スキなモノを語ろう 【ファジアーノ岡山編】
なんとなく、自分の好きなものを好きに語ってみようと思いたち、思うがままに始めてみました。思いつきがゆえに思うようにいかずに企画倒れになる可能性が多分にございますが、お暇でしたらお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
記念すべき?第1回目は、地元のプロサッカークラブのファジアーノ岡山についてです。ただただダラダラと無駄に長いうえにヤマもオチもない自分語りなのでお気をつけください。
ファジアーノ岡山
ファジアーノ岡山は、「大都会」と揶揄されることでお馴染み?の岡山市、そのお隣の美観地区が有名な倉敷市、県北最大の都市である津山市を中心とした岡山県全域をホームタウンとする、Jリーグ加盟のプロサッカークラブです。
公式ホームページ
創設は2004年。クラブ名になってる「ファジアーノ」とはイタリア語で「雉」のこと。これは“郷土に伝わる桃太郎で雉が活躍したことおよび岡山県の県鳥が雉であることに由来する(ウィキペディアより抜粋)”とのことで、エンブレムもその雉をモチーフにしたものになっています。チームカラーはファジアーノレッドという雉の目の周りの赤をイメージしたような少し濃いめの赤色で、クラブのマスコットキャラクターも雉のファジ丸くんです。「子どもたちに夢を」というクラブ理念のもと、国内トップリーグであるJ1を目指して現在そのひとつ下のカテゴリーのJ2リーグを戦っています。
初めてのサッカー観戦
そんなファジアーノ岡山に出会ったのは、たしか2010年のこと。当時はまだなかった専用練習場の建設を市に求めるための署名を県サッカー協会とサポーター有志が集めていて、それに力を貸してほしいという話がウチの職場のほうにも来たのが縁で、ある日の試合を上司と一緒に見に行くことになったのがきっかけでした。ファジアーノのことは「岡山にJリーグが!」みたいなニュースを地元紙だかローカル番組だかで見た記憶があったのでその名前と存在くらいは知ってたのですが、その当時はサッカーなんてまるで関心がなかったもんで、そういう「上からのお誘いを断るのもアレだし…」みたいなある意味で強制イベント的な理由がなければ、たぶん見に行くことはなかったと思います(笑)。
で、その試合の日。正直なところ、楽しみって気持ちより憂鬱さのほうが勝ってました。元から超出不精なインドア人間なうえに、せっかくの休みの日にわざわざ「半分仕事みたいなもの」のために出かけるのだから、そりゃ気が重くもなります。それでも、初めて訪れたスタジアムの雰囲気にはワクワクドキドキしました。大勢の人が賑やかに飲んだり食べたりしていて、まるで何かの祭りとかフェスのよう。スポーツ“観戦”っていうくらいだから「サッと行って試合だけ見てサッと帰るもの」くらいの認識で出かけてた自分にとってこの賑わいは良い意味で衝撃的でした。そしてさらに印象に残っているのがスタジアム内に入ってから席までの道程。入場口ゲートをくぐりスタジアム内の薄暗いコンコースを抜け、スタンドに出た瞬間に目に飛び込んでくる広がる空と芝生の緑は、思っていたよりずっと広くて思っていたよりずっと鮮やかでした。そのときの景色と湧き上がるような興奮は今でも忘れられません。と、そこまでのことは鮮明に覚えてるそのわりに、肝心の試合のほうはというと内容どころか対戦相手も結果すらも覚えてない始末で、その頃の自分がいかにサッカーというスポーツに興味がなかったかを思い出させる記憶でもあります(笑)。
そんなこんなで、このあとも何度か仕事絡みで観戦する機会があり、そうするうちにそんな時間の過ごしかたに楽しさを感じ始めたことがきっかけで、自分の中の「休日のおでかけ先の選択肢」にサッカー観戦が加わることになったのでした。
「推し」と「沼」
あまり(というかほとんど)関心がなかったサッカーを、なぜ自ら進んで見に行こうと思うようになったか。それには大きく2つの要因がありました。
1つは「生でプロのスポーツを観られる」こと。こういうとアレですが、岡山にいてプロスポーツに触れられる機会というのは(探せばあったのかもしれませんが)当時はほとんどありませんでした。そんな貴重な時間を我が子にも体験させてやりたい、そう思ったからでした。行き帰りの電車やバスもまだ小さかった子どもたちにはいい経験になるのでは?というのもありました。
2つめは単純に自分が「地元びいきな人間」だから。田舎だの何もないだのと文句を言いながらも、岡山が大好きで大好きで仕方ない人間なんですよ。なのでその岡山の名前を背負って、岡山のために戦ってくれてるクラブや選手に肩入れしないわけがなかった、というわけです。試合中のスタジアム内に溢れかえる岡山人としてのアイデンティティを刺激される雰囲気が病みつきになってしまったのでした。
