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【万華鏡】17歳

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 ろくな事ひとっつもなかったなぁ。

(文字数:約1200文字)


  ああマジで。
  マジでマジでマジでマジで。

  中学校時代からの友人で、
  大学時代は共にヨーロッパにも旅行した、
  マリー嬢と、

  あと数名の友人以外は、
  私の事嫌いどころか眼中に無い、
  近寄りたくもねぇ触りたくもねぇ、
  誰かが拾って片付けんだろくらいの、
  道端のゴミと変わりなかっただろうと、

  40歳のみぎりに開かれた、
  同窓会に、

  あえて、
  わざわざ、
  これも一つの取材として、
  内心ゾクゾクワクワクしながら、
  出席してみて確信したよ。

  まぁ同級生たちの視線の、
  冷たい以前に、
  「え? 誰?」
  「何でコイツがここにいるの?」感。

  さすがに幹事たちくらいは、
  笑顔で声を掛けてくれたが、
  同姓の別人の名前を呼びやがる。
  それもわざとだったかもしれないな。
  何せ当時は同じ姓の、
  ブスと美人で呼び分けられていたから。

  ああもちろん私がブスの側だ。
  お前らがそう呼んでいたのだから、
  誇りを持って名乗ろうじゃないか。

  マリー嬢とは連絡を取り合って、
  来ない事を知っていた。

  私の友人たちは、
  その中で最も社交的な者が一人だけ。
  彼女だけが向こうから近寄って来てくれた。
  どんな所にでも良い奴はいる。

  先生方は顔を見てすぐ思い出してくれて、
  当時の生活指導主任なんか、
  ずっと隣でしゃべり続けてくれていたのが、
  救いなような、
  推して知るべしなような。

  17歳。

  私は早生まれなので、
  高校2年の三学期から、
  高校3年の三学期序盤まで。

  最高のクラスだねと、
  卒業前にクラスみんなで遊ぼうと、
  集められた中で、

  「みんな大好きだよぉ」と、
  泣きながら叫んでいた奴がいて、

  周りのみんなは遠巻きに、
  指を差しニヤニヤ笑いながら、
  「アイツ自分が嫌われてる事に、
   気付いてないんだぜ」と、
  ヒソヒソ囁き合っていたが、

  気付かいでか。

  私がその場にいた理由も同様だが、
  気付いて重々察した上で、
  あえての道化役や後片付け担当を、
  買って出る以外に無いだろう。

  このエピソードで高校やクラスを、
  特定されるなんて思っていない。
  胸に手を当てて思い返してみろ。
  高校生なんざどこも大抵、
  一皮むけばそんなもんだったろ?

  逆にそんなもんで何か問題でも?
  所詮主には親の金で、
  勉強させてもらえているだけの、
  ガキどもだったじゃねぇか。

  当時の担任は来ていなかった。
  私には良い担任だったが、
  だからこそそりゃ来ないだろうな。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。

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偏光
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