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見苦しく泣き喚く【秋ピリカ】

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 今回は秋ピリカに応募した、
 こちらの作品↓を、まだしがむ。

2024年11月30日:
「高野山といえば女人禁制」部分に、
5行ほど追記。

(文字数:約2300文字)


  禁じ手、
  とまでは言われなくとも、

  相当に格好の悪い行為と思われがちな、
  「落選作に対する筆者自らの解説」だが、

  格好なんぞは所詮、
  外側からの見た目の問題で、
  こちとら知ったこっちゃねぇ。

  それよりは筆者である私本人の意図が、
  他の誰にも知られないまま、
  公開履歴の奥底に沈んで行く方が嫌だ。

  という次第でやっちゃいます♪

  あ。ここから先は上記添付作品を、
  せめて一読の後にお願い。


そもそも場所はどこだったか

  実在の仏教聖地、高野山だ。

  より正確に言えば高野山へと向かう、
  南海鉄道でも普通列車しか止まらない、
  紀伊神谷きいかみや駅近辺の話だ。

  土地勘の無い者にも、
  一読して分かるように書くべき、
  といった指導が入るかも分からないが、

  関東辺りの歴史物でも、
  場所の説明なんか結構この程度だから。

  あと主人公の源兵衛含む神谷の住民たちは、
  山頂部分だけを取り上げてわざわざ、
  「高野山」とは呼ばないから。


高野山といえば女人禁制

  ……だったんだよ。
  真っ先に浮かぶ情報としては。
  江戸時代くらいまではね。

  今は外国人もぎょうさん訪れる、
  観光名所になってしまったけれど。

  女性はふもとの慈尊院か、
  天野村の丹生都比売にうつひめ神社までで差し止め。

  どれほど信仰心が篤く、
  山頂近くまで登ってこられたとしても、
  女人堂までが限界です。

  その直前にある宿場町、神谷。

  実際山頂から歩いてみたら、
  一時間ほどで着いたので、
  ケーブルカーが通る以前には、
  そりゃ利用されまくってただろう、
  その地域には、

  女性がいるわけだ。

  全国中から高野山を目指して、
  旅をしてきた男どもが、

  山頂に入る直前に、
  下界の名残惜しさに触りまくれる女を、
  貴賤を問わず求める土地柄だ。

  あああ。もちろん表立っては、
  明確な証拠など残されていませんよ。
  しかし宿があって接客係がおります。
  食事担当ともまた別にね。

  あと裏側を探れば、
  推察される資料は存在するんですよ。
  (・m・)くすくすくす

  私は批判するわけではない。
  そりゃあそうだろう。
  そんでそうなる状況も分かるだろう。

  庶民ばかりが登山客じゃないぜ?
  大名に公家たちだって登るんだぜ?

  源兵衛の祖母に父は登場させたが、
  母を出していない理由を察してくれ。

  世の男性陣は、
  そうした土地に生まれ育った自分を、
  想像してみろ。

  他所から嫁を迎え取るのは躊躇しないか。
  そしてその理由は表に出しづらくないか。


元々女神様の土地だった

  高野山の発祥として、
  わりかし地域には知られた伝説だが、

  空海が、
  土地の女神様から、
  譲って頂いた土地とされている。

  その女神様が一応は、
  丹生都比売神社とされているんだが、

  持ってる土地に対して、
  住んでる場所遠くない?

  ってかここの地名、
  神谷かみやじゃん。

  本当は住んでた場所、
  ここだったって事無い?

  ってか本当にそれ譲って頂いたの?

  まぁ私は結構空海好きなので、
  譲って頂いた事にしても良いんですけど、

  なんで?
  なんで女神様譲ったの?
  空海の威厳に心打たれたから?
  ごめん。それホント?

  わりかし実質的な利益とか、
  人間臭いやりとりとか無かった?

  まぁその辺はもう、
  伝説化してて調べてみても分からん、
  神秘に満ちた部分ですけども。


薄赤い紙の正体(と源兵衛の死因)

  今回の秋ピリカ開催と、
  お題が「紙」である事を知る直前に、

  田辺青蛙さんの『紀州怪談』を、
  購入して読んでいましてね。

  その中に『紙漉きの女』という、
  逸話が所蔵されているんですわ。

  那智勝浦の話で距離的には遠いけど、
  紙漉き仲間から伝わったという事にして、
  借用させてもらった。

  結論だけをざっくり言うと、
  「姓名を書かれた者に不幸が訪れる紙」だ。

  一応筆者の解釈としては、
  源兵衛も知らなかったし、
  紙漉きの女性も知らなかった。

  そして紙漉きの女性の方は、
  実際の姓名を記されてはいなかったので、
  ギリセーフ。

  源兵衛的にも存外に、
  心穏やかに命を落とせた気がします。

  生きながらえたならその先で、
  女性への恋慕を打ち明けずにいられず、
  どのような目に遭わせてしまうか、
  分かりはしなかったのでね。

  源兵衛本人にとっては、
  末尾の一文こそが救い。
  女性が事も無く生き延び切れたなら、
  それが何よりだったと思う。


1200字という字数制限

  私的にはそれほど苦しくなかったんですよ。

  今回解説を長々と、
  解説の方が長い2000字以上、
  書き連ねてしまったけれども、

  主人公の源兵衛と、
  その生涯に関しては、

  一字一句たりとも、
  書き漏らし無く、
  余計な情報も継ぎ足さず、

  分かる人や伝わる人にだけは、
  二重にも三重にも複層的な、
  味わいが楽しめる上に、

  知らない人や分からない人にも、
  表層部分にちょっとした引っ掛かりくらいは、
  伝わってくれる作品になったと信じている。  

  まさに小説は読み手次第の作品だ。
  私は読み手側の発展も信じる。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。

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偏光
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