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獣脚機動セイガ 第1話「飛鳥/すべての始まり」

シーン1【薄暗い部屋】

ムラサメとハチが対峙している。

ハチ「ムラサメ様。話って、なんです?」
ムラサメ「お前に、、さよならを言いに来たんだ、ハチ。」
ハチ「えっ・・?」
ムラサメ「俺が山を降りたのは、人間を滅ぼすためではない。共存するためだ。今まで、騙していてすまなかった。」
ハチ「そんな・・」

ムラサメの表情から覚悟がにじむ。

ムラサメ「お前にも、言い分はあるだろう。俺が憎ければ、好きなだけ殴って殺せ。」

ハチの泣きそうな表情。そして悲しみが怒りに変わる。
ハチは変身ベルト・メイガドライバーのバックル部分を下腹にあてがう。ベルト紐が腰に巻きつく。変身の衝撃で、髪をなびかせるムラサメ。
ハチはメイガ(変身後の名前)に変身している。迫りくるメイガ。

何かが起こり、建物内のブザーが鳴る。
そこへ、男たちがぞろぞろやってくる。

男の1人「何事だ・・!」

やってきた者たちは皆、とある光景を目の当たりにして慄く。

男の1人「おのれぇ・・討て!!」

男たちは「オォォォ!!」と叫びながら、メイガに駆け寄る。(走りながら、恐竜態に変身。男たちの正体は、トカゲ族)

メイガとトカゲ族の戦闘開始。メイガはトカゲ族の力を凌駕している。

メイガ(ハチ)「うわぁぁぁぁ!!!」

シーン2【オープニング】
シーン3【畑・昼前】

「十八年後」とテロップ。

主人公・冴島飛鳥と、母の久子、畑の持ち主・三河が野菜の収穫をしている。

三河「飛鳥!後でいいが、そっち終わったら、今度奥の方を頼む」
飛鳥「はい、わかりました!」
三河「今日は暑いから、ちゃんと水分補給するようにな!」
飛鳥「ありがとうございまーす!」

飛鳥は持ち場を移ろうと動き始める。途中、近くにいた久子に話しかける。

飛鳥「母さん、そっちはどう?」
久子「全然よ。どれも虫に食われてて、これじゃあ商売上がったりだわ。」
飛鳥「そっか・・」

飛鳥の複雑な表情。
飛鳥はふと空を見上げる。飛行機が飛んでいる。

飛鳥(心の声)「みんな、なにしてんだろう・・。」

しばらくたそがれている飛鳥。

三河「飛鳥、そろそろご飯だぞー!久子さんもー!」
飛鳥「わかりました、すぐ行きまーす!母さん、行こう。」
久子「ええ。」

飛鳥と久子は納屋の方へ歩き出す。

??「ヒサコ様・・!」

飛鳥と久子は声の方を振り向く。そこにはスーツ姿の男。

飛鳥「あの、どちらさまで・・」
男「ああ、やはりヒサコ様だ・・!生きておられたのですね!」
飛鳥「え?母さん、知り合いなの?」
久子「・・ええ・・。飛鳥、あなたは先に戻りなさい。二人で話をするわ。」
飛鳥「う、うん。」

飛鳥は男のことが気になりながらも、農業用の納屋のほうへ。

シーン4【納屋の中・昼】

三河は既に昼食を始めている。そこへ飛鳥が合流する。

飛鳥「お疲れ様です。」
三河「おう、お疲れ。あれ?久子さんは?」
飛鳥「外にいます。母を訪ねてきた人がいて、いま二人で話してます。」
三河「そうか。ご飯、できてるぞ」
飛鳥「ありがとうございます。」

飛鳥は席につき、いただきますを言って食事を始める。

三河「それにしても、お前がきてくれて本当に助かってるよ。こっちは万年人手不足だからなぁ。」
飛鳥「それは、よかったです・・。」

どことなく重い空気。

三河「やっぱり、大学に行きたいか・・」
飛鳥「・・しょうがないですよ。僕は家のことで精一杯だし。」
三河「今年が豊作なら、行かせてやることもできたろうけどな・・。」

物憂げな飛鳥の表情。

飛鳥「でもまあ、僕はこの生活が好きですよ。三河さんには、ずっとよくしてもらってるし。こうやって、ご飯が食べられるのだって・・」
三河「そうか・・お前は偉いな。俺はこの年頃の時、遊んでばっかりだったよ・・。」

