『ラジオご歓談! 爆笑傑作選』の感想 〜笑いだけじゃないんですよ!の巻〜
こんにちは、返却期限です。
私はインフルエンサーではないので別に書くことでもないかもしれませんが、この記事のはじめに注意事項を一応書いておきます。
こちらの記事は、みうらじゅんさんといとうせいこうさんが配信されている『ラジオご歓談!』、および、そのラジオが書籍化した『ラジオご歓談! 爆笑傑作選』についての記事です。
私はこちらのラジオで何度か投稿を採用されており、そのうちの1つが書籍の方でも取り上げられております。それに関して、編集者の方から掲載の許諾を求めるご連絡があり、私は了承いたしました。
その後、出版社から、みうらさんといとうさんのサインが入った書籍を献本していただけました。(これは、同じように投稿掲載を了承された方々みなさん同じだと思います。)
上記のやり取りの中で、特にみうらさん、いとうさん、出版社の方などから、当該書籍の宣伝を書き込むように指示はありませんでした。
よって、以下に書くことは、私の、自発的で勝手な感想文です。ですが、上記のやりとりを、記事を読んだ後で知った方がいらっしゃった場合、「読者を騙した」と感じられる可能性があると考え、経緯を明記しておきました。
それをふまえて、記事をお読みください。
前置きが長くなりましたが、宣伝ではないのでたいした文章ではありません。気楽に読んでください。
有料のラジオのため、なかなか気軽に面白さを共有しにくかった『ラジオご歓談!』がついに書籍化ということで、私は大変嬉しいです。
この本は、時期的に外出自粛などもあり、『見仏記』のお二人が「見仏」に出かけにくくなっていた期間の貴重な記録とも言えます。『見仏記』ファンにとっては、『見仏記 8.5』みたいな位置づけで良いのではないかと勝手に思っております。(『見仏記 道草編』を仮に「8」とナンバリングした場合、です。)
ラジオの配信では、ステイホーム当時だいぶお二人が心身ともに弱っておられた感じも受けましたが、書籍のほうではそのあたりはライトに触れられる程度です。リアルな雰囲気をお知りになりたい方は、過去の配信を購入されることをおすすめします。これに限らず、全編にわたり、やはり音声で聴く良さというのはあるなと思います。が、書籍では、ラジオの面白さがダイジェストで入っている感じなので、まずは入門編として読まれると良いでしょう。読んでいて何度も声を出して笑いました。
すでにラジオを聴いた方にとっては、「そうそう、こんな話あったなあ」と手軽に振り返るのに便利な本です。みうらさんのイラストも見ていて楽しいです。個人的には、盛岡での『ザ・スライドショー』で使用された、じゃじゃ麺を前に「じゃじゃ!!」とはしゃぐお二人が描かれたカラーイラストが収録されていたのが嬉しかったです。とってもカワイイ!
文字になってはいますが、かなり「話芸」のグルーブ感というか、落語を聞いているかのようなテンポの良さ、ふざけた丁々発止、そう、華麗な殺陣を見ているかのような、見事な連携プレーが繰り広げられています。
私は今年から特撮番組を好んで少し見るようになったのですが、あれはチャンチャンバラバラ、戦いが繰り広げられる中で、ロケ地がコロコロ変わって行きますね。室内の収録だったのに、「おもてへ出ろ!」とばかりにさいたまスーパーアリーナにいたりします。
お二人の「あれはどうなの?」「だったらあれはどうよ?」と話題を転がしていく感じ、これも似たようなものなのかもしれません。書籍では『→出版物→配列→台無し→』のように、その回で中心となる話題、景色がどんなふうに変化していくかが、見出しに書かれています。「どうしてこうなった?」と思いながら読み始めることになり、いきなり笑っている自分がいます。
ただ笑うだけではなくて、『見仏記』に通底している、人生の切なさ、そしてそこに寄り添う友情も、この本の中には書かれています。その最たるものが、7つ目に収録されている『→喪服→ITP→三大テノール→棺桶→名句→司会→』です。
コロナ禍の中で行われた、いとうさんのお父様のお葬式に、ご家族以外で唯一みうらさんが参列された、というお話。大好きな回なので(いわゆる「神回」というやつだと思っています。音声でもぜひ!!)、収録されてとても嬉しかったです。
他にも、私の好きなエピソードが色々収録されていました。京都出身のみうらさんと東京出身のいとうさんが文化の違いを語り合っているところとか、お中元が相手に届いてるかどうやって確認したらいいんだ問題とか、不安と言葉の関係とか、アセクシャルの人も想定に入れつつ答える恋愛相談とか、本から出汁が出る話とか……。
それに対して私はと言えば、笑って感心してツッコミを入れて。これは真似してみようと思って結局今でもやってなくて。リスナーもゆるいもんです。
途中でお二人のトークをチャンバラだの殺陣だのと表現しましたが、そういったものには綿密な打ち合わせと、しっかりした手順があるはずですね。そういう意味では例えとして相応しくなかったかもしれません。みうらさんといとうさんは、ほぼアドリブで応酬されています。けれどもやっぱり、鬼気迫る「真剣勝負」とは違う、時にわざと派手に斬られてみせるような、「魅せるやり合い」のスピード感が楽しく思えるのです。
勝手気ままな感想文になりましたが、このあたりにしておきます。気になられた方は、ぜひお読みになってくださいね。
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