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今のAI Agent、Meme発行だけ?
こんにちは、henです。
今日は数ヶ月前から沸々と話題になり、つい前一週間程度くらいで一気により広い層に話題の広がりを見せているAI Agentについて現在何ができるのか、どこまでユースケースが広がっているのかについて、個人的な主張を交えつつ話していこうと思います。
はじめに
まず、タイトルにもある通り、クリプトの文脈から見たAI Agentの現状がただのMeme発行とX投稿botだという主張に関してですが、これは合っているところもあるけど大半間違っていると思います。
Meme発行という点に関しては、例えばSolanaに存在しているAI AgentのトークンのほとんどがPumpfunを用いて発行されている現状からそのような視点が生まれてくるのだと考えています。
魔界をのぞいてみると確かにそれっぽいAI Agentのプロジェクトを作ってある程度の価値がついてきた頃にアカウント、サイト諸々を全部消してラグるみたいなコインが結構あります。その点で見ればAIコインがほとんどミームであるという思考に至るのは十分にわかりますが、「AIコインはミーム発行だけ」、みたいな意見を述べている人は、まさか魔界まで入り浸って見ているわけではなく、おそらく20mとか結構価値がついてきてXで話題になったものくらいしか見ていないと思うので、やはり中身のプロジェクトをしっかりと見て判断していないという仮説が濃厚でしょう。
プロジェクトがトークンを発行する必要が無いのにわざわざ”Pumpfun”でmemeトークンを発行するみたいな主張もあります。トークンを発行する必要があるのかについては発行している側の人間ではないのではっきりと断言はできませんが、単に資金調達がトークンを発行することでできること、トークンをプロジェクト内の通貨として使うことで独自の経済圏を形成出来ることに理由があると考えています。
また、なぜトークンのローンチ場所にPumpfunを選んだのかに対する僕なりの仮説としては
単にPumpFunがトークンのローンチパッドとして優れている
と考えています。どんな点でそのようなことが言えるのかは、Feeなしでトークンが発行できること、スナイパーなどを考慮しなければ完全にフェアなローンチを実現できること、作ろうと思えば意図的にトケノミクスを作り出すことができる点においてです。
しかしながら、PumpFunがミームのためのプラットフォームという認識は崩れることはないと感じています。
したがって今のAI Agentミームだねの主張をする人たちの考えを覆すには、圧倒的な技術力とユースケースを見せつけていくしかありません
またX投稿botくらいのレベルのAI Agentしか出てきてない、他にもあるけどまだそれは思想だけで、実用化されてない、という意見に関しては、市場ちゃんと見ていない証拠です。このNOTEを見て少しだけでも市況を把握して見ましょう。
というわけで本記事では主にSOLANAでミームコインをローンチしているAIのプロジェクトの中身を見ていくことで本当にそれがミームコインの枠に収めることができるのか分類して詳しく見ていくことにします。
アクションエージェント(DeFai)
これに関しては結構最近話題になりつつあるAI Agentですね。ユーザーのインプットに対してAgentがアクションを起こすみたいなやつです。(たとえば1SOLをOOOOOに送って、と言ったらAgentが代わりに送ってくれるというような)
この分野に関しては最近ではなくAI Agentというトピックがクリプトの文脈の中で出てきた頃からずっと開発がされてきている分野な気がします。AIとDeFiが相性いいと見抜いた開発者の人たちがみんなこぞって開発をしています。
トークンを発行しているプロジェクトも発行していないものも結構あるので、いくつか紹介していきます。
Griffain
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GriffainはSOLのAI Agentコインにおいて一番MCapが大きいプロジェクトです。出てきた時期もかなり初期であり、(11/3)注目を浴びるようなったのが、SOLのファウンダーのTolyとやりとりをしていたことが大衆に知られてから大きく価値を伸ばしていきました。
以下の画像にようにアプリ内で多数のエージェントが作成されており、基本的なトークンの取引やトークンの分析など他にも多数の機能を独自に開発、提供しています。スピリッツの販売を行うBAXUSと提携しており、Griffainの中でスピリッツを独自トークン$Griffainを使って購入することができるなど、トークンのユーティリティを持たせることに成功しています。
詳しい内容はアクセスに1SOLかかるので試していませんが、新しいアクションエージェントが登場してきたらとりあえず比較対象にされるような、リーダー的なプロダクトです。
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HIVE
最近僕が特に注目しているプロジェクトの一つです。
最近のSOLANAのAIハッカソンで優勝したプロジェクトらしく、コミュニティからもかなり期待されています。
機能はトークンのスワップ、マーケット分析、ブリッジ、ステーキングなどDeFiにおいて必要なアクションは大体できるようになっています。
また複数のエージェントが協働してユーザーのリクエストに応えることができ、マーケット,トークン分析においてはトークンの情報だけでなく、Xに投稿されているそのトークンに関してのポストから大衆の感情を読み取ったりして普通にファイナンシャルアドバイスしてくれる機能や、ステーキングでは最も利回りの良いプロトコルを探してステーキングできる機能など、単なるアクションだけでなく、プラスアルファの行動をすることが可能になっています。
