ハワイタイムマシーンZ/太平洋のど真ん中で 35.7代目の王はカラカウア
1874年、カラカウア王の時代です
ルナリロ王も、後継者を指名していなかったため、1874年にハワイ王国では王を決める投票が行われました。最終的に、この時、王位を争ったのはこの2名。
・クイーン・エマ(カメハメハ4世の奥さん)
・カラカウア
カラカウアは、オアフ島のアリイクラスの子孫です。ルナリロの王位を決めた時も立候補していて、次は絶対に王になるぞ!と頑張っていたみたいです。結果として、カラカウアが圧勝しますが、投票をしたのはハワイの議会の45議員です。欧米人が多いわけです。カラカウアの圧勝は、カラカウアが彼らへのアプローチをしっかり行ってた結果みたいです。
ハワイアンはこの結果に対し、暴動を起こしています。カラカウアはその後、フラを復活させるなど、ハワイにとって素晴らしいことをいろいろやっています。なので、どうしてハワイアンが選挙結果に不満で暴動を起こしたのかちょっと謎に思えますが、答えはシンプルです。
ハワイ王国はカメハメハがつくった国です。カメハメハ一族が王位を継ぐべきやし、投票をしているのも欧米人が多いし、なんだか誰の国だと思ってんだよー!って感じやったと思います。この暴動はなかなかおさまらず、ホノルル港に停泊中のアメリカ海軍&イギリス海軍の力を借りることになったそうです。
1875年、アメリカに輸出する砂糖などの減税交渉に成功
1875年、カラカウアは、ルナリロがやり遂げることができなかった、アメリカ合衆国との交渉を成功させます。
・ハワイがアメリカ合衆国へ輸出している砂糖などの免税
の代わりに
・アメリカがハワイに要求しているパールハーバーの利用
を認める
アメリカ合衆国の要求は、パールハーバーの土地分譲でしたが、カラカウアは売ることを拒みました。結果として、ハワイ王国はアメリカ合衆国に支配されることになるのですが、小さい国がヨーロッパの国々の植民地になっていた時代ですから、この交渉ができたことは評価してもいいのかもしれません。
上の写真は、カラカウアが、アメリカ合衆国からの帰りに乗せてもらった軍艦USSペンサコーラです。左に小さく写っているのは、アメリカ合衆国との交渉をした時の記念写真みたいなもの。アメリカの人々と比べて、体格がちっとも劣っていないのが不思議なくらいですが、それもそのはずで、カラカウアはかなり身長が高かったそうです。
カラカウアは、このアメリカ訪問で、今まで知っているのとは違う「公園」の存在を知ります。アメリカの公園では、人が自由に遊んでいました。ハワイにあるトーマススクエアとはまったく違う自由な空間だったのです。それを見て、カラカウアは、ハワイにもそんな公園を造りたくなります。
1877年、カピオラニ公園完成
そして造られたのがカピオラニ公園です。当時このダイヤモンドヘッド下の空間は、乾燥した平原でした。そこに緑いっぱいの公園が造られます。真ん中には競馬場が造られ、海岸線には豪邸が並んだそうです。現在、競馬場はもうありませんが、広い芝生の公園はそのまま維持されています。以下、簡単に公園について書いておきます▼
・1896年 ホノルル動物園の前身オープン
・1904年 ワイキキ水族館オープン
・1914年 カピオラニ公園がホノルル市の管理となる
カピオラニというのは、カラカウアの奥さんです。結婚したのは、カラカウアが王になる前の1863年のこと。意外と知られてなかったりしますが、カピオラニはカラカウアより2歳年上の奥さんで、結婚は2回目です。ひとり目の旦那様は位の高い人でしたが、年上だったのと当時のハワイアンは病気に弱かったこともあり、先にお亡くなりになられています。
会ったことないから分かりませんが、カピオラニはとても静かな女性のイメージがあります。どんな人やったのか調べてみました。
あんまり賑やかな場所は好きではなく、ハワイ語を使っていた、ということぐらいしか分かりませんでした。
カラカウアの兄弟、レレイオホクとリリウオカラニ
カラカウアには子どもがいませんでした。なので早くから、弟レレイオホクを王位継承者に指名しています。レレイオホクは、早くからハワイ王国の議員として活躍し、兄を助けます。1875年、カラカウアが製糖業の免税交渉でアメリカ合衆国まで出向いている間は、摂政としてハワイ王国を動かしています。
が、当時のハワイアンは本当に免疫力がありませんでした。1877年4月、レレイオホクも22歳の若さでなくなってしまいます。リウマチ熱だったそうです。現代なら治すこともできるのかもしれません。
カラカウアは、悲しみますが、王として次を決めなくては行けません。そこで妹のリリウオカラニを指名します。ハワイ最後の女王リリウオカラニです。ちなみに、リリウオカラニはカラカウアの妹ですが、レレイオホクよりはお姉さんです。1839年11月生まれなので38歳でした。そんな歳になってから、次の王さまはお前だと言われて、どんな気分やったでしょう。
というわけで、次回はリリウオカラニについて。
。。。。つづく