「あげまん」
ペタンクというスポーツ、というか遊戯を知っていますか。鉄の球を転がし合って、目標物に近い方が勝ちというフランス発祥のゲームです。冬季五輪のカーリングにルールがよく似た競技です。お互い6球ずつを投じて、敵の一番近い球より内側に入った味方の球の数だけ得点になります。
会社をやめてから区の「スポーツ指導員」というのになって、地域の人々と交流が広まりました。だいたいが私より年長の方々です。え、私? まだ還暦は迎えていませんよ…。この地域の方々とたまにペタンクをすることがあります。彼らはサークル活動として日ごろから練習していて上手なんです。全国大会みたいなのにも行っているらしい。
それで、おフランス生まれのスポーツざーますから、球をブールとかゲームの区切りをメーヌとか、いい投球のときは「トレビアン」とかフランス語を使うんですね。おしゃれですねー。
ところが、ところが。
このペタンクで、ゲームの途中で勝っている方が、投げ損じて味方や敵の球にぶつけてしまい形勢が逆転することがあります。サッカーで言うオウンゴール的な展開なんですが、この自爆が発生すると、淑女たちも含めてみんなが、
「わー、あげまんだ、あげまんだ」
と大騒ぎなんです。初めて聞いたときはちょっと恥ずかしかった。