飛鳥の愛想笑い。

シーン5【畑】

久子と例の男はどこかに腰掛けている。
二人とも黙っていて、ものすごく空気が重い。男が重い口を開く。

男「久子様、今まで、何があったのです?」

久子は黙っている。

男「なぜ黙っておられるのです。みんなあなた様のことを心配して・・」
久子「ギン。」(ものすごい圧で)

男(名前はギン)は圧に負けて黙ってしまう。

久子「村雨市に戻るつもりはありません。」
久子「私がそこを去ったのは、息子を争いから遠ざけるためです。」

ギンの少し失望した表情。

久子「帰りなさい。今すぐ。」

久子の鋭い眼差し。ギンの諦めの表情。

ギン「わかりました。本部に伝えておきます。」

ギンは立ち上がり、久子に一礼をして、去っていく。
久子の切ない表情。


シーン6【夕方・畑】

綺麗な夕陽

三河「はいよ、これが今日の分。気をつけて帰れよ。」

久子は日給を渡される。

飛鳥と久子「ありがとうございました。」

飛鳥と久子は畑を後にする。


シーン7-1【夜・帰り道】

2人が並んで帰っている。

飛鳥「母さん、今日訪ねてきた人、誰?」
久子「・・ただの知り合いよ・・。」
飛鳥「そう・・」

妙にぐったりしている久子。

飛鳥「やっぱり、母さんは別の仕事探しなよ。この歳で肉体労働、きついでしょ?」
久子「・・そんなこと言ってられないです。1日三食も出してくれるのは、あそこしかないんだから・・」
飛鳥「・・・父さんが、いてくれたらな・・。」
久子「・・・」

すると久子は何かに気付いてハッとする。
飛鳥は久子の様子がおかしいことに気づく。

飛鳥「母さん、どうしたの?」
久子「飛鳥、向こうへ逃げなさい!」
飛鳥「えっ?」
久子「決して戻ってきてはいけませんよ・・!」

久子はそういうなり、走ってどこかへ行く。

飛鳥「ああっ、」

しばらくすると、遠くから久子の呻き声が聞こえる。

飛鳥「母さん!?」

飛鳥はたまらず久子の走った方向へ。


シーン7-2【公園】

飛鳥が公園に入ると、驚きの光景を目にする。
久子がトカゲの姿をした化け物に殺されている。

飛鳥「母さん!!」

化け物は飛鳥に気づくと、ゆっくりと近寄ってくる。
恐れ慄く飛鳥。化け物は走って向かってくる。

飛鳥「うわぁぁぁ!」

すると次の瞬間、飛鳥の体に閃光が走る。目が眩んでよろよろする化け物。閃光が止む。
飛鳥はふと我に帰る。
足元を見ると、自分の踏んでいる地面に、ぴったり恐竜の足跡のようなものがある。

飛鳥「なにが・・なにが起こったんだ・・」

しばらく息を切らしている飛鳥。そして、ふと倒れている久子に気づく。

飛鳥「母さん、母さん、母さん!」(揺さぶりながら)

飛鳥は抱き抱えた右手に血がついていることに気づく。

飛鳥「そんな・・」
服部「飛鳥君。」

飛鳥はびっくりして声の方を振り向く。

飛鳥「な、なんで僕の名前を・・」
飛鳥「いったいどういうことなんだ・・どういうことなんだよこれは!!」

飛鳥は完全に気が動転する。

服部「飛鳥君、落ち着くんだ!落ち着け!落ち着け!」(飛鳥の体を揺さぶる)

飛鳥は少し落ち着くも錯乱している。
服部の神妙な表情。
ふと、野次馬が少し集まっているのに気づく。

服部「場所を変えよう。ここにいたら怪しまれる。さあ、立つんだ。」

飛鳥は服部に腕を掴まれて立ち上がる。服部は飛鳥を引き連れて公園の外に出る。


シーン8-1【夜中・山奥】

携帯式の照明の周りに、飛鳥と服部が腰を下ろしている。

服部「まず、君に謝らなければならない。君のお母さんを助けることができなかった。本当に、すまない。」

飛鳥は疲弊している様子。そして重い口を開く。

飛鳥「あなた・・一体誰なんです?なんで僕の名前を・・」

服部は少し考えて口を開く。

服部「私は服部明。君のご両親と知り合いだったんだ。もう二十年くらい前のことか。君のお母さんは子供を孕っていたが、まさかこんな形で会うとは・・。」
服部「飛鳥君。私は君を探していたんだ。今から大切な話をする。全て本当の話だ。落ち着いて聞いてくれ。」

