雑記
慢性腎臓病。
猫にとって避けては通れない病気、だということは重々承知していた。でもそれは10歳を過ぎたような、高齢の域に入った猫の話だっていう認識だった。ウチのは今8歳。まだ大丈夫だと思っていた。
7月に入って暑い日が続く中、なんだかいつもより食欲がないことに気づいた。ただ、この時期にちょっと食べる量が減るのは例年のことなので、そのときは特に気に留めることはなかった。が、その後しばらくたってもやはり食いつきが悪く、普段なら飛んでくるおやつへの関心も薄くなってて、ここで初めて「もしかして具合悪い?」と思い始める。スマホで状況をググると、出てきたのは「慢性腎臓病」。でもまだ8歳になったばかりだしなあ…などと浮かんでくる不安を払うようにいろいろ言い訳を考えながらも、明らかに痩せてきてるのでちゃんと診てもらわないとと病院へ。「よかった、大したことなくて。」そう言えることを願いながら。
でも、ダメだった。願いも虚しく血液検査の数値は想像より遥かに悪くて、慢性腎臓病ならステージ4の数字。ググって見つけたサイトに書いてあった「不調が目に見える頃には、もうすでにかなり進行している」のとおり、何もしなければ命に関わるレベルで悪くなってた。
腎臓病には今のところ、これといった薬はない。そして、ダメージを負った腎臓が元に戻ることもない。できることは体の中に毒素が溜まらないよう、水分を摂らせるための点滴にできるだけ病院に通うことくらい。そうやって少しでも長く生きられるよう足掻くことしか、してやれることは残ってなかった。
そうして通い続けて1ヶ月半。4kg以上あった体重はそろそろ3kgを切ろうかというところまで落ちた。60kgの人間ならひと月半で15kgくらい減った計算になる。コロッとしてた体型はもうすっかり細くなってしまった。とはいえ食欲はないなりにいくらかは食べてくれていて、近頃は体重の減りも少し緩やかになってはいる。食べれたあとは元気も出るようで、おもちゃを持ってきて遊べと言ってきたりもする。ただやはり食べる量が少ないぶんだけ動く量も少なくなり、じっと寝ている時間がずいぶんと増えた。ああ今しんどいんだな…と思うような顔をしてることもよく見かける。そのたびに、少しでも長生きして欲しいと治らない病気に抗うことは単なる人間のエゴで、猫にとってはしんどい時間を引き延ばされてるだけなのでは?と考えてしまう。それならばその前にもっとしてやれることはあったんじゃないかと、今までのできてなかったことへの後悔と申し訳なさが頭から離れない。
こうなった以上、今すぐにではないにしてもそう遠くない先に“そのとき”は訪れるのだろう。一生の時間が人より猫のほうが早いのだから、元からいつかはそんな日が来ることは覚悟のうえだったはずなんだけど
こんなに早く来ちゃうなんてな。
もっと、いっしょにいたかったよ。
ごめんな。