開発側が絶えず開発を続けているので期待できるプロジェクトです。
Spent the weekend building https://t.co/yK4sK9Jf1K for the @solana @sendaifun AI agents hackathon
— Jason Hedman (@jsonhedman) December 24, 2024
The goal is to create a network of specialized DeFi agents that cooperate to open and manage complex yield positions
Check out the demo! pic.twitter.com/D68YW9OLpD
インフラ系
SNAI
— SwarmNode.ai (@swarmnode) December 23, 2024
SNAI(SwarmNode.ai)は、AIエージェントをサーバー管理なしでクラウド上で簡単に稼働させられるサーバーレスプラットフォームです。コードをアップロードするだけで、サーバー構築やスケーリングの手間を省き、AI開発のハードルを大幅に下げます。
主な特徴
・サーバーレス: サーバー管理不要。実行時間分だけの課金でコスト効率抜群。
・チェーン機能: 複数エージェントが連携し、複雑なタスクを処理可能。
・簡単オーケストレーション: REST APIやPython SDKで制御・統合が簡単。
・進化中のロードマップ: データストアやスケジューリング、多言語対応などが順次追加予定。
今後のロードマップ
SNAIは現在も開発が進められており、以下の新機能が順次追加される予定です:
・データストア: エージェント間でデータを共有できる無料ストレージ機能。
・スケジューリング: 決まった時間にエージェントを実行する機能。
・エージェントライブラリ: コミュニティ作成エージェントの共有・利用が可能に。
・多言語対応: Python以外のプログラミング言語にも対応予定。
チームがめちゃくちゃいいです、競合のプロジェクトがあまりみられないのでSOLANAのAI Agentインフラ枠で特に注目したいプロジェクトです
ARC
ARC(arcdotfun)は、Solana上で動作するAIエージェントフレームワーク「Rig」を中心に構築されたプロジェクトです。このフレームワークはRustで開発されており、Solanaのネイティブ言語であることから、効率的で高度なAIエージェントの構築を可能にします。ARCは、AIとブロックチェーン技術を組み合わせることで、分散型アプリケーション(dApps)の可能性を大きく広げることを目指しています。
特徴
フレームワーク「Rig」
Rustを用いて構築された「Rig」は、安全性、スピード、並列処理性能に優れており、開発者が効率的にAIエージェントを構築できる環境を提供します。
AIを活用したdAppsの革新
トークン市場の分析やリアルタイム意思決定支援など、dAppsにAIを統合することで新たなユースケースを実現します。
シームレスなエコシステム統合
DeFiプロトコルやNFTプラットフォームとの連携により、AIエージェントが直接これらのdAppsと相互作用可能。
ai16zのElizaはTypeScriptでエージェントのフレームワーク、ZerebroはPythonで、ArcはRustで、の立ち位置です。期待。
FXN
FXNはいわゆるスワーム(Swarm)という一つのアクションのために複数のエージェントが協働して動くものです。個々の強力なエージェントが個人だけで動いているだけでなく、多数のエージェントと協力して動くことでより良い働きをなすことができる思想から生まれたものです。
主な特徴としては
エージェントの発見と連携
エージェントが相互に発見し、認証し、安全に連携できる仕組みを提供。これにより、エージェント同士の協力が容易になります。
リソースの安全な共有
APIアクセスやデータストリーム、ウォレット権限などのリソースを、認証されたエージェント間で安全に共有可能。これにより、複雑なタスクの実行が可能に。
分散型アーキテクチャ「Cascade」
すべてのエージェントの活動は、分散型台帳「Concord」によって管理。これにより、セキュリティと検閲耐性を確保。
スケーラブルなネットワーク
小規模なエージェント間の通信から、大規模な「スウォーム」(群)での複雑なタスクまで対応可能。
FXNはai16zのパートナーであることから、今後の展開に期待していきたいです。
似たようなプロジェクトにSwarmsがありますが、ソースコードを見る限り、Shawはくそだと言っていたので今回は紹介を省きます。
終わりに
今回いくつかのAI Agentプロジェクトを紹介しましたが、このほかにも数えきれないくらいたくさんのプロジェクトが存在しています。
他は下のツイートから飛べるリンクを参考に探してみてもらえるといいと思います。
やはり、今回紹介したごく少数のプロジェクトを見ただけでも、ミームの域には到底止まりそうにないと、僕は考えています。
しかし、ながら現時点では、ビジョンが大きくなりすぎてアップデートが追いついていないことも事実だと思うので、今後の展開は注視したいところです。
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— nader dabit (@dabit3) January 9, 2025
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多くの方が述べているように、AI Agentのサイクルは多産多死だと感じています。多くのプロジェクトが出てきている中で、どのようなプロジェクトが少なくともクリプトの文脈にとって長い間需要を維持できるか、どのようなプロジェクトがすぐに淘汰されていくのか、VCのインターンとしての視点からはそのような考えを持ってこのサイクルには立ち向かっていきたいです。