レトルト三角関係マグヌッセン【毎週ショートショートnote】
マグヌス大公の公子ヨハン・マグヌッセンはレトルト三角関係を所持している事で有名だった。
その実態は近衛兵長のシュトラーダと、学師団長のペンネッツィオであり、それぞれが煮湯を満たしたレトルト釜を手に、ヨハンの行く先々を、左右両側から寄り添うように付いて回るのである。なぜレトルト釜だったか? 北欧において煮沸殺菌に保温の用具は、無いよりも常にあった方が良い。
当時の貴族社会においては通例の如く、浴室にも寝台にもお供する。御用命とあらば我先にと競い合って譲らない事が、ヨハンの唯一かつ最大の悩みであると言えた。
均衡が破られたのはシュトラーダが妊娠したためである。大公国では何も男性のみが公邸における任務に就くとは定められていなかったのだ。
無事に健康な男児が生まれシュトラーダは公妃に、なったかと思えばさにあらず、ペンネッツィオ夫妻としてその後も変わらず、ヨハンの左右に付き従い続けたとの事だ。
(400文字)
イメージだけで適当に書きました。
実在しませんので史実確認はご勘弁を。
魅力的な主人公、ねぇ……。
主人公を誰だとイメージするかによるな。
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