とはいえ、何度も繰り返しになりますが元々サッカーに関心がない人間です。基本的なルールくらいはアニメや漫画で知っていても、選手やなんかの知識は有名な日本代表クラスの選手ならわかるかなー?ってなレベル。失礼ながら当時は顔も名前もわからない選手たち行ったり来たりしてるのをただ眺めつつ、試合の流れでなんとなく「わーっ」とか「あーっ」って反応するだけって感じだったものですから、ファジアーノを応援してるとは言ってもそこまで頻繁にスタジアムに足を運ぶではなく「基本的には家で中継を見るのことにして、年に何度かは現地観戦できればいいかな」というスタイルで。いわゆる“サポーター”なんて呼べるようないうような熱心なファンなどではぜんぜんなくて、そこらへんのなんとなく立ち寄ってみた感じの軽いノリの“お客さん”の1人でした。
そんなふわっとした観戦スタイルでもしばらく見ていればだんだんと名前も覚えてくるもので、ぼちぼちと選手それぞれの特徴なんてものもわかるようになってきます。そこらへんがなんとなくでも分かりだすと一気に観戦が楽しくなってきて、自分なりの楽しみかたが見つかったり注目するポイントなんかが分かりはじめて、自分から欲しい情報を集めだしたりしてみたりして、よりのめり込んでいくようになっていきました。そのくらいになってくると今度は自分好みの選手、「推し」といえる存在ができてきて、さらに思い入れが強まって本気で応援するようになり…という具合に、どんどんと深みにハマっていきまして。そうして気づけばファジアーノという「沼」に肩までどっぷり浸かってる状態になっていたのでした。
(ちなみに、その初めての「推し」は田中奏一選手でした。)
と、こうして順調にファジアーノに夢中になってしまった結果、さらなる深みへと足を踏み入れることになります。そう、いわゆる「課金」というやつです。試合を見るためのチケット代以外の部分、例えばファンクラブに入会したり様々なグッズを買うことに“実弾”を投入することでクラブの活動に“具体的な”応援ができるうえに、愛するクラブのために貢献することができたという満足感をも得られてしまうという素晴らしいシステム。とうとうそこに手を出すに至るのでした。始めは応援グッズの代表格、タオルマフラーから。そんなに高いものは買えないし、ここでしか使わないしなあ…なんて、この頃はまだまだ理性がちゃんと仕事していました。そこから少しずつ小物や身につけるTシャツなど、少額のものをちまちまと買い集めていました。が、あるとき選手が着ているのと同じユニフォームを買うことにしました。決して安いものではないのですが、やっぱ応援するならこれでしょ!とばかりに、そのときはかなり思い切った決断だったと記憶してます。ただ、ひとつ思い切った買い物をしてしまえば次からはもう躊躇いはなくなります(笑)。
そんな調子で結局、シーズンパスを買うことになるまでそれほど時間はかかりませんでした。
ファジアーノに救われた、という話
初めてのシーズンパスが手元に届いて、さあ今シーズンもいよいよ開幕だぜっていうそんな矢先、思ってもみない事態が起こります。詳しくは書きませんが、家族の中で目の前が真っ暗になるレベルのアクシデントが発生してしまい、その対応にてんやわんやしなくちゃならなくなったのです。なんやかんやとやることに追われてるうちは余計なことを考える余裕がないのでまだいいのですが、何もない瞬間にふと様々なネガティブなことばかり考えてしまって、メンタルのほうがだいぶやられてました。生活そのものはどうにか保ててるものの、気持ちがなんかもうボロボロすきて休みの日の気分転換すらできず沈んだまま浮かび上がれずにいました。
そんなとき、ふと目についたのがファジアーノのシーズンパスでした。手に入れた直後に事が起こってしまい、さすがに「こんなときに…」と気が引けて使うことなんて考えられずにいたのですが、そのときはなんかいろいろドン詰まりすぎて、急になんだか全てがどうでも良くなって「もう知らん、好きなことしてやる」と何かが振り切れて、そのパスを持って勢いだけでサッカー観戦に出かけてしまいました。そんな半ばヤケクソで足を運んだスタジアムでの時間は、後ろめたさを感じつつももうヤケになってたので、心配とか不安とかの負の感情の一切を忘れて過ごすことができて、その時間のおかげで帰る頃にはあれだけ沈んでた気持ちが嘘みたいにスッキリした気分になっていました。それがあったからそのあとなんとか頑張れた、あれがなかったら心が折れてしまっていたと自分では思っています。あのとき助けてもらった恩を少しずつでも何かの形で返したい、その想いもまたファジアーノを応援する理由のひとつです。
日常の中の非日常
ここまで大袈裟な話でなくとも、たとえば旅行であったりライブやコンサートであったりと、日々の生活からちょっと離れることで気分転換になるというのはよく聞く話です。いつもの“日常”で溜まったアレやコレやを、いつもとは違う“非日常”な時間が洗い流してくれる…といったところでしょうか。
