまだ備わっていない。
できることなら、趣味だけをして生きていきたいのだけど、そんなふうに生きていけるほど人生というものは優しくはないらしい。
どうして人間は、好きなことだけをして生きてはいけないのだろうか。
留学生専用の、就活サイトに登録をした。
就活アドバイザーと、無料就活相談とやらをできるらしい。
あとは申し込みをするだけ、ただそれだけなのに、何故か、踏み出せないままでいる。