ミーシャについて とある可能性の話【崩壊:スターレイル】
みなさん、崩壊:スターレイルver2.0楽しんでいますでしょうか。
夢の地ピノコニーにはもう降り立ちましたか?
すでに開拓クエストをプレイされた方はお気づきかと思いますが、この開拓クエスト、非常に複雑な謎に満ちています。こんなにもばら撒いてちゃんと回収できるのか不安になるほど、多くの謎がそこら中に落ちています。
このnoteでは、その中のひとつ「ミーシャ」という登場人物にまつわる謎について、とある可能性に行き着いたので書き記していきたいと思います。
初めて書くnoteになりますので、無作法があればご容赦ください。
なお、本noteに書かれたすべての内容についての真偽、およびそれに起因するあらゆる影響については一切責任を負いかねますのでご了承ください。
(以下、開拓クエスト・ピノコニーのネタバレを含みます。)
ミーシャの存在
早速ですが、今回の主題について話したいと思います。それは、
ミーシャの存在は、主人公以外には見えていない。
実は、本編の中で主人公以外にミーシャと会話をした人物はいません。また、ミーシャを特定して指し示す発言をした人物もいません。
(※アニメのキャラたちを除く)
そんな馬鹿な、とみなさんは思うかもしれません。
順に開拓クエストのシーンを追っていきましょう。
ホテルのロビーにて(現実:初対面)
ロビーでのシーンですね。現実では、ここがミーシャとの初対面となります。
このシーンは覚えている方も多いと思いますが、会話をしたのは主人公のみでした。ミーシャは主人公の荷物を預かろうとし、それをなのかが遮ります。
一見すると、とくに不自然なやりとりはないように思えます。私も、プレイ中は気に留めませんでした。
しかし思い返してみると、人と話している最中に遠慮なく割って入ったことに加え、初めて見る人物に対しなのかは一切注目していませんでした。いつもの彼女なら「その人だれ?」と尋ねそうなものですが。
とはいえなのかなので、こういったこともあり得なくはないでしょう。
この程度ではみなさんも納得しないはず。次に行きましょう。
思考の回廊にて(夢境:2回目)
このシーンはふたりしかいないんだから当たり前じゃん!
その通りです。しかしこのシーンには別視点の謎があります。
「また会ったね」の選択肢を選ぶと、ミーシャはこう言います。
字面だけを受け取るなら、ロビーで会ったことを覚えられていたことに喜んでいるように見えます。
しかし、主人公が彼とロビーで会ってから長い時間は経過していなかったはずです。どうして彼はこんな反応をしたのでしょうか。
実は、これ以前にミーシャとは一度夢境の中で会っています。星穹列車がピノコニーに向けて跳躍をしたときですね。
あのシーンでは会話と呼べるものは一切なかったため今回紹介しませんでしたが、彼が言う「覚えてくれていた」とは、あのときのことを指しているのだとしたら辻褄が合う気がしませんか?
