配筋豆知識『壁』
継手
一般壁の壁筋の継手は、原則として壁内とし柱・梁内には設けないようにしましょう。
地下外壁縦筋の継手位置は、屋内側は端部Ho/4、屋外側は中央Ho/2となります。
地下外壁横筋の継手位置は、屋内側は端部Lo/4、屋外側は中央Lo/2となります。
下階の縦筋とピッチが異なる場合などの継手は、あき重ね継手とし、台直しはしないようにしましょう。
継手長さが確保できない場合は、フレア溶接(片面、両面)にすることができます。
定着
一般部の壁筋の定着は柱・梁にL2定着するか、通筋とし継手を設けます。
隅角部の柱や最上階の梁への定着も同様にL2としますが、壁が柱・梁と同面になる場合、壁筋がコア(柱筋・梁筋)内に入らないので、壁筋の端部を8dかつ150以上の90°フックを設けるか、折り曲げるようになっていることが多いですね。といっても、梁筋落し込み後に折り曲げるのは難しいですし、90°フックとも干渉しますので、梁筋配筋後に壁筋のフックを梁コア内に回転させるか、添え筋での対応を検討しておきましょう。
この時、壁筋が型枠側に寄っていてかぶり厚が確保できていないことがよくありますので、キチンと結束してもらいましょう。
耐力壁と雑壁で扱いを変えていることもありますね。
開口補強(スラブにも適用)
開口の最大径が配筋間隔以下の場合は、構造図による開口補強による以外に1/6以下の勾配で鉄筋を曲げるか50mm以下でずらすことで補強筋を省略することができます。
鉄筋を切断する場合は、切断した鉄筋量以上を開口脇に配筋します。
開口が柱・梁に接する場合は、接する柱・梁には補強筋は省略できます。
スリーブが密集しているPS等は補強筋が配筋できるように計画・協議をする必要がありますね。
最大開口寸法は構造図によりますが、最大寸法を超える場合は監理者と協議しましょう。
型枠の荷揚げ開口を設ける場合は、開口位置・開口補強要領を監理者に確認しましょう。
その他
壁の第1鉄筋は、縦横共に柱面・梁面から100mm以下にすることがありますが、配筋指針(日本建築学会)では柱面・梁面から50mmとなっていて、このあたりの規定は様々ですね。
梁上の第1鉄筋は低過ぎると、コンクリートがまわり難くなりますので、コン天から50mm程度離す方がよいでしょうね。壁縦横筋の内外は構造図によりますが、一般的に横筋が外側でスペーサーを縦向きに取付けます。
地下外壁は土圧を受けますので、壁縦横筋の内外は一般的に縦筋が外側になりますね。
最下階の壁筋の立上りなどでかぶり厚が不足していることがあります。
基礎梁への壁筋は内側寄りに差筋しておく方が安全ですね。開口上部などの垂れ壁の縦筋は、梁筋落し込み後になり、忘れてしまっていることが多いので、注意しましょう。
直行壁の接合部(L形・T形)には、D13又は壁筋のワンサイズアップの補強筋を設けることが多いですね。
耐力壁の壁端部にはコ型補強筋やフックを設けることが多いです。
スラブへの定着は余長でL2確保することが多いです。