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ハワイタイムマシーンZ/太平洋のど真ん中で 04.カメハメハが生まれた家の近くに生贄が始まったヘイアウが

舗装されてない道に突然現れる標識

2004年10月の話です。

ハワイ諸島を統一し、ハワイ王国を作ったカメハメハ1世。その生誕の地が、ハワイ島北部HAWI(ハヴィ)の海岸線にあると聞いてクルマを走らせていました。ウポルエアポートから入った脇道は、舗装されていないだけでなく、岩が転がっていたり、水たまりがたくさんできていたりして、かなり運転しにくいです。その日は結構状態が良く、乗用車やったのに無事にカメハメハ1世が生まれた家の跡地まで行くことができました。

ちなみに、後日、雨上がりの日に4WDジープで行ったことがありますが、あの時は大変でした。ジープが泥水にはまり込んで動けなくなったんです。なので、行く場合はよく天候をチェックしましょう。

さてさて、カメハメハ1世が生まれた家の跡地へ行く途中に、こんな看板がありました。

・KAMEHAMEHA BIRTHSITE
・MOOKINI HEIAU

BIRTHSITE=誕生石ってことみたいです。オアフ島にバースストーンってのがありますが、あんな感じでしょうか。誕生石は、カメハメハ1世が産み落とされた家にあります。

カメハメハが生まれた家はとてもキレイに整備されていました

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未舗装のガタガタ道を走った先に現れたのは、整備されたとってもキレイな海沿いの公園?でした。石垣で囲まれたエリアの前にシンプルなプレートが建てられています。

KAMEHAMEHA AKAHI AINA HANAU(カメハメハが生まれた場所みたいな意味のハワイ語)

この家の跡地に、カメハメハ1世が産み落とされた石があるみたいですが、どれがその石かは見つけられませんでした。そして、そもそも、カメハメハ1世の生まれた年を知りたくてやってきたわけですが、そんなものなんかどこにも書いてありませんでした。ハワイアンは文字を持っていなかったんですから当然です。それにしても、こんなボロボロの未舗装道路の先にある場所なのに、どうしてこんなキレイに整備できるんやろう?

好奇心を刺激されて、次なる疑問を持ちました。が、その場所に人の姿はないし、お掃除担当スタッフの小屋なんてものもありません。突き止めることができなかったので、これに関してはオアフ島へ戻ってきてからいろんな方に聞いてみました。わたくしがインタビューさせていただいた、ハワイアンの方のお返事は決まっていました。

大事な場所だから、近くに住んでいるハワイアンが手入れをしている。そういう役割の人が近くに住んでいる」

それ以上は詳しく教えてくれませんでした。それ以上は知らないからなのか、秘密なのか。でも、わたくしはなんだか納得してしまったのでありました。


生贄儀式はモオキニ・ヘイアウから始まった

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来る途中に見つけたモオキニ・ヘイアウも見に行ってみました。先ほど見つけた看板の横にあるゲートは閉じられていて、クルマは入れないようになっています。立ち入り禁止ではなく、脇から入って坂道を登って行けるようになっています。

前回の記事でプウコホラ・ヘイアウを少しだけ紹介させていただきました。カメハメハ1世がハワイ島を統一する前に造ったヘイアウです。プウコホラ・ヘイアウは下調べで知っていましたが、このモオキニ・ヘイアウについては知りませんでした。なんじゃここは?って感じで一応写真を撮って、ここについても、オアフ島へ帰ってきてから調べました。

調べてびっくりしました。

・モオキニ・ヘイアウは初めて人間を生贄として捧げるようになったヘイアウ

え!生贄? 「イケニエをささげる」ってのは、つまり、人を殺して神様にお供えするって行為です。何も考えずにうろうろ見て回ってしまいましたが、あそこには霊がいっぱいいらっしゃったかもしれない(涙)

ハワイにも神さまはいっぱいいらっしゃいました

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ちょっと説明させていただきます。日本には神社というものがあります。お寺や教会は人々を集めて布教活動をするので、人が集まる空間がありますが、神社にはありません。人々は勝手にやってきて、直接神にお参りします。神の考え方も違っていて、仏教もキリスト教も、お参りする相手は一人ですが、神道(神社)の場合、神は山やったり、木やったり、男の人の性器やったり、亡くなった武士やったりします。宗教の世界では、これは原始的なんやそうです。

ハワイの宗教も原始的です。神さまはいろいろいらっしゃいました。

キリスト教の西洋人からすると、これは理解できないことのようです。例えば、ヘイアウというのは、簡単に言えば、神とやりとりをする場所でした。簡単に紹介させていただきます。ちなみに、ヘイアウには、ハワイアンが尊重していた4つの神さまの像が置かれたりしていました。

・カーネ(生殖の神)
・カナロア(海の神/魔法と冥界の神)
・クー(戦いの神)
・ロノ(農耕と平和の神)

キリスト教がやってきて、これらの神さまたちは否定されます。ハワイ島を紹介する本を書こうとして取材へ行ったのに、なんだかハワイの歴史についていろいろ知ってしまって、混乱するばかり。悩んだんですが、これらの情報はマニアックすぎるかも、と判断し、ハワイ島を紹介する本には載せませんでした。

。。。。つづく

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