ハツコイハツネを読んで
偶然、再会したと思っていた。
中学生の頃、1学期だけ同級生だった子と会社近くのカフェで出会った。
彼女は他人の感情が音として聴こえる
能力の持ち主だった。
都会に出ていろんな場所へ行き、美味しいご飯を食べ、好きな人と一緒に日常を送る。 そんなささやかな願いも彼女の特殊能力のおかげで叶う事は難しい。
たえず音が鳴っている状態。
心地良い音ばかりではない。
他人から発する怒り・不安・悲しみなどのネガティブな感情も彼女には聴こえてしまう。 それがストレスとなり、体調を崩し日常生活を送れなくなる。
できるだけ人の少ない場所へ行かなければ彼女の体は保たないだろうと判断し
別れを決意。
彼女に悟られないように
自分の決心も揺るがない様に厳しい言葉で告げた。
彼女が引越した後、東京で再会したのは彼女が自分を探し、再会出来る日を待っていた事を知った。
僕達に偶然の出会いは有り得ない。
心の音が聴えるのだから。
僕達の出会いは彼女が望んだことだった。
久しぶりのラブストーリー。
お互いの事を想っているのに、一緒に居る事が相手の負担になるのでは?
とか自分の治らない能力(個性)を否定される事への不安とかネガティブな感情がぐるぐる渦巻き一度は別れを選択するも、やっぱり彼女と一緒に居たい
と思い、追いかける。
いいねぇ。キュンキュンする。
いつまでも相手を思いやる気持ちを大切にする。相手の気持ちを聴く事は出来ない。ので想像する。
新ためて人と一緒に居るのに、必要な気持ちを教えてもらった。