しかしその仮定に立つと、ひとつの疑問が生まれます。
現実のミーシャと、夢境のミーシャは、果たして同一人物なのか。
……次に行きましょう。
黄金の刻にて(夢境:3回目)
ここはとりわけ印象に強く残っているのではないでしょうか。突如出現したクロックボーイに連れられ、黄泉とギャングの諍いを仲裁するシーンです。
はじめに言っておくと、このシーンの一連の流れは非常に良くできたミスリードです。
このシーンは上の画像の選択肢によってホタルちゃんの反応が変わりますが、とくに重要なのは3つ目の選択肢です。
頭お花畑の私は「うへへ、ホタルちゃんに嫉妬されちゃった」なんてアホなことを考えていたのですが、聡明なみなさんなら違和感に気づいていたことでしょう。
なぜホタルちゃんは知り合いが複数いることに疑問を抱いたのか。彼女にもミーシャが見えていたなら、少なくとも「だらけ」に引っかかりを覚えはしなかったはず。
逆に、もしホタルちゃんの目に黄泉とギャングしか映っていなかったのだとしたら、この疑問の理由は以下の2つのパターンで説明がつきます。
ホタルちゃんの目には助けるべき相手が黄泉ひとりに見えているため、「だらけ」という表現に疑問を持った。
「だらけ」という表現を信じるならギャングまで知り合いということになるため、主人公の交友関係に疑問を持った。
ちなみに「あれはミーシャ?」の選択肢を選ぶと、「ミーシャって誰?」という反応になるようです。普通であれば「ミーシャってどっち?」になりそうなものなので、こちらを選んでいてもしっかり違和感を与えるように構成されていたようです。
しかしこれ、逆説的にホタルちゃんは黄泉のことをこの時点で知っていた可能性が出てきますよね。黄泉を知らないのであれば「ミーシャ」=「黄泉」と誤解するはずなので。
まあ、今回の主題ではないのでこの件はこれ以上考えませんが。
話が逸れましたが、このシーンにおける違和感はこれだけではありません。
諍いを収めたあとの4人の会話シーンです。
クロックボーイが見えいている主人公にはみんな関心を持ちますが、ミーシャがクロックボーイと会話していても言及しないどころか、黄泉もホタルちゃんも一切ミーシャを見ません。
その後も一見すると自然に会話が進んでいくように感じられますが、実はこの一連の会話、この場にミーシャがいなかったとしても成立するようになっています。
おそらく最も判断をややこしくさせるのがこの会話でしょう。
黄泉がミーシャと向き合い、まるでミーシャに話しかけるような言葉を紡いでいます。
しかし黄泉はクロックボーイに向けられた主人公の視線を追っているだけと捉えることもできますし、この台詞は「あなた」を「主人公」に置き換えても意味は通ります。
驚くべきは、「純粋な子どもにしか見えないアニメのキャラクター」といういかにも夢の国にありそうな事象をデコイにして「本当の真実」から遠ざける視線誘導の手法です。
ミーシャが見えていないことが「本当の真実」だとするなら、非常によく練られたミスリードだと言わざるを得ません。
編成ボイス
ところでみなさんは、ブラックスワンのボイスにすでに対花火の編成ボイスが実装されていることをご存じでしょうか?
実装が分かっているキャラなので先取りしたのかもしれませんね。
おや、ミーシャの編成ボイスは対主人公のものしか実装されていないようです。
同じピノコニーの住人であるギャラガーへのボイスはあるし、彼は実装も決まっているのにと思わなくもないですが、考えてみればミーシャは特定の誰かと深い縁を持つような立ち位置にいる人物ではありません。あくまでも一従業員でしかない。だから仕方ないのかもしれません。
ですが、こうは考えられないでしょうか。あえて、「そういうポジションのキャラクター」としてデザインした、と。
つまり、彼は他の登場人物たちとは関係を持つことができないのではないでしょうか。
ここまで
さてここまで読んでくださった方は、「ミーシャは主人公以外に見えていない可能性」について、少しは「そうかも?」と納得していただけたのではないでしょうか。
少なくとも、シナリオライターが彼について特別な意図をもって描写していることは否定できないかと思います。そうでなければ、ここまで人為的な違和感を覚えることはないはずです。
……いや、ちょっと待てよ、と。
ミーシャが好きな方、ミーシャを知ろうと彼について調べた方はこう思うかもしれません。
