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ヘルプ商店街恒例【毎週ショートショートnote】

 ぷるぷる震える手でおばあちゃんが、商品ギリギリまで目を近寄せて値札を見る。客側が覗き見て伝えた方が早い。
「180円やで」
「さよか。ほな180円」
「あかんがな。消費税付いて198円やないか。200円、置いとくで。2円とか要らんわジャマ臭い」
 商品を掴んで店を出た、電動車椅子の男性が、
「どないしてん」
 そう声を掛けた女性は、自販機の前に立ち白杖を持っていたりする。
「せっかく商品ごとにシール貼ってあるのに、点字が間違ってます」
「あかんがな。ここのばあちゃん営業に勧められて任せっきりちゃうか」
 とそこに響いた悲鳴の方角から、ひったくり犯らしき男が、往来を駆け去ろうとしたのだが、
「待たんかい」
 と電動車椅子が見事な体当たりを決めた。
「画角は大丈夫ですか」
 と白杖の女性がスマホで撮った写真を見せる。
「バッチシや」
 その間に人々が現れ出て犯人を捕まえる。店主も客も老人か障害者がメインの商店街だ。共助精神が行き届いている。


(410文字)

 ガチで先日お会いした二人を元に。
 上司と部下だという現実は小説よりもリアル。

 2023年2月27日:漢字間違ってたので修正。
 ってか「白杖」と「白状」って音も同じだし字面似てるし
 実際に日頃から点訳ボランティアや福祉系の文章家泣かせ。

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偏光
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