服部の真剣な眼差し。
飛鳥は緊張を隠せない様子。

服部「まず、君を襲った化け物について。」

シーン8-2【古代の地球】

恐竜と巨大隕石衝突の映像。

服部「人類が誕生するはるか昔、この地球を支配していたのは恐竜たちだった。しかし6500万年前、小惑星の衝突によって恐竜は絶滅した。だが、その全てが滅びたわけではなかった。」

トカゲ族の映像。

服部「一部の恐竜たちは独自の進化を遂げ、現在まで生き延びている。それが、君を襲った化け物、トカゲ族だ。」


シーン8-3【山奥】

服部「その存在にいち早く気づいた我々は、奴らと戦うことを決意した。君のお父さんもその1人だったんだよ。」
飛鳥「知らなかったな・・。それで、父に一体何が?」

服部は回答に悩む

飛鳥「・・そっか、殺されたんだな・・。」
服部「・・ああ。君のお母さんを庇うようにしてな。しかし奴らは、一度狙った獲物は逃がさない。だからここまで追ってきた。」

飛鳥の悔しそうな表情。

飛鳥「服部さん、僕にも、戦わせてください。」

服部の少し驚いた表情。

飛鳥「僕はすべてを失ってしまった。父さんも母さんも、奴らに殺されたんだ。これで何もしないなんて・・。」

服部のどこか確信めいた表情。

服部「いいだろう。というより、私は君にそれを頼みにきたんだ。よろしく、飛鳥君。」

服部は握手の手を差し出す。飛鳥は服部の手を見る。
そして、かたく握手をする。

すると、どこからかサイレンの音が鳴る。

服部「飛鳥君、そろそろ行こうか。」
飛鳥「えっ、、警察にですか?」
服部「違う。我々の基地にだ。仲間たちが君を待っている。」

服部は変身ベルト・ドライバーを取り出し、腰回りに装着。少し戸惑う飛鳥。

服部「変身!」

服部はメイガに変身。飛鳥の方へ行き、その腕を掴む。

飛鳥「えっ、ちょっと、、」

メイガは上空へジャンプする。

飛鳥「うわぁっ!」

背中に翼が生え、空高く飛ぶメイガ。

飛鳥「えっ、今どういう状況?」
服部「言ってなかったが、我々の基地は村雨市にある。」
飛鳥「村雨市!?」
服部「ああ、そこまでひとっ飛びだ。しっかり掴まるように。」
飛鳥「は、はぁ、」

メイガと飛鳥は夜空を東に向かって飛んでいく。


シーン9【トカゲ族のアジト】

薄暗い部屋に照明一つ。

トカゲ族四天王の、ニシキ(40歳男性)、オサフネ(39歳男性)、アコダ(41歳男性)マサ(40歳男性)が、輪になって座っている。

ニシキ「たった今、偵察から連絡が来た。どうも息子をやれなかったらしい。」
オサフネ「やれなかった?なぜ・・」
ニシキ「我らが思う以上に息子は、冴島飛鳥は強い力を持ってる。そういうことだ。」
アコダ「フン!一人雑兵を倒したくらいで・・それで奴はどこにいる」
ニシキ「さあ・・」

すると、ニシキのスマホが鳴る。
ニシキはスマホを開く。スマホの画面には、「金色に光る謎の飛行物体、西日本上空で目撃情報相次ぐ」の速報記事が。

ニシキ「これは、奴だな・・」

ニシキの不敵な笑み

ニシキ「いいことを知った、作戦を立てるぞ。」

ニシキの鋭い眼差し。



シーン10-1【翌朝・青年兵団の基地・寝室】

村雨市を包む朝日。

ベッドで寝ている飛鳥が「んん、」と言って目を覚ます。

祐希「おはよ!」

飛鳥は急な挨拶に飛び起きる。見ると、挨拶をしてきた少女・祐希(18歳女性)がこちらを見ている。ゆっくり起き上がる飛鳥

飛鳥「・・お、おはよう、、。えっと、ここは、いったい、?」
祐希「え?ああ、ずっと気絶してたもんね。」
飛鳥「気絶?」
祐希「うん。昨日の夜、服部さんに連れてこられたでしょ?そのときにはもう意識なかったよ。」
飛鳥「・・そうなんだ、、。」(戸惑う)
祐希「はじめまして。私は葵祐希。よろしくね!」(握手の手を差し出しながら)
飛鳥「あ、、冴島飛鳥です、よろしく、、。」