「キャラスト読んだのか?ミーシャは他の人と会話してただろ」と。
その通りです。なので次はミーシャのキャラクターストーリーから、いま考えられる可能性について話していこうと思います。
キャラクターストーリー
この項目で私が主張したい可能性はたったひとつです。
キャラクターストーリー内でミーシャが働いているホテルは、「ホテル・レバリー」ではない。
ピノコニーの物語には、私が想像しているよりも数倍のミスリードが張り巡らされていると読んでいます。ミーシャのキャラストもそうです。
順番に説明していきましょう。
ミーシャの寝室
ミーシャはドアボーイといこともあり、どうやらホテル住まいのようです。従業員寮のようなものがあるのでしょうか。
彼の寝床についてはストーリー・1、ストーリー・3にこう描写されています。
「おや?」と思いませんか。
いくら従業員とはいえ、あの「ホテル・レバリー」が厨房から料理の匂いが届くような位置の小さな寝室であったり、戸棚を改造したベッドしか使わせないでしょうか?強烈な違和感を覚えます。
ホテルの客
問題の箇所です。
先ほども述べましたが、ミーシャはキャラスト内(具体的には1と2)でホテルの従業員と思しき人や客たちと、正真正銘会話を成立させています。
確かにこれは、「ミーシャは主人公以外に見えていない可能性」の反証となりえるものです。
しかし私が注目してもらいたいのは、客の匂いに関する情報です。ストーリー・1では、お客としてホテルにやってきた冒険者たちの匂いについてこう描写されています。
突然ですが、ここでアベンチュリンの台詞を思い出してみましょう。
私が何を言いたいのか勘づいた方もいるでしょう。
本来、「ホテル・レバリー」に宿泊できる客は全宇宙の中でも限られた人だけであり、誰にでも門戸を開くわけではないのです。
以上のことを踏まえると、果たして本当に「機械油と革、そしてタバコのにおい」がする冒険家たちを「ホテル・レバリー」は宿泊させるでしょうか?
私にはどうしても身分不相応に思えてなりません。
時代
ここまではキャラスト内の断片的な情報を拾い上げ、環境および客層からミーシャの勤務するホテルが「ホテル・レバリー」ではない可能性について説明してきました。
しかし一番の根幹となる問題、「『ホテル・レバリー』でなければどこなのか?」という疑問について触れていません。
この疑問については、残念なことにキャラスト上でこれぞという情報を見つけることはできませんでした。ですが、他の情報と併せれば推測するぐらいならできます。
これは遺物『夢の地ピノコニー』のオーブから読むことができるテキストの一部です。
ご存じのとおり、ピノコニーはかつてカンパニーから送られてきた囚人たちの監獄でした。その監獄があった場所が、今の「ホテル・レバリー」です。
ピノコニーが今の煌びやかで夢のようなリゾート地となるまでの経緯は、ざっくりではありますがこのテキストから読み取ることができます。
「壊滅」がカンパニーから解放し、「開拓」が外界と繋げ、「調和」が平和と自由を与えた。
私が思うに、ミーシャのキャラストに描かれている時代は、ここで言えばおそらく「開拓」がかつてのピノコニーに訪れる前ではないでしょうか。
というのもストーリー・4の最後は、星穹列車がミーシャの元を訪れたと思われる一文で締めくくられているからです。
つまり、「ホテル・レバリー」の前身となった別のホテルが、昔この地に存在していていて、ミーシャは「ホテル・レバリー」のドアボーイとなる前から元あったホテルで働いていたという推測が自然と浮かび上がります。
いやいやいや、何を馬鹿げたことを言っているんだ。
そう思った方も多いでしょう。何しろこの推測を前提とするなら、私たちの知っているミーシャは見た目どおりの年齢ではないということになってしまいます。しかし仙舟の長命種でもなく、ピピシ人でもない彼が幼い外見のまま歳を取っているなんてことありえるでしょうか。……この世界ならありえる気がする。
ここまで
さて、「キャラクターストーリー内でミーシャが働いているホテルは、『ホテル・レバリー』ではない可能性」について、少しでも納得していただけたでしょうか?少なくとも、必ずしも「ミーシャは主人公以外に見えていない可能性」の反証にはなるとは言えないと思っています。
むしろ、ミーシャの謎がより深まったと思いませんか?
