どこもお遍路心お弁当【毎週ショートショートnote裏表mix】
ところで、
仏教系だろうとキリスト教系だろうと神道系だろうと、
私の人生に関わった数々の宗教で受けた、私の心が拒否反応を示すどころか、その後も二、三日は精神状態がかなり悪化する説法は、
親の愛は偉大です。
親の有り難みに感謝しましょう。
親から受けた恩に報いましょう。
といったあたりなのだが、
昨年京都の東寺に、推し仏である大日如来の中でも特にお気に入りの大日如来を観るためだけに行ったのだが、御影堂のそばに「お大師様の言葉」として、
父母何ぞ我を産んで用ある。
と筆文字で書かれてあって、
隣の解説文にはもっと情愛あふれる訳文が添えられていたけれども、その端的な一文を私は、
用なんか無かったんだろ?
せいぜい産んでくれた事だけは感謝してやるよ。
とちょっとやさぐれた印象に受け止めてしまったので、
それ以降「親に感謝を」系の説法を聞かされたとて思い出しては密かにほくそ笑む、
言わば心のお弁当にしている。
(410文字)
どんな言葉が心に栄養を与え、
どんな言葉がかえって奪い取るかは人それぞれ。
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