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10週目:いきなり突き放すやん

この記事は無料マガジン
 『偏光点字技術』中の
 「偏光触読まとめ」に添付します。

(文字数:約1100文字+図1枚)



福祉教育の根本的な問題点

  ボランティア仲間のリマさん(仮名)には、
  弟がいて、

  まだ小学生だった頃、
  学校の授業で訊かれたそうだ。

  「目の見えない人を、
   街中などで見かけた時にどう思いますか?」

  「別に。何にも」
  と答えてなぜか怒られたそうだが。

  「何にも思うわけないよな。
   普段から家にいる姉なんだから」

  「そうですよぉ。
   じゃあ何が正解かって、
   『かわいそうだと思いました』とか、
   『助けてあげたいと思いました』でしょ?
   どこの学校の点字指導に行ったって、
   いっつもおんなじ」

  「障害は不幸じゃない、
   なんてお為ごかしは聞きたかないが」
  「実際私は母親から、
   『前もって分かってて選べたら産んでない』って、
   言われちゃってますからね。
   不幸は不幸ですよ」

  「障害者はかわいそう、
   みたいに思わせちまう教育は、
   余計なお世話だよな」
  「そうですそうです。
   ホントそれ思います」


今週触った文字

  今週から教科書は、
  「巻末資料集」に入ったような雰囲気だ。

  しかし数字とアルファベットは、
  点訳していてそれはもう、
  頻繁に登場するので、

  欲を言えば数字混じりアルファベット混じりの、
  例文を触らせて欲しい。


ここに来て配慮も薄くなる

  数字一覧のページに、
  ローマ数字の書き方も載っているんだが、

  アルファベットを触っていない状態で、
  IだのVだのXだのが使われる、
  ローマ数字を教えても。

  その次にアルファベット一覧の、
  ページが来るんだが、

  「ファ」の字が先週習った、
  拗音では対応出来ないんだ。
  小さい「や」「ゆ」「よ」に当てはまらない。

  来週触る特殊音一覧のページが、
  先に来た方が良いんじゃないかな。

  私は既に点字を習い覚えているから分かるが、
  この教科書で初めて点字自体に接する人は、
  いきなり突き放された感じがするだろう。

  しかもこの教科書は独学用で、
  周りにも点字を知る人が、
  誰一人いない事態も想定される。

  事前に教科書を音声で聴けたとしても、
  まだアルファベットを触っていない段階で、
  「ローマ数字はアルファベットで表します」
  って聞こえた瞬間に、

  私ならちょっと悲しくなるな。
  まだやってねぇよって。

  私でなくても想像すれば、
  普通に悲しくなるだろう?

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