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『デジタルエシックスで日本の変革を加速せよ』 対話が導く本気のデジタル社会の実現。(本の紹介)そして今週のPodcastは隈研吾さん。

「エシックス(ethics)」とは「倫理」。
「倫理」について考えたことあります?

今、AIなどの技術などが急速に進化している中で、新しい技術を使ったサービスなどを開発、設計したいものの、自分たちで様々な影響を考えながら新しいものを創ることに戸惑っている現場も多いとのこと。

特に日本は、法整備が整っていない新しものについて、法律内で行動しようとするがあまりに、海外に遅れをとるということも。

自身は何を解決したいのか? これが、倫理を前提に語ることで明らかになります。

『デジタルエシックスで日本の変革を加速せよ――対話が導く本気のデジタル社会の実現』
今岡 仁, 松本 真和, 伊藤 宏比古, 井出 昌浩, 島村 聡也 著

新しい技術を使って何を解決したいのかを徹底的に「倫理を前提」に語る。

その手法としてデンマークで開発され、今世界で使われ始めている

「デジタルエシックスコンパス」

とは。

そしてAI技術など、技術の進化が加速する中、日本の課題が見えてきます。

日本の社会がアジャイル、つまりある種、未完成な状態のものを受け入れ、それを実際に社会に適応させながら変え続けていくという姿勢で技術に臨むのが苦手だったことがあります。

『デジタルエシックスで日本の変革を加速せよ――対話が導く本気のデジタル社会の実現』


私、この本を読んでいて思ったのは、この本で書かれている「倫理」を
「今の社会を駆動させていく力」にするには、個々人が、
自分たちで、今何をすることが正しいのかを常に考えて行動する

ということを当たり前にしないと、社会が前に進まないのではと。
この本の中でも、「筋トレのようにエシックスを考える」というような表現が出てきます。
とにかく、倫理を考え続けながら行動する。
難しいけど。

そして、日本文化ならではの「倫理感」は、世界に向けて発信できるもの。
それが次のお話からも伺えます。

私たち日本人の文化は、西洋のような絶対的な個人主義に基づいた文化ではありません。中心主義という表現に違和感を持つ方もいるかもしれません。私と世界の間の境界線は、東洋文化では絶対的なものではなく曖昧なものです。そこにはアニミズム的な世界観、仏教的な世界観などさまざまな背景が入り混じっていると思いますが、そのような多くの価値体系や構造の中からより良い選択を導き出そうと言葉を尽くすことが重要なのだと考えます。自然との関係も同様で、人間も自然の一部であるという考え方は私たちにはなじみ深いものです。改めて自然や地球に目を向け、共生していくという考え方こそが、持続可能な社会を形成し、より多くの選択肢を後の世に残していくことにつながっていくのです。そこには、日本ならではのエシックスの可能性も見えてきます。

『デジタルエシックスで日本の変革を加速せよ――対話が導く本気のデジタル社会の実現』

そして、今週のPodcastは、「日本発信のエシックス」ということにも通じるのかなというのが私の感想。

デジタルアーキテクトとは。

現在、インターネットは分散型で構築されてますよね。これは、インターネットがスタートした当時、強い哲学や美学があったからこそ実現したもの。当時は市場を独占しようとする電話会社やら大手インフラ会社などと激しい戦いがあったようです。ですが、web2.0になってプラットフォーマーが登場し、GAFAM的な会社にほぼ全てを牛耳られていますよね。私たちは現在、アルゴリズムに振り回され、右往左往ばかりしています。 このデジタルの構造、つまりデジタルのアーキテクチャーを文化の理解、法律の理解、経済の理解と技術の理解という4つの側面から総合的に理解し、次の世代のインターネットを考えるというのがJoiさんの肩書きである「デジタルアーキテクト」のお仕事。 web3という新しいデジタル時代が到来してる今、インターネットというものを、当たり前のものとして認識している私たちに「このままだと、危ないよ。ここで土台をきちんとしないと、またweb2みたいに中央集権的なインターネットに成り下がってしまうよ」と警告しつつ、正しい構築へと導く、そんな役目と言えるでしょうか。

Joi Ito's Podcastより