彼のキャラストには今回紹介できていない不思議な箇所がまだいくつも残されています。
たとえば、ストーリー・2で描かれるミーシャの業務。彼は大量の壊れた時計の修理をホテルの中で行っているようです。確かに彼の紹介には機械の修理が得意であると書かれていますが、そもそもホテルの中で大量の壊れた時計が集まる状況とはどういうものなのでしょうか。
その他にも、ストーリー・3でミーシャの夢の中にクロックボーイと一緒に登場する「ミラーガール」の存在もまた謎です。彼女は黄金の刻の中で、クロックボーイが紹介したトモダチの中にはいませんでした。彼女はいったい何者なのでしょうか。
現時点では考察の材料が足りず、そのすべてに根拠のある解釈を付することは非常に難しいです。彼のキャラストが、今後のピノコニーの物語とどう繋がり、真相が解明されていくのか。それを見届けるのも、今回の開拓の目的のひとつになりそうですね。
まとめ
本noteで主張した可能性についておさらいしましょう。
ミーシャの存在は、主人公以外に見えていない。
キャラクターストーリー内でミーシャが働いているホテルは、「ホテル・レバリー」ではない。
もちろんこれらの主張がまったくの的外れである可能性は否定しません。
しかし、これら命題が真であると仮定した場合、新たにひとつの疑問が生まれます。
私たちがいま見ているミーシャは、本当にいまこの世界に存在しているのでしょうか?
そうです。彼が昔のピノコニーに生きていた存在である可能性が浮上したいま、長命種でもなければピピシ人でもない彼が長い期間幼いままの外見を保てる理由は、「彼が現実を生きている存在ではないから」と説明できるのはないでしょうか。
ではなぜ、主人公には見えているのか。
どうやら主人公は憶質の影響を受けやすい特殊体質であることが本編の中で判明しました。たとえば、主人公が見ているものが憶質の影響を受けた記憶の残滓であったり、ズレた時間の光景、その他考えうる特殊な現象と考えることは十分にできるのではないでしょうか。何せ、アニメのキャラクターたちが見えているのです。ミーシャがどんな存在であっても、主人公だけは彼を認識できてもおかしくありません。だって主人公だから。
ミーシャは、現状唯一のピノコニーに現住する実装キャラであり、新天地を象徴するキャラだと私は考えています。その内側に物語の核心となる重大な謎が隠されていたとしても不思議ではありません。
本編内での彼の活躍は今のところ決して多くはありませんが、ご存じのとおり「ミハイル(=ミーシャの愛称)」という謎の人物との関係も憶測レベルで示唆されています。
これら多くの謎と疑問が、物語とまったく無関係に終わることはまずありえないでしょう。どんな真相が待っているにしろ、彼について必死に考えをめぐらしたこの時間は決して無駄にならないはずです。
ここまで拙い文章に付き合ってくださったみなさんとともに、ぜひとも結末を見届けたい所存です。
以上、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
夢か現実か
ここからは余談です。与太話と思って聞いていただいて構いません。
ミーシャのキャラストから、ひとつ妄想を組み立てさせてください。
すでに上で紹介した遺物『夢の地ピノコニー』のテキストにこんな一節があります。
「キャラクターストーリー」の項目で、私は「『ホテル・レバリー』の前身となった別のホテルが、昔この地に存在していていた」と推測を立てました。
この「前身となった別のホテル」が、実は「監獄」だったとしたらどうでしょう。つまり、ミーシャが働いていた場所はホテルではなく監獄であり、従業員は看守、客は囚人と置き換えるとどうでしょうか。
そうすると非常に面白い見方ができるようになります。
たとえば客として登場した冒険者たちが語る冒険譚。実際には、憶質に影響を受けた囚人たちが他人の記憶を自分の記憶と思い込んで語っていたとしたら、少し身震いがしてきませんか?
たとえば大量の壊れた時計。それら時計は、囚人たちの労働の時間を管理するものだったとしたら?
ミーシャの寝室が粗末なものだった理由も、何となく説明がつきそうではないでしょうか?
あくまでも妄想です。根拠はないですし、辻褄が合わない部分もあります。
ただ、ミーシャのキャラストを読んだとき、私はどうにも『Heaven's Feel』の「くうくうおなかがなりました」に似た印象を受けてしまったので、こういう妄想が生まれた次第です。
では。