京都大学法学部編入試験平成30年度 手続的正義の独自の価値 講師解答例
次の文章を読んで、手続的正義の価値について、具体例を挙げつつ論じなさい。
実質的正義が、決定の結果の内容的正当性に関する要請であるのに対して、手続的正義は、決定に至るまでの手続過程に関するものであり、その決定の利害関係者の各要求に対して公正な手続きにのっとって公平な配慮を払うことを要請する。従来、手続的正義は「目的は手段を正当化する」とか「結果よければすべてよし」などと言われ、実質的正義の手段にすぎないとみられがちであった。だが、最近では、手続的正義の遵守自体が、その結果如何を問わず、別個独立の固有の価値をもつことが一般的に認められるようになっている。 出典 田中成明『法学入門(新版)』(有斐閣、2016年)92頁
(京都大学平成30年度第2問目)
この答案は、合格者から提供いただいた答案構成をベースに講師が加筆し答案化したものです。
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