ハワイタイムマシーンZ/太平洋のど真ん中で 11.ハワイ島ケアラケクア湾
イルカと泳ぐ楽しさを知ってしまいました
ハワイ島を紹介する本の取材のために、2004年10月、ハワイ島へ上陸したことは以前書かせていただきました。この取材でハワイ島が大好きになってしまったのですが、実はその前にハワイ島にハマってしまうことがありました。
ハワイ島で、「マウナケアで星を見るツアー」や「キラウケアで溶岩を見るツアー」なんかをやられてるマサシさんというおっさんがいらっしゃいます。ツアーを紹介する取材のために、何度かお邪魔してたんですが、ある日、海へ連れて行かれます。海のツアーなんかやってないのになんやろう?
なんと!その海にはイルカがたくさん泳いでいました。
わたくし、当時はそんなに泳ぎが得意ではありませんでした。腕に浮き輪をつけ、ボディーボードを持って海へ入りました。マサシさんは海育ちで、サカナのように、いや、カジキのように泳がれます。わたくしを引っ張ってイルカと遊ばせてくれました。
すっかりハマってしまい、マサシさんに泳ぎを教えてもらいながら何度も海へ入りました。そして、気がついたら数キロ泳げるようになっていました。上の写真は2003年のもの。わたくしです。マサシさんが撮ってくださいました。
※古い写真なのでピントがイマイチですいません。
いつしかハワイでは、あちこちでイルカツアーが行われるようになりましたが、当時はそんなことやってませんでした。なので、いつも貸し切りでイルカたちと遊んでました。
イルカと遊んだ話をもう少し
「イルカがいる海で泳いだだけやろ。イルカと遊んでないやんか!」と言われるかもしれないので、もう少し。
海へ入る前に、そのあたりに落ちている落ち葉を持って行きます。イルカの近く(水中)でそれを手放し、ちょっと離れます。イルカがブワーッと近づいてきて、それをヒレにひっかけて奪っていきます。おおー!
それだけではありません。イルカは、落ち葉をひっかけたまま近づいてきて、今度はわたくしの前で放します。おおおー!
が、イルカは茶目っ気があるのです。わたくしがそれを取ろうとすると、ブワーッと近づいてきて、落ち葉を奪っていきます。ううっ、やられた!
イルカは、キューッ、キューッ、と鳴いて、尾びれを振りながら去っていきます。してやった!って感じでしょうか。こんな感じで飽きるまで遊んでくれるのです。
いやあ、思い出すだけでニヤニヤしちゃう楽しい体験でした。すっかりハマってしまって、毎月ハワイ島へ遊びに行ってました。あ、すいません。ハワイ史の解説に戻ります。
マサシさんが連れて行ってくれる海は3つありました。その中で、わたくしが一番好きやったのがケアラケクア湾です。めっちゃデカくて絶景。1973年に歴史地区なるものに指定されてから、海中生物を保護するため、動力を持った船は入れなくなっています。この入江が歴史の舞台に登場します。
ケアラケクア湾は歴史地区であり海洋保護区です
ケアラケクア湾は、キングカメハメハホテルなどがあるカイルア・コナからクルマで1時間くらい南に下ったところにあります。結構な距離です。後で思い出すと、このドライブの最中に、マサシさんは簡単に説明してくださいました。
・この海はいろいろ守られている
・海岸線にヘイアウがある
・海を渡った先にキャプテンクックの記念碑がある
が、イルカに夢中のわたくしは、話半分でした。
なので、ケアラケクア湾についてちゃんと調べたのは、2004年10月のハワイ島の取材で行った時です。申し訳ございません(誰に謝っとんねん)
行けばわかりますが、ケアラケクア湾はとても大きな入江です。高い山の側面が削れて、そのまま海へ落ちていった感じ。この写真ではわからないと思いますが、入るとすぐに海は深くなります。そして、海岸線から離れると波を感じなくなります。
それにしても、現代のケアラケクア湾には何もありません。「ハワイを発見した」キャプテンクックは、どうしてここに立ち寄ったのか。
沖まで出ると、キャプテンクックが立ち寄った理由がわかるかもしれません
これはケアラケクア湾の沖から撮った写真です。とてもキレイな入江で見晴らし最高。航海中の人々からすれば、立ち寄りたくなるような入江かもしれません。
1779年1月、この入江にあるヒキアウ・ヘイアウでは、マカヒキと言われる収穫祭が行われていました。現在は田舎の入江のようですが、ヘイアウがあるくらいですから、当時のハワイでは中心地やったんでしょう。収穫祭は当時のハワイの新年(11月ごろ)から4カ月間ぐらい行われていたそうで、なんと書いたらええのか悩むんですけど、ちょっとした乱行騒ぎみたいなもんやったみたいです。あ、昔の日本のお祭りでも、似たような乱行騒ぎをしていたという記録があります。なので、なんて人々や!なんて思ってはいけません。
まさにその最中に、キャプテンクックの船がやってきます。レゾリューション号とディスカバリー号の2艘です。
収穫祭をしている最中に、海から現れた西洋の帆船は、ハワイアンにとって、見たことの無い巨大な物体でした。カフナ(神官)はそれを見て、ロノが来てくれた!と言ったそうです。どういうことか?
第4話でも紹介していますが、ロノは農耕と平和の神です。そして、収穫祭マカヒキの主役です。
ハワイの神話では、ロノは人間の女性と結婚します。神が人間と結婚するなんて、原始的な宗教ならではの話です。奥さんを愛しすぎたロノは、彼女の浮気を疑って殺してしまいます。が、奥さんは浮気なんかしていませんでした。ロノはそれを悔やみ、ハワイの人々の豊作・豊饒を約束して旅立った、と言われているそうです。なんだか納得できるようなできないような展開ですが、それが神話です。
それ以降、ハワイの収穫祭では、ロノを祀っていました。T字の木に、大きな白い布をぶら下げて、ロノとして祀っていたのです。
ハワイアンは、レゾリューション号とディスカバリー号のデカく空にそびえる帆を見て、ロノが帰ってきた!と思ったそうです。ハワイアンが乗るカヌーにも帆はついていましたが、現れた帆は、比べものにならないくらい大きく、カタチも違いました。収穫祭マカヒキの最中に、しかも偶然ですが、ロノにまつわる方向から現れたそうで、ヒキアウ・ヘイアウは大騒ぎになります。
いやしかし、1779年と言えば、日本で言えば江戸中期です。そんな時代に生きていたカフナが、本当にキャプテンクックたちをロノと思ったのか、わたくしはちょっと疑問に思ったりするんですけど、まあ、それは置いておきます。
。。。。つづく