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建築豆知識『土工事』
根切底
直接基礎の場合は特に支持地盤となる床付け面を乱さないように注意しなければなりません。
もし乱してしまった場合は、土質により締固め、置換、改良をする必要がありますよ。(JASS3による)冬季には、根切り底の凍結が起こらないように対処します。
排水
地下水位が高い場合等は、井戸で地下水位を低下させるか、止水壁で遮水する等の処置が必要です。
この場合でも雨水処理のため、釜場は必要ですね。泥・砂が混じっている場合には、放流先に流れないように、沈砂槽(ノッチタンク)を設けないと下水道局に怒られますよ。
埋戻し
木製型枠は有機材なので、土中で腐るとガスを発生することがあります。
地中梁の軽微な底板は残しがちですが、取り除いておく必要がありますね。締固めが不十分だと、地盤が沈下し設備配管等に悪影響をおよぼしますので、しっかりと転圧しておきましょうね。
300㎜ごとに転圧します。
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山留め
敷地に余裕があれば、山留めをしないオープンカット工法を用いることがあります。
雨により土が崩れないように、法面をブルーシートで養生したり、山留めの周囲にモルタルを打ったりしましょう。
掘削面の勾配は、土質と掘削深さに応じて労働安全衛生規則の掘削面の勾配基準によります。建築工事の一
s般的な山留壁の工法には、①親杭横矢板工法、②シートパイル工法、③ソイルセメント柱列壁工法がありますが、土質や工事環境により、適した山留工事の工法を選択します。
①親杭横矢板工法は安価で小規模建物に用いられることが多いですが、止水性がありませんので、地下水位が低い場合や井戸で地下水位を低くした場合に使用できます。
②シートパイル工法、③ソイルセメント柱列壁工法は割高ですが、止水性が高いので地下水位が高い場合でも使用できます。
山留壁は計算により部材を決定していますが、土圧や水位が仮定通りとは限りませんので、計測管理により現状を把握し、危険回避、安全管理を行うことが重要です。
山留めは仮設で、建物の品質に直接関係しないので極力費用を軽減したいところですが、山留めが変形すると、隣接する地盤や建物・工作物に多大な影響を与えることがありますので慎重に耐力検討を行う必要があります。近接に高架(鉄道、道路)等がある場合は管理者と協議する必要があります。
山留めの頭部変位は、掘削深さの3%が目安ですが、周辺状況に応じ管理値を定め計測しましょう。
山留めを引き抜くと空洞ができますので、セメントミルクや砂を充填します。砂を充填する場合は水締めをしてくださいね。