6.細胞検査の結果
2日後、再び病院へ。
受付を済まし、座るか座らないかで、すぐに名前を呼ばれる。
診察室へ行くと、先生が紙を見せてくれる。
「検査の結果ですね、良性でした」
なんだ、良性!
ホッとしたのも束の間、
「でもね、この細胞検査は誤差が多いんです」
「もしかしたら、この腫瘍は本当に良性かもしれない。でも、気になるのは、この白い点々…石灰化の方なんです。言わば、コレはがんの副産物なんです」
マンモグラフィーに写る白い点々。
先生は、どうしてもコレが気になると言う。
「初期のがんかもしれない、と思ってください」
更に詳しく調べるには、太い針で、細胞じゃなくて組織を取って調べないといけないそうだ。
「ただし、その検査はうちではできないので、更に大きい病院を紹介します」
との事。
なんだか大事になって来ちゃったな、というのが最初の感想だった。
その後は、二つの病院どっちが良い?と聞かれ、近いのでこっち、と選び、紹介状を書いてもらうのに結構長い時間待った。
看護師さんが、急に優しく(いや、いつも優しいんだけど)なって労ってくれるので、ちょっと現実味を帯びて感じた。
色々聞かれ、答え、記入して、4月23日に予約が取れた。
家に帰ると、やはり主人は落ち込んだ。
そして自分に言い聞かせるように、
「初期なんよな?」「初期って言われたんよな?」
と繰り返し確認された。
無理もない。
主人の母は、がんが見つかり、わずか7ヶ月で亡くなった。
健康が取り柄でずっと病院へ行かず、胸が痛いと病院へ行った時には既に手遅れで、手術も出来ず、医者の余命宣言通りに亡くなってしまった。
だから、健康診断に行け、健康診断に行けと、繰り返し勧めてくれていたのだ。
母親に続いて、妻もがんだなんて。
その事実を伝えるのが、本当に申し訳なくて、情けなかった。
本当にごめんね。