【後編】La Union知る人ぞ知るサーフスポット【フィリピン】
もしあなたがサーファーなら、La Unionのビーチは一目ぼれすること間違いない。ビーチに続く道は小道のみとなっており、小道の途中から突き当りの海わずかに見える。一度道を抜ければそこはビーチになっており、はるかかなたまで広がるビーチと、たくさんの人と海が広がっている。
人々はみんな元気に遊んでいるし、ビーチ沿いのレストランはきれいで新しいものが多い。海にはたくさんのサーファーが頑張って波を攻略しようとしている。
朝ご飯を済ませてさっそくボードを借りる。1時間当たり300ペソらしい。安いと思う。この値段はすべてのレンタル屋さんで共通であり、看板に書いてあるので、日本人だからとぼったくられることはない。
そもそもフィリピン人はほかのアジアの国に比べてぼったくる人は少ない傾向にある。これは彼らのお人好しな性格によるものもあるだろう。
午前中に1時間、昼食休憩をはさんで、午後に2時間サーフィンをした。波の上はビーチよりも混雑しているので、ここでのサーフィンの難易度を上げていると思う。まあ、仕方ないか。
サーファーは女性の割合が多く、彼女らが一生懸命波に乗って、そして体制を崩して波にダイブする光景は見ているだけで楽しくなる。
ひとしきり遊び、暗くなるまでビーチのそばのレストランでビールを飲んだら、本日の宿に向かった。ビーチからトライセクルに乗り5分。通り沿いで下してもらい宿を探す。
あれ…。
宿がないなあ…。
この時は本当にホテルが見つからず、詐欺に騙されたと思っていた。
しかたないから、路上のサリサリストア(コンビニよりさらに小さい、ローカル小売店のこと)でホテルの名前を伝える。
「ああ、奥に来て。」
なんと、サリサリストアの中を抜けないといけないのだ。まるでゼルダの伝説の謎解きみたい。というか、不法侵入だ。
サリストアのレジを抜け、民家の玄関をくぐり、たどり着いた先は。。。
人の家???
「ここの部屋が空いているから止まっていいよ」
いやいや。私はホテルと聞いていたのだ。いつからホームステイ先を選んでいたのだろう。
「あ、エアコン無いからファン持ってくるね。」
うーーん。
ま、いいか。
結局そこに泊まることにした。バックパッカー魂は健在であった。
トイレ、シャワーは共通でお湯も出ないそうだ。これで2700ペソは高すぎるだろう。しかし新しいホテルを探す元気もないので、そこで寝ることにした。
次の日の朝、意外と快適な夜だったなあと思いながら外に出たら、大雨である。傘も持っていないので、立ちすくんでいるとお母さんがきて、
「朝ごはん食べる?」
何と朝食付きのホテルだったみたいだ。
「コーヒーも飲む?」
お世辞ではなく、おそらくこの旅行で一番おいしいごはんとコーヒーをごちそうになった。なるほど、2700ペソの価値あるな。
私はちょろいのである。
そんなこんなで、その日も雨の中2時間サーフィンをした。
うまくできず何度も失敗をしながら、少しづつ体が傷ついていき、ボロボロになったが、それでも本当に楽しかった。
うまくできないものほど深くハマる。
夜9時にマニラ域の夜行バスに乗り込み、バスの中で旅行の回想をしていると、ゆっくりと様々な考えが沸いては消える。この手持ち無沙汰な帰りの移動の時間もバックパッカーの醍醐味である。
「すべてが上手くいかなかったけど、それも含めてすべてが完璧な旅行だったなあ。」