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薬師丸ひろ子『セーラー服と機関銃』

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 誰が何と言おうとも、
 私は傑作の一曲に数え上げる。

(文字数:約1000文字)


 敬愛を込めて「バケモノ」と、
 お呼びしている女優・俳優さんが、
 国内外に10名ほどいる。

 筆頭は大竹しのぶさんである、
 と言っただけで、
 どのような系統の方々かは、
 察して頂ける事と思う。

 その中のお一人に、
 角川映画全盛期の、
 薬師丸ひろ子さんがいらっしゃる。

 正直当時のあのお方に関しては、
 演技の巧拙といった、
 瑣末な事柄はどうだっていい。

 原作と異なる内容についても、
 正直タイトルからイメージした、
 あのシーンを撮りたかった、
 ただそれだけである事は分かっている。

 銀幕に映し出される、
 唯一無二の存在感が全てなんだ。

 薬師丸ひろ子の存在感は、
 一般的によく語られている、
 「アイドル女優」以上の何かなんだ。

 それが何であるかは、
 各々で感じ取ってもらうしかないし、
 感じ取れない場合は致し方ないが、

 ひと口にはまとめ切れない魔性の魅力、
 言葉にし難い説得力が、
 当時の彼女には確かに存在していたんだ。

 今現在の彼女を否定するものではないが、
 まさしくその時にしか醸し出せない、
 雰囲気や空気感は実在する。

 そしてタイトルの主題歌であるが、

 来生たかおさんバージョンの、
 『夢の途中』と並列で、
 私はとんでもなく大好きだ。

 映画との関連性はどうだっていい。

 彼女っぽい女性の事を、
 男性目線から語っているであろう歌詞を、
 彼女本人すなわち女性が歌っているという、
 その絶妙な倒錯感にノックアウトされるんだ。

愛した男たちを 輝きに変えて
いつの日にか僕の事を 思い出すがいい
ただ心の片隅にでも 小さくメモして

薬師丸ひろ子『セーラー服と機関銃』歌詞

 このラスト一行の、
 「小さくメモして」のかわいらしさよ……!

 いじらしくもいじましくもあるこの一文が、
 彼女本人はきっとほとんどを忘れてしまう、
 男性目線と思えば泣かずにいられんだろ!

 誰が泣かいでも私は泣くね!

 あと『探偵物語』主題歌もバリ好きだ。
 あれも映画の内容とは全く関係無いけど。

夢で叫んだように 唇は動くけれど
言葉は風になる
好きよ
でもね…… 多分…… 
きっと……

薬師丸ひろ子『探偵物語』歌詞

 って、
 当時としては異例。
 掟破りなほどに余韻残しまくり。

 このような表現を可能にするキャラクターが、
 どれほど強烈な個性であったことか。

 しかし最も好きな薬師丸ひろ子さんは、
 『野性の証明』だったりする。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。

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