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BPR/業務効率化の失敗につながる2つのつまづきポイント

BPRとは??

BPRとはBusiness Process Reengineeringの略であり、組織の業務を業務プロセスの観点から抜本的に見直すこと、などと言われビジネスプロセスから抜本的に見直すといった定義はありますが、平たくいうと規模の大きな業務効率化活動と言ってしまってもよいでしょう。品質向上などを目的とすることもありますが、多くの場合コスト削減が目的となります。
BPRはコンサルティング会社における主要ソリューションの1つであり、BPRプロジェクトを上手く回せるようになることはコンサルタントとして活躍の場を拡げることにもつながります。また、中小企業診断士などの独立コンサルタントにおいても、コスト削減などの文脈で生産性向上を求められるケースも多いのではないでしょうか。触れたことがなくても興味をお持ちの方も多いかと思います。

BPRの成功率は低い

そんなありふれたテーマであるBPRですが、私の周りに聞いても意外と失敗しています。ここでいう失敗とは「思ったよりも工数が削減できなかった」という状態です。私もいくつかのBPR事例を経験して、なんとなくですがここを気をつけないと失敗しますよー、というポイントが分かってきました。そういったことにならないようにちょっとしたtipsを共有できればと思います。
BPRと言ってますがコンサル以外でも各社で実施する業務効率化活動にも通ずるポイントなので、読んでいただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします


BPRの一般的な進め方

まずはじめに、一般的なBPRプロジェクトですが下記のようなstepで進めることが多いです。

1.業務(ASIS)の整理
2.各業務の工数調査・改善ポイントの特定
3.打ち手の検討・効果試算
4.打ち手の実行
5.プロセスの定着化・効果測定

※著者が作成しました

特に目新しいことはないかと思いますが、打ち手の実行で終わらず定着化までをミッションとすることが重要です。

BPRのよくある事例
なお、BPRのテーマは多岐に渡ります。よくある事例ですと
・手書きの申込書でバックオフィスに入力依頼しているのをシステム連携に変更する
・営業が社内に戻ってきて契約内容を打ち込んでいたのを外出先から入力できるようにモバイルシステムを導入する
などがあります。近年は大きなインパクトを残すためにプロセスの一部またはすべてをデジタル化するケースが多いです。デジタル化以外だと機能重複した組織を統合する、などもBPRの事例かなと思います

つまづきポイント① 削減工数を過大/過小に見積もってしまう

みなさん今日何の作業にどれくらいの時間を割きましたか?私が試しにどれくらいの時間を割いたか思い出しながら書き出してみます。ちなみにわたしは10h働きました。
・会議参加 2.0h
・資料作成 3.0h
・提案関連資料の読み込み 0.5h
社内の契約手続き 1.0h
・メール返信 0.5h
多めに書いたつもりですが7hしかないですね。。
たぶん勤務時間をまとめて埋められる人は少なくて、人は休憩したり、ぼーっと考えたり、長めにトイレ入ったり、勤務時間中に表面化しない時間を過ごしています。私が関わったケースでは業務時間としてカウントできる工数約半分であったケースもありました

これで偉い人から今日の日報を出せ!と偉い人に言われたら私は下記のように書きます。
・会議参加 3h
・資料作成 4h
・提案関連資料の読み込み 0.5h
社内の契約手続き 2.0h
・メール返信 0.5h
なんと!合計10hになりました!

仮にここで社内の契約手続きの工数の多さが問題となり、工数削減のため契約手続きの工数を半分にする契約管理システムを導入したとします。試算上私の社内の契約手続き工数はシステム導入により2.0hから1.0hとなり、1.0hの削減効果がでると見なされます。ただ実際の契約手続き工数は1.0hであるため、システム導入の本当の効果は0.5hです。これは1日あたりの時間なので、例えば年間250日で対象50人だとして6250h、単価2000円換算で1250万円/年のズレになるわけです。
これだけズレるとROIの試算にも影響しますよね。そもそもシステムいれる必要がなかった、なんてこともありそうです。

過去の経験から見えてきた感じでは、工数をヒアリングした場合、主業務は多めに申告され、付随業務は少なめに申告される傾向がありました。

◯打ち手
削減したい業務が見えたらなるべく現地で工数を実測しましょう。もちろん全員分はムリなので少数のサンプルで検証するのがよいと思います。

つまづきポイント②  削減施策が浸透しない

人間は基本的に変化を好みません。今まで手書きで書いていた伝票を急に「システム入力しろ!」といっても使い方を覚えるのも面倒ですし、切り替えのタイミングでは一時的に効率性が落ちるのが普通です。なかなか今までのやり方を切り替えてもらうのは難しいです。そこである程度ちからわざが必要になります

◯打ち手① 削減施策利用を評価と絡める
削減施策を使わないときちんと評価してもらえないようにする仕組みをつくることです。例えば新しく営業支援システムを導入したのになかなか使ってくれない場合、評価を営業支援システムの入力内容に基づいて実施する方法があります。営業さんが頑張ってもシステム入力しないと実績としてカウントしませんよー、というような手法を使うことできちんとシステムを使ってもらうといった方法になります。現場の反発はあると思いますが上手く抑え込んでください。。

◯打ち手② トップダウンでモニタリングする
新プロセスの利用状況をKPIとしてモニタリングし、部長以上の役職が集まる会議などで各部の利用状況を報告する仕組みを構築します。各部に推進担当を置き、ターゲット利用率と目標達成時期をきめるというやり方です。役員レベルの支援者を巻き込むことで強制力のある効果的なアプローチができるようになります。現場の反発はあると思いますが上手く抑え込んでください。。

お願い辞めないで。。!!

現場の反発を和やかに受け流そう

BPRや一般的なプロセス変更は現場にとって大きなストレスを伴います。施策実施後にアンケートをとるとだいたい1人か2人「史上最悪のプロセス」「あー、またコンサルに騙されましたね、という感じです」といったヘイターがうまれます。そうしたヘイターの意見を傾聴し、うまく協調してもらえるようにするのも我々コンサルタントの仕事かもしれませんね。クライアントにメリットがあるのなら何が何でもやり遂げる覚悟は必要ですが、反発もあると思うのでそこは穏やかに対応しましょう


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