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秩父で日帰り一人旅してきた②
前回の続きから
古き良き味のある路「番場通り」
飯も良し、甘味も良し、珈琲も良し「パーラーコイズミ」
パリー食堂でランチを堪能した後は、歩いてすぐの所にあるこちらの喫茶店に立ち寄った。
僕はカフェインが苦手なので1日1杯しかコーヒーを飲まないようにしている。大好きなものが満足いくまで飲めない苦痛はいつまで続くのか。
アイスコーヒーだけではもったいないと思い、豊富なデザートメニューの中からプリンコンサートというものを注文。
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この見事なボリュームと見た目。今のお腹の具合にピッタリだった。
自家製のプリンは柔らか過ぎず、卵の味がしっかりと出ていた。甘すぎないのもとても美味。両脇に控えるバニラ・ストロベリーのアイス達が、味のバランスを取っている。
加えてアイスコーヒーが美味しい。ただ苦いだけでなく、豆の風味が鼻を通り抜ける。
商品を提供してくれたのはこの店のご主人らしき人なのだが、スラックスとワイシャツ姿で名札も無いので、一瞬ほかのお客さんが運んできたのかとびっくりしてしまった。笑
芝桜以外の季節も美しい「羊山公園」
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番場通商店街でお腹を満たした後、シーズンになるとあたり一面美しいピンクに染まるという羊山公園へと向かった。
6月はシーズン外なのだが、タクシーから降り立った場所はもうそれは大自然。長瀞で川に見惚れ、今度は山に溺れる。空気が美味しい。歩いているだけで気分が高揚してくる。
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そして僕のシーズン以外の目的はこれだった。
この景色を見たかった。秩父を見渡せる場所である。
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街を眺め、静寂の中で20分ほど思考に至る。
昨日までの日々で感じていた些細な悩みやストレスは、微塵も思考に飛び出してこなかった。
旅の最後はやはり温泉「祭の湯」
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秩父の街を眺めながら山を降り、15分ほどしたところで西武秩父駅へ辿り着く。ここにはお土産の販売所や、温泉までもが隣接している。
1日歩き疲れた体を湯船に浸かることで癒すことが出来た。本来、温泉好きの部分が膨張して旅行に繋がっているので、ある意味ここが最終目的地であり最初に調べた場所なのである。露天風呂も最高で、高濃度炭酸泉やシルク湯も良かった。CMでやっているシャワーが数台置いてあった。
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また食うのか。1日2食(うち1食はパン1枚)の僕がこの日は食べに食べていた。
温泉を出た後に隣接のフードコートで頼んだ、くるみだれの蕎麦と期間限定の紅しょうがのかき揚げ。
更には秩父名物みそぽてとの3品。16時半に食す。これは何飯にあたるのか。
特にみそぽてとは全くの新食感で、甘いみそだれがホクホクのいももちのようなものとマッチしている。非常に美味しかった。また食べたい。
満腹の体をテーブルから離し、帰りの電車に着いた。
何故「秩父」が素敵な場所なのかわかった
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今回の旅行で、1番に感じたのは秩父の人間の温かさだった。
旅の最中に会う人、会う人がみんなどこか温もりを感じさせる優しさがあった。それが何故なのか、タクシーの運転手さんの話から分かってしまった。
「この先にある温泉はね、〇〇さんって人が掘り当てたんですよ。その人はね、秩父で働く農民のために何か出来ないかってずっと温泉を探してたらしいんですよね」
「今は有名な秩父のワインですけどね、これは△△さんの親父さんが仲間たちに最高の酒を振舞いたいって作ったものでね。市場に売り出したのは息子さんの代になってからでね」
タクシー運転手さんは町の良い所を、目的地に着くまで楽しそうに話していたし、羊山公園でたまたま交通整備をしていたおじさんからは、この先がここでこの道はここ、良かったら滝も見ていって下さいって話された。
わかった。この人たちは決してお金儲けのためにそれをやってない。本心で、「私が住む秩父って素晴らしい街を、存分に楽しんでくれ」って思って話してくれてるに違いないと思った。街に絶対の自信があるのもそうだし、だからといってお金を落としていきなさいよという腹黒さもない。
だから観光客ありきの街に成り下がってもないし、趣を守りながらも自分たちらしい生活を続けられる。
改めて人も景色も何もかも、素敵な街に来れた。
人にも自信をもっておすすめできる旅行先が僕にも出来た。
最後に
ここまで読んでくれてありがとう。
僕一人の幸せだったある日が、次の誰かの幸せな1日になることを祈ってここに記す。
やはり旅行は素晴らしい。冒険のワクワクを感じられる。