祐希の笑顔。飛鳥は戸惑いながらも、最終的には笑顔を見せる。


シーン10-2【基地・指令室】

飛鳥は祐希に先導されて入ってくる。

祐希「みんなおはよー」
仲田(20歳男性)「おお、祐希ちゃんおはよう。あれ、もしかしてその子って、」(隊員の水川と共に飛鳥へ近寄りながら)
祐希「そうそう。今日からここで暮らすことになった、飛鳥くん。」
飛鳥「あっ、冴島飛鳥です。よろしくお願いします。」
仲田「こちらこそよろしくね。僕は仲田篤胤。」
水川「俺は、水川旭。」

飛鳥はふと周りを見る。挨拶を交わした人以外、誰もいない。

飛鳥「意外と、ここにいる人少ないんだね。」
祐希「あ、いや、ほんとはもっと30人くらいいるんだけど、みんな仕事に出てるから。やっぱ、お金がないとできないしね、こういうこと。」
飛鳥「そこは意外と現実的なんだね。」
祐希「よく言われる笑」

みんな少し笑う。仲田と水川は持ち場に戻る。

飛鳥「あ、そういえば、服部さんは?」
祐希「なんか今ね、体調崩してる。もともとあんま体強くないし、昨日長時間飛んでたから疲れてるんじゃない?そのかわり、今日は私がいろいろ教えてあげる。」
飛鳥「そっか、ありがと」
祐希「まず、飛鳥くんは戦闘員がやりたいんだよね?」
飛鳥「戦闘員・・そうだね。」
祐希「じゃあ、まずはドライバーの使い方から覚えよっか。」
飛鳥「ドライバー、、?」

祐希はそういうなり、練習用ドライバーを探す。しかし、なかなか見つからない。

祐希「あれ、どこしまったっけな、最近使ってなかったからな、えっと、、」

飛鳥は少し困惑した表情をする。そして、ふと二本のドライバーが置かれていることに気づく。ドライバーはコードに繋がれて水槽の中にある。

飛鳥「葵さん、これじゃない?」
祐希「ん?ああ、これは服部さんのドライバーだから、威力が強くて練習用には向かないかも。右がよく使うやつで、今整備してる。左はまだ試作品だね。」(ベルトを写す)
飛鳥「そっか、じゃあひとまずこれ使ってみるよ。」
祐希「えっ?」(手を止める)

祐希の呆気にとられた表情。場の視線が一斉に飛鳥に向く。

飛鳥「え、なんか僕、変なこと言った?」
祐希「え、ちょっと待って、飛鳥くんもしかして、ポンコツ?笑」
飛鳥「えっ、なんで?笑」
祐希「え、だって私、練習用には向かないって言ったじゃん笑笑」
飛鳥「あー!そうだった!笑笑ごめん、、」
祐希「いやいや、いいんだけど笑」

みんな笑って少し場が和む。飛鳥の笑顔。
だが窓の外に、遠く離れたところから基地の中を見張っているものがいる。


シーン11【基地の外】

男(トカゲ族)が双眼鏡で見張っているところに、ニシキがやってくる。

ニシキ「タク、何か変わったことはないか。」
タク(男)「いえ、特に何も。」
ニシキ「そうか・・」
タク「しかし、なんとも大胆な作戦ですな。いきなり敵の本拠地を攻めるとは。」
ニシキ「昨晩長時間の飛行で、服部も、そして奴の『ドライバー』とやらも完全に疲れ切っている。それに加えて、敵の戦闘員も今は一人もいない。奴の首を取るなら今しかない。」
タク「なるほど・・」

ニシキはほくそ笑む。

ニシキ「善は急げだ。部隊を動かせ。直ちに攻撃を開始する。」


シーン12-1【青年兵団の基地】

祐希が飛鳥にドライバーの使い方を教えている。

祐希「これを差し込んで、このボタンを押す。わかった?」
飛鳥「うん。」

すると、どこからかコンクリートが砕ける激しい音がする。驚く一同。

祐希「えっ、何今の?」

仲田は急いでPCで監視カメラにアクセスする。すると、トカゲ族が基地に侵入する様子が映し出される。驚く仲田。

仲田「てっ、敵が来た!敵が基地の中に・・!」
水川「なに!?」

恐れ慄く一同。

水川「ひ、ひとまず、ここにくるのを防ごう・・!祐希、ドライバーを持って行くぞ!」
祐希「わかった!」

水川と祐希は壁にかけてある普通のドライバーを持って、司令部を後にする。


シーン12-2【基地の長い廊下】

突き当たったところにトカゲ族の部隊が大勢いて驚く水川と祐希。

水川と祐希「変身!」

水川と祐希はディノSDをドライバーに差し込み、ボタンを押して変身。装甲を身に纏う。トカゲ族VS水川と祐希の戦闘開始。一対一なら引けを取らないものの、敵の数が多い。


