建築豆知識『コンクリート打設』
コンクリートの運搬
一般的にコンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、
外気温が25℃以下の場合は、120分以内
外気温が25℃を超える場合は、90分以内
が限度となっています。
コンクリートは、外気温が高いほどスランプの低下が早く進み、時間が経つと品質低下の恐れが高くなりますので、時間制限が定められています。
時間の起点は生コン車の到着時ではなく練混ぜ時からですのでお間違えの無いように。
コンクリートの打込み
打込み環境
以下の時、適切な養生ができない場合はコンクリートに打込みは行ってはなりませんね。
降雨が予想される時
降雪が予想される時
コンクリート温度が2℃を下回る時
打込み高さ
吐出口と打込み面までの高さは、コンクリートが分離しないように1.5m以下を標準としたいですね。
打重ね時間
コールドジョイント対策として打重ね時間は次のとおりにしましょう。
外気温が25℃以下の場合は、150分以内
外気温が25℃を超える場合は、120分以内
打継ぎ
打継ぎ位置
梁・スラブ:スパンに中央又は梁から1/4付近
柱・壁:スラブ又は基礎の上端
打継面の処置
打継面が外部に接する箇所には目地を設け、3面接着でシーリングを施すします。
打継面は、レイタンス及び脆弱なコンクリートを除去し、健全なコンクリートを露出させ散水し湿潤させます。
レイタンスとは、生コンクリート中のセメントや骨材の微粒子がブリーディング水と共にコンクリートの上面に浮き上がって堆積した多孔質で脆弱な泥膜層のことですね。
ブリーディングとは、コンクリート中の水が表面に浮き上がる現象をいいます。単位水量を増やすとブリーディングが生じやすくなります。
打継面の処置だけではなく、鉄筋に付着したコンクリートもシッカリ除去しておきましょう。
締固め
コンクリートバイブレーターの挿入間隔は60cm以下とし、加振はコンクリートの上面にペーストが浮くまでとします。
締固め不足は豆板、空洞の原因になりますし、振動機のかけ過ぎは分離の原因になりますので、適度な締固めが必要となります。
養生
普通ポルトランドセメントなどの湿潤養生期間は、5日以上必要となります。
コンクリートは水とセメントの水和反応により時間をかけて強度が発現し、時間経過とともに強度が増大しますのでコンクリート中の水がなくなれば水和反応は停止します。
なので、水和反応が十分に進行するまで湿潤状態を保つことが重要です。
乾燥でコンクリートが固まるのではないですね。
コンクリートの初期欠陥
型枠脱型後、豆板などの初期欠陥を確認した場合は、欠陥部分は除去し、適切な補修・補強を行わなければならないですね。
豆板はジャンカともいい、セメントペースト・モルタルの充填不良により粗骨材が集まった空隙の多いコンクリート不良部分のことです。
豆板は材料の分離・締固め不足等により発生します。
コールドジョイントとは、先に打設したコンクリートが固まり、後で打設したコンクリートと一体化しなかった継目のことです。
コールドジョイントは、打重ね時間を守ることと適正な締固めを行うことで防ぐことができます。
コールドジョイントは、強度低下・水密性低下を招きますので、発生した場合は適切な補修を行う必要があります。