どこもお遍路仏教史(ただし日本中世)【毎週ショートショートnote裏お題】
なぜ日本各地にお大師様伝説が残っているか。
空海が井戸を掘り橋を築き用水路を引いて下さったからである。
裏を返せば空海以前には、誰一人庶民のためにそれらの社会事業を為してくれる者がいなかったためである。
故に井戸を掘り橋を作り用水路を引いて下さった、旅の僧侶は皆「お大師様」と呼ばれる事態になった。自分達本来の名が残らない不都合はあったものの、他の僧侶達も慈悲の心で乗り越えた。一時期までは。
ある程度の井戸や橋や水路が、国中に行き渡ると、もはや単純な普請では記憶にすら残らない。それで誰もが極楽に行けるのだと、お経に節を付け、リズムも刻んで歌い踊る僧侶が現れた。
なぜ日本各地にとりあえずは「南無阿弥陀仏(ナンマイダ・世阿弥に観阿弥・あみだくじ等の派生も含む)」の文言がこれほど広がったか。法然・親鸞以前には、誰一人庶民のために娯楽を提供してくれる者がいなかったためである。
お遍路つまり庶民を侮るなと私は言いたい。
(410文字)
ちょうど今朝方思っていた事を記録。
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