メガネ初恋反射光【毎週ショートショートnote】
同学年には美人オカノとブスオカノがいて、美人な方は「子」が付いたパッとしない名前、ブスの方がなぜだか可愛い名前だと、男子も女子もヒエラルキーの上位にいる連中はよくイジっていた。
はい罰ゲーム。お前、アイツに告白な。フラれてもオッケーされてもウケる。
ひどいな、と思いながら僕も、なるべく関わらないように通り過ぎるだけだ。
昼休みの図書室に行くと大体、その、美人オカノさんがカウンターにいる。隣のクラスの学級委員で、先生達からもよく成績を誉められてる。透き通るような色白で、整った鼻筋に切れ長の目も涼しげで、黒縁のメガネ越しに目が合うと息が詰まる。
「ユキコさん」
ものすごく、勇気を出してカウンターにいない間に、声を掛けたんだけど。
「すすす、好きですその、付き合って下さい」
めっちゃ噛んだ緊張が物凄くてめっちゃ噛んだ。あと言葉が直球すぎる。
オカノさんは、仕方なさそうに笑って首を振った。
「ごめんね。名前だけ可愛くて」
(410文字)
今週二作目、と言うより裏表セット。
中にはそういう人もいた様子だったが認識できやしない。
オカノさんの内面はこちら↓
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