その非日常な時間を過ごすことができるのも、サッカー観戦の魅力のひとつだと思います。「観戦」とあるので、ただ試合を見て終わりなのでは?と思われがちなのですが、実際に会場に足を運ぶと様々なグルメがあったりイベントが行われていたりとちょっとしたお祭りようなムード。
早い人では試合の始まる数時間前から会場に来ていて、試合までの時間をゆったりと楽しんでいます。逆に試合直前に来てサッと入って試合を見てサッと帰るっていうあっさり派の人もいます。家族や友人、顔見知りと賑やかに過ごすのもいいですし、独りの時間に没頭するのもアリだと思います。雰囲気だけを楽しんで、試合とかは二の次でも大丈夫。とにかく、こうしたほうがいいだなんていう決まりは何もありませんから、楽しみかたは十人十色です。
とにかく大事なのは自分自身が楽しむこと。初めは勝手がわからずオロオロすることもあるでしょうが、決まりはないのですから自由に楽しんでみてください。
ファジフーズのススメ
そんないろんな楽しみかたがあるスタジアムですが、我らがファジアーノ岡山の試合が行われるシティライトスタジアムのいちばんのオススメはなんといっても「ファジフーズ」と呼ばれるグルメです。メニューの豊富さとその味には定評があって、数あるJリーグクラブの中でもトップクラスとの評判です。
このように店ごとにブース分けされていて、それぞれに特徴のあるメニューが揃っています。高い位置にメニューが写真と共に掲示されていて目当てのものが探しやすくなっていたり、ブースごとに並ぶ人が混乱しないよう区分けされていたりと、少しでもスムーズかつ快適に買うことができるような工夫があちこちに見られます。
とはいえ、それでもやはり一度に多くの人が利用することになりますから、混雑はどうしても避けられません。そこで一昨年からプットメニューというシステムが導入され、スマホからの注文もできるようになりました。これにより並ばなくても食べ物を手にすることができるようになり、さらに時間のロスなくスタジアムを楽しめるようになりました。
もちろんフーズそのもののクオリティーも高く、季節に合わせたものや対戦相手にちなんだものなどメニューも豊富。ガッツリ系でもあっさり系でもお酒のアテ系でも、とにかくなんでもあるので必ず何か見つかるはずです。
ちなみにこれはほんの一部。写真に丼ものが多いのはただの好みの関係で、決して丼ものしかないわけではないです(笑)。他にも焼きそばやポテトや牛串のようなお祭りの定番メニューもちゃんとありますし、アイスやクレープのようなデザートも、大人が喜ぶビールやカクテルなんかの酒類もあります。とにかく多種多様で老若男女さまざまな層のニーズに応えてくれます。ファジフーズで満足したらその日のスタジアムでのミッションの3分の2は達成できたようなものです。少しばかり時間に余裕を持ってスタジアムを訪れ、お気に入りのフーズを探してみてぜひともご堪能ください。
最大の魅力は“感情の共有”
ここまでつらつらと個人的に思うファジアーノの魅力について語ってきたわけですが、やはりいちばんはメインであるサッカーでの“感情の共有”だと思います。2021シーズン、スタジアムのビジョンに映し出された「こんなに嬉しくて、こんなに悔しくて、感情が爆発する90分がいざ始まる」の言葉の通り、そこにいる数千人が同じ場面で同時に喜んだり残念がったりするわけです。特にゴールが決まった瞬間の、スタジアムが一気に沸き上がる雰囲気は何度経験しても鳥肌モノ。それほど多くの人たちと一度に同じ気持ちを味わうなんて場面、他では思い当たりません。
そしてスタジアム外でも、そこにいる人たちはみんな共通して同じモノを応援している人たちです。気持ちが同じ方向を向いているわけですから、いわゆる「仲間」という存在に出会う確率は日常生活の中に比べて格段に上がりますし、そうして出会った仲間たちとの観戦もまた楽しいものです。近年ではTwitterなんかのSNSの普及も相まって、さらに人の輪は繋がりやすくなっているように思います。何かと人間関係が希薄になりがちな現代で、人と人が触れ合うあったかさが残っていること。その触れ合いから人と人の輪がどんどんと拡がっていくこと。そして、その輪の中で同じ感情を共有できるということ。それがファジアーノを追いかけてるうえで最大の魅力なのではないかと思います。
最後に
正直、書き始めたときの想像をら遙かに超える文字数になってしまい、途中から自分でも何が言いたいのかわからなくなりながらここまで書いてきましたので、内容的に辻褄がおかしいとか支離滅裂だとかあったかもしれません。それについては素直にごめんなさい。
そして、こんなダラダラと長く読みにくい駄文をここまで読んでくれたアナタに、最大級のお礼を言いたいと思います。お付き合いいただき本当に感謝しています。
また機会があれば、他の好きなものについてもやってみようかなと思ったりしてますので、またもし気が向いたら覗いてみてやってください。そのときはもう少し簡潔になるようにします(笑)。
長々とありがとうございました。それでは、また。