見出し画像

側彎症は、手術をすれば自然と正しい姿勢を手に入れられるわけではない。

今日特になにもないな。受けなきゃいけない授業もやる気があったのに妹の受験の話とか、来週の旅行に来ていく服をZOZOTOWNで注文してて出来なかった。うーん。不燃。

・じゃあ最近思っていることをひとつ。
自分は生まれてから2年前まで背骨が曲がっていたので普通に立ったり座ったりする人間の「普通の姿勢」とか「左右対称」というのがわからないで生きてきた。人の普通が自分には縁遠いものなんだなと、考え始めるとものすごい欠陥品のように思えていた。
2年前に大手術と3ヶ月の療養を経て健常な人と同じような真っ直ぐな背骨を手に入れることができた。これで私も普通の人と同じ姿勢になれる。心は晴れやかだった。

が、あれ不思議、鏡の前で立ってみると今までと同じように右肩が下がり腰骨の高さが違う、手術前の歪んだ姿勢ではないか。手術なんて無駄だったんだ…。そう思ったときはたと気づいた。そう、姿勢というのは、骨格だけでなく、小脳の姿勢を保持する能力があって初めて、成立するものであったのだ。20年間の時を経て培われた自分の中の姿勢と左右対称は、以前のままなのである。
結局、左右対象の姿勢を手に入れるには、自分の今までの左右対称と、本当の左右対称の差異を見つけ、受け入れ、地道に直していくしかないのである。
その一つとして私は右足の重心が、小指側に偏っていることに気づいた。というか逆にこの右足の重心を母指球側にすれば、自然と右腰が上がり、後ろに逃げなくて済むらしい。なんで今まできづかなかったんだろ!!

でもこの健常人の左右対称と、自分の中の左右対称を比較した上での差異を見つける作業って、手術する前でもやってたんですよ。虚しくなってつきつめることはしなかったけれど。しかし手術してみて気付いたことは、「自分の姿勢は自分で作る!!!」ということだ。と言いつつも、手術する前はいくら頑張ったって、曲がり方に個人差はあれど現界はある。けれども手術後も意識しなきゃいけないのなら、「手術前から、正しい姿勢に寄せてみる意識」というのはやってみるのがいいんじゃないかな、というのが私の見解です。正しい姿勢に寄せる、という意識をする利点は2つある。
①曲がっていることで負荷のかかってしまう腰や筋肉に余計な負荷をかけることを防ぐことができる。
②その意識は手術後、骨格が伴った時本当の左右対称な姿勢を手に入れるのに役に立つ。
ということが挙げられる。

しかし、正しい姿勢に寄せる意識はそんな簡単じゃないのはよくわかる。意識すればするほど、左右対称にできないことが歴然とわかるからだ。私は筋肉のつきかたから違ったから。鏡で見ると身体の横幅が違った。ものすごくやりきれない気持ちになったし、惨めになった。
この気持ちは多分、側彎症患者しかわからないだろう。
だからこそ、強く勧めることはできない。健常な人の姿勢を意識してしまうことに、強いストレスを感じてしまうかもしれないから。

しかしその上で、①の利点はとても効果的だから少し試して欲しいな、という気持ちもある。

というのを私は、側彎症の外来の一環として、行うべきではないかと思うのだ。側彎症の治療は手術しかない。それはもう、当たり前のこととして。側彎患者みんなの生活の質が向上するように。意識の問題であるからこそ、一人で行うことはとても難しいことだから。
まず手術前の経過観察の段階で、背骨が曲がっていることで生じる立ち方の歪みを指摘し、このような意識をすれば、両脚に同じように体重がかかって、右(左)腰に負荷がかかってしまうことを防げますよ。とか。
理学療法士さんの力を借りながら、トレーニング(意識変化)をするのがいいんじゃないか。
手術後も同じように、綺麗な姿勢を手に入れるためのトレーニング(意識変化)をすすめるべきなんじゃないか。と私は思った。というかそういうことしてくれたら本当の意味で「側彎症の治療」を果たせるんじゃないかな。と思う。

だって私たちが手に入れたいのって
「真っ直ぐな背骨」という事実じゃなくて、
「歪んでいない綺麗な姿勢」
じゃないですか!!!!!!

側彎症を抱える患者さん、ご家族の方へ、
少しでも力になりたいなと思い、書かせていただきました。情報がありそうで無いこの界隈。個人差が大きすぎるこの界隈。一人の側彎症の手術を終えた人間の、ある意見だと思ってくれたらなと思います。
ちなみに、ダブルカーブ78度と60度でした。
今は手術後2年。痛みもなく手術したことを忘れるくらい元気です。

2020.8.6

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?