鉄筋は端っこが大事なんです -鉄筋のフックのはなし-
【フック形状の規定】
鉄筋の端部はどうなっているのでしょうか。
直線の場合もあれば、折り曲げている場合もありますよね。
なぜ、鉄筋の端部は折り曲げることがあるのでしょうか?
鉄筋の端部にフックを付けることでコンクリートと鉄筋の付着力を高めているのですね。
折り曲げ角度により、余長(鉄筋を折り曲げた後の直線部長さ)が異なり、フックの折り曲げ角度が緩やかになると、余長が長くなっていきます。又、鉄筋径により折り曲げ半径が定められています。
【各部位のフック形状】
鉄筋のフックは、部位によって折り曲げ角度が規定されていますよ。
・最上階の柱頭の4隅に180°フックを設けなければなりませんが、全主筋にフックが必要となる場合もあります。
柱頭補強筋や梁主筋と干渉しないように、柱主筋のフックの方向を事前に検討することをおススメします。
・フープのフックの位置は原則として交互にします。
・スラブ付梁の場合のあばら筋のフックはスラブ側に設け、スラブ付ではない若しくは両側がスラブ付の梁の場合のフックは原則として交互に設けます。
あばら筋はフック形式は閉鎖型とする場合とキャップタイ形式の場合があります。
フック形式の閉鎖型は1本の鉄筋であばら筋を加工しますが、キャップタイ形式はU字に加工した鉄筋の上にフック付の鉄筋をかぶせてあばら筋を組み立てます。(説明し難いので下の図を見てください)
スラブ付梁のあばら筋は90°フックにできますが、梁とスラブにレベル差(上下)がある場合は135°フックにしなければなりません。
レベル差の目安としては4d(フック余長8dの半分)以上ある場合と考えてよいかと思います。
・片持ちスラブ先端のフックの余長は4dでよいことになっています。この余長が長いと鉄筋先端のかぶりが確保できないことがあります。この場合は垂直に下がっている余長を斜めにしてかぶりを確保しましょう。
・幅止め筋は梁のあばら筋や壁筋の鉄筋幅を保つために設けます。
フックの余長は4dですね。