鉄筋のかぶり厚を確保する『スペーサー』
スペーサーは、鉄筋の下部及び側面のかぶり厚を確保するために鉄筋を保持するものです。
鉄筋を保持するもの全てをスペーサーと呼んでもいのですが、水平方向のスラブ筋などを保持するものをバーサポートと呼ぶこともあります。
スペーサーの材質
スペーサーの材質には
・コンクリート製
・スチール製
・プラスチック製
がありますが、プラスチック製のスペーサーは側面に限り使用することができますので、ベース筋、スラブ筋や梁筋下部には使用できません。
コンクリート製のスペーサーは設計基準強度以上のものが必要ですので、高強度コンクリートの場合、注意しましょう。
バルコニースラブ底面などの屋外に面するスペーサーに鉄製を使用する場合は、特に錆ないようにポリキャップ付きスペーサーが望ましいです。
スペーサーの種類
スペーサーの種類は
・ドーナツ型スペーサー(プラスティック製)
・ブロックスペーサー(コンクリート製) 通称サイコロ
・パテントスペーサー(スチール製)
・プレート付きスペーサー(スチール製)
があり、ドーナツ型スペーサーは縦使いを原則としていますので、梁側面の場合は腹筋に取り付けることになります。
プレート付きスペーサーは、スペーサーが断熱材にめり込まないように設置面積を広げたもので、樹脂パットを用いてもよいですね。
スペーサーの間隔
スペーサーは、鉄筋のかぶり厚を確保するものですが、配筋やコンクリート打設時の作業にによる配筋の乱れを防止するためにも、適切な間隔で設置することが必要になります。
スペーサーの設置位置、間隔は標準仕様書などによりますが、スラブ端部のスペーサーは梁面から70mm程度の位置に設けるようにしてください。
スペーサーは、取り付ける鉄筋の内外によりサイズが異なります。内側の鉄筋に取り付ける場合のスペーサーはワンサイスアップになりますので、間違わないようにしましょう。ドーナツ型スペーサーはサイズにより色を変えておくと現場で確認がし易いですね。
スペーサーは鉄筋屋さんが取付けてくれますが、型枠大工さんが邪魔になって外したままにすることもありますので、コンクリート打設前には再度チェックする必要がありますね。