意外と使える(かも?)Windowsタブレット手に入れてみた
モバイル用タブレット、特にお絵かき用途といえばiPad一択…といった感があり、最近になって中華タブメーカーから絵描き仕様を謳ったAndroidタブが発売され始めているといった現況です。
そんな中、いったいどこへ行ってしまったのか…?というのがWindowsタブレット。ギガスクールだなんだで持て囃されたのも今は昔、そっち方面はここ最近ChromeBookの採用が増えているとも聞きます。
そんな状況を背景に、2020年頃からアキバの中古・ジャンク系PCショップで姿をよく見るようになったのが富士通製Windowsタブレット「ARROWS Tab」シリーズ(以降アロタブと記載)です。
有名どころだとイオシスさんの大量入荷・大量販売でしょうか。今は流石に在庫が払底してきたようであまり現物は置いていませんが、しばらく前まではコンテナに大量に放り込まれたアロタブが風物詩となっていました。
ということでちと旬を逃した感はありますが、そのアロタブを入手してみたのでレビューやら何やらやってみようかと思います。
(ちなみに、絵描き用として同じアロタブのQ737/Rを現用しています。あと最近は出番がありませんが、RaytrekTabも保有中)
入手
とある土曜日、別件でアキバ行きのついでにジャンク巡回していたところ、ジャンクコンフルさん近くにある謎のジャンク店(確か土曜日しか開いてないとかだった気がする)のコンテナにアロタブが転がっているのを発見。気になったので回収してきました。しかしなぜACアダプターを2つも…。
機種情報
まずは当該機種の仕様を。
今回の機体は第6世代Core-M・m5-6Y54搭載、松竹梅でいう「竹」モデルになります。自分が買う以上当然ですがWacomデジタイザ搭載です。
画面サイズは11.6inchということでサイズ比較。
現用アロタブ(Q737/13.3inch)より一回り小さめ・RaytrekTab(8inch)よりはかなり大柄。
機体のコンディション
貼られていたメモには「ドット抜けあり・BIOS起動確認済」の記載あり、外観上はACのカバー無し・画面保護シートの右上がちぎれてなくなっているというのが目立つ部分でした。
保護シートに細かい傷がそこそこある以外は落下の痕跡等もなく、バッテリーの膨張もないようで比較的コンディションは良好。これは期待が持てます。
復旧作業開始
持ち帰って一通りクリーニングしたらまずは起動。
予想通りOSは入っていなかったのでBIOS画面が立ち上がります。
ここで要チェックなのがバッテリーの状態です。要交換だと長く使うわけにもいかなくなるためですが、今回のは80回ちょっとでまだまだ大丈夫そう。
ノートPCだとここからメモリとストレージを…となるところですが、ハード的に弄れるところは基本的にないのでOSインストールしていきます。
以前作ったインストールUSBを使い、インストール自体は30分ほどでさくっと完了。
ちょっと驚いたのは追加のドライバ等なしでタッチもペン操作も有効だったことでしょうか。標準でWindowsInk対応だったようで、この辺でハマる覚悟をしていただけに嬉しかったりちょっと拍子抜けだったり。
ディスプレイドライバ等必要なものもWindowsUpdateで順次インストールされ、そこから小一時間で基本動作は問題ない感じとなりました。
独自機能のインストール(一部は断念)
基本動作は概ね問題なしとなりましたが、タブレット独自機能でいくつか非動作となっているものがあり出来れば動くようにしたい…ということで追加インストールしたものをまとめておきます。
1)オプションキーボードのトラックパッド動作
実はこれ以前に同系統機(Q665)を購入していて、そちらに付属のキーボードユニットが使えることは確認済。が、トラックパッドのスワイプ(2本指スクロールとか)が効かないため対応策を探していました。
こちらはELANのタッチパッドドライバをWindowsUpdateのオプション更新でインストールし解決。
2)画面の自動回転
これはちょっとハマりました。加速度センサーのドライバが必要と分かり、これもオプション更新でインテルのセンサードライバを入れてみたもののデバイスマネージャ上では「!」表示で動作せず(設定画面で回転ロックが表示されず)半日ほど悩むことに…。最終的に同じインテルのHIDドライバをインストールで解決しました。
3)ショートカットボタン
アロタブにはユーザーでアプリ起動等を設定できる「ショートカットボタン」がありますが、OSをクリーンインストールするとこれが使えなくなります。
別になくても問題ないのですがせっかくだし…と思いつついろいろ調べてみたもののこれについては断念。
使い勝手について(主に絵描き方面)
一通り使えるようになったので「絵描きタブとしてどうか?」を見ていきます。
タブ表面はノングレアシートが貼られており(前述の通り右上剥がれあり)、シートに小さい傷はいくつかあるものの作業にはあまり影響しなさそう。
入れてみたソフトは上記のデスクトップ画面にもあるようにKrita・FireAlpaca・クリスタ。
いずれも作画時のトラブル等は特に無し、既存機と大差ない書き味であることが確認できました。
(タイトル画はKritaにて作成)
Atom系CPUのタブは描画中のカクつきが発生することがたまにある(RaytrekTabで経験)のですが、そういったこともなく比較的快適に描けます。
縦モードはタブレット用にパレット配置のできるクリスタがやはり使いやすいという印象。
がっつり実作業に使うかはともかくとして、なかなかいい買い物でした。
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