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夢の中でもらった手紙

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 睡眠時に見る夢の話に、
 興味なんぞ無い方はプリーズリターン。

(文字数:約2000文字)


  実家に帰る夢を見た。

  私の本来の実家ではなく、
  夢の中にだけ出てくる町中の、
  夢の中にだけ出てくる私の実家だ。

  そしてこれまでの夢の中の実家ときたら、
  暗く掃除も行き届かず空気も重く、
  正体不明の見るだに気色悪い虫が、
  わんさか出てきて思わず叫び声を上げ、
  現実の隣に寝ていた配偶者を起こす。

  そんな景色ばっかりだったのだが、

  久しぶりに帰ってみると、
  何ということでしょう。

  窓際に色とりどりの箱が並べられ、
  「何か色んなとこから贈られてきたんだ」と、
  美味しそうなお菓子がわんさか出てくる。
  有難うだけどそんなには食べ切れないよ。

  すると母が帰ってきて、

  この母も私の本来の母ではなく、
  私が今構想している小説の、
  登場人物のようだったが、
  夢の中の私は違和感無く母として接している。

  仕事の流れで呑みに行ったとかで、
  少々酔っ払っている。

  「ああ。ゆきこ。おかえり。
   あんたが帰って来たって事は、
   冷蔵庫には何かあるのよね」
  「あるよー。
   アイスにシュークリームにドーナツ、
   好きなもんお食べ」
  「わーい」

  これだけあったら2、3日分は、
  と思ったがそう言えば、
  私は女性ばかりを頭数に入れていたぜ。
  この家には今、
  男性も複数人住んでいるんだったな。

  まぁいいか。
  丸一日だけでも全員食べれりゃ。
  結局のところ何かしら食わせなきゃ、
  誰も働かないどころか動けないからな。

  「ああ。ゆきこ。
   あんたの部屋に面白そうな本あるよ」
  と母が、
  シュークリームもぐもぐしながら言ってくる

  「え。お母さん買ってきたの」
  「買ったわけじゃあなさそうだけど?」

  何だか意味ありげな言い方に笑みだな、
  と思いながら私の部屋に行くと、
  机の上には大学の図書館から、
  借りっぱなしの大型資料本があった。

  恐る恐る貸し出しカードを見ると、
  私が借りた日は平成28年とある。

  私の本来の在籍年度ではないのだが、
  何せ夢の中の私は数年前まで大学生だった。
  同時に私の本来の既に辞めたはずの会社で、
  「もう辞めたはずなのに!」
  と泣きながら働き続けてもいた。

  平成28年からずっとここにあったのか。
  うわ。罰金とか一体いくらになるんだ。

  来週の月曜は仕事があるから、
  日曜には自分の家に戻るつもりだったけど、
  大学の図書館は日曜開いてたっけ。

  ページをめくってみたら、
  確かに私好みの面白い資料集だが、
  長年放置したせいかあちこちが破れて、
  穴から私の名前が覗いている。

  穴から引き出そうとしたが、
  更に破れが広がりそうだったので、
  最後までめくるうちに何せ夢なもので、
  ページの破れがなくなっていって、

  裏表紙に挟まれていたそれは、
  小さく折りたたまれた手書きの手紙だ。

  差出人は書かれておらず不明。

  広げて読んでみるとまず、
  「ごめんなさい」
  と謝られていて、

  私は昔絶交した友人かな、と思った。

  私の本来の友人で、
  私の残酷な言葉で物凄く傷ついた、
  と主張されたので、
  私は腹を立てたというより、
  これ以上何を言っても顔を見せても、
  相手を傷つけるだけだと思った次第だ。

  「あなたの文章は、
   確かに厳しいことが書かれてあるんだけど、
   もっちり濃密なクリームみたいに、
   むにぃ〜と世界が広がっていく感じで、
   大好きでした」
  と読み取れたところで目が覚めて、

  ああこれはもしかすると、
  今現在どこかにいる、
  私のファンかマニアの想念が、
  夢を介して届いたのかなと思った。

  自分の願望が表れただけ、
  と言われてしまえばそれまでだが、
  自分にはとても思い付かないような文言が、
  しかも文字の形で届くものだろうか。

  とは言え過去形だったので、
  今現在は何かの文章で幻滅しているかもしれず、
  29日投稿のために用意した文章を読んだら、
  傷つけるか悲しく思わせてしまうかもしれないが、

  この内容も嘘じゃないと思うので投稿しよう。

  こういうところが、
  どこかにいるかもしれないファンに対して、
  冷淡に感じられるのかもしれないが。

  あと平成28年は2016年か。
  貧血を治療し出した辺りだな。


2024年8月30日18時半過ぎ追記:
  って今朝投稿した時点では思ってたんだが。

  読まれねぇし読まれてねぇんだ。
  無理して読んでもらったとてそんなん、
  フラットに楽しく読めやしねぇに決まってんだ。
  神経も使わせて疲れさせるしな。

  もう金輪際、
  誰かに読まれてるかも好かれてるかも、
  みてぇな薄甘い期待は一切捨てな。
  気っ色悪くて反吐が出るから。

  誰も好きじゃねぇよ俺の小説なんざ。
  俺自体が好かれる人間性でもねぇんだ。
  そんくらい分かれ。

  その上でさてはい、どう売るかね。

  どうせ小説しか書けねぇんだから。
  そっちを神経研ぎまくって考え尽くせ馬鹿。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。
  

  

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偏光
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