シーン12-3【指令室】

仲田はPCで水川と祐希の様子を見ている。


シーン12-4【廊下】

水川と祐希が戦闘中。

水川「だめだ!敵の数が多すぎる!」

水川は次第に劣勢になり、トカゲ族の一人に奥に突き飛ばされる。

祐希「水川くん!」

祐希が気をそらした次の瞬間、トカゲ族の男の一撃が下腹部のドライバーに直撃する。
祐希は変身を強制解除される。

水川「祐希!」

祐希は恐れ慄いて腰が抜ける。
シーン12-5【指令室】

恐れおののく仲田

仲田「そんな、どうすれば・・」

飛鳥は戦慄するが、ふと例の試作品のドライバーを見る。飛鳥の覚悟を決めた表情。
飛鳥は突然そのドライバーを持って、戦場へ向かおうとする。

仲田「まって!なにするつもり!?」(飛鳥の腕を掴みながら)
飛鳥「僕が助けに行きます!」
仲田「これは試作品だよ!それに君はまだ・・」
飛鳥「動くなら大丈夫です!」(振り解きながら)
仲田「飛鳥君!」


シーン14【廊下】

祐希はトカゲ族の男に追い詰められている。恐れ慄く祐希の表情。

水川「祐希・・!」

トカゲ族はとどめを刺そうとする。

飛鳥「待て!」

トカゲ族たちは一斉に声の方を見る。飛鳥が立っている。飛鳥の鬼気迫る表情。

祐希「飛鳥くん!」

飛鳥(既にベルトを装着している)はディノSDをドライバーに差し込む。変身待機音。

飛鳥「変身!」

飛鳥はドライバー横のボタンを押す。変身シークエンスを経て、変身。戦士セイガとなる。

トカゲ族たちはセイガを襲う。
セイガは武器のセイガブレイドを起動し、多数の敵と戦闘開始。セイガは必死な戦いぶりで応戦する。
驚く祐希と水川。
セイガは廊下を抜けて、開けた倉庫のような場所に行く。


シーン15【開けた倉庫のような場所】

セイガはひとしきり敵を倒す。少し息が切れている。

マサ「貴様!」

セイガはふと声の方を振り向く。男はトカゲ族四天王のマサ。(人間態)

セイガ「あなた、誰なんです・・?」
マサ「ふざけるな!おのれぇ、よくも我が兵士たちを・・!」
セイガ「えっ?」

マサは恐竜態に変身。爪の長いテリジノサウルスに酷似した姿になる。
セイガは驚きを隠せない。

セイガ「なんで?人間が化け物に・・」

マサは声を上げて襲ってくる。
セイガとマサはなし崩しに戦闘開始。戸惑いのせいで、マサに苦戦を強いられるセイガ。
セイガはマサに突き飛ばされる。立ち上がろうとするも、激しく体力を消耗して体が動かない。

マサ「貴様もその程度だな。」(セイガにジリジリ詰め寄りながら)

セイガの窮地。
マサはセイガの元へ走って向かい、とどめを刺そうとする。

セイガ「うわぁぁぁ!!」

すると次の瞬間、マサは何かを食らう。見ると、セイガブレイドがマサの腹に突き刺さっている。セイガははマサの腹に向かって、真っ直ぐ剣を持った右手を伸ばしている。

セイガ「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

セイガは剣を両手で持ち、マサの腹をさらに深くえぐる。悶え苦しむマサ。息絶え絶えのセイガ。

マサ「ト、トカゲ族・・」

セイガは驚いて顔を上げる。

マサ「トカゲ族、万歳!!」

すると、マサの体が爆発する。セイガは爆風で飛ばされ、地面に転がる。爆発が収まる。セイガはよろよろと立ち上がる。敵は跡形もなく消えている。

セイガ「トカゲ族、万歳・・」

飛鳥(語り)「今にして思えば、これが全ての始まりだった。これから続く、長く苦しい戦い。その先に待つ驚愕の真実を、この時はまだ、知るよしもなかったんだ・・。」

セイガは恐ろしくて手が震える様子。
その様子を、寝込んでいるはずの服部が遠くから見ている。服部の意味深な真